明 細 書
ワ イ ヤ放電加工方法
技 術 分 野
本発明は、 ワ イ ヤ放電加工装置によ って コーナ部を加 ェする方法に関する。
背 景 技 術
ワイ ヤ放電加工においては、 ワ イ ヤ電極に所定の張力 を付与 し、 ワイ ヤ電極と ワー ク と間にパルス電圧を印加 してワ イ ヤ電極と ワ ー ク 間の間隙に放電を生 じせ しめて 加工を行な う ものであ が、 こ の ワ イ ヤ電極と ワー ク 間 に放電圧力等の圧力が生 じ、 これによ り ワ イ ヤ電極に撓 みが生 じ る。 直線加工であればこ のワ イ ヤ撓みは格別問 題とな らないが、 コ ーナ部を加工する場合には、 こ のヮ ィ ャ電極の撓みの影響でコ ーナ部の加工精度が低下する。
コーナ部での加工精度の低下を防止する方法と して、 特公昭 5 6 — 2 0 1 3 3 号公報、 特公昭 5 6 — 1 6 0 0 7 号公報等に開示さ れている方法が知 られている。 これ らの方法は、 加工送り の方向変換箇所で一旦送り を停止 さ せた り 、 方向変換箇所よ り 送り 速度等の加工条件を変 更 してワ イ ヤ電極の撓みを少な く し、 コ ーナ部分の加工 精度を向上さ せる ものであ る。 しか し、 こ れらの方法は、 加工送り の方向変換箇所まで到達 した時点で送り の停止 等の制御を行な う ため、 方向変換箇所まではワ イ ヤ電極 の撓みは修正さ れずに加工が行なわれ、 こ の間の加工精 度を低下させる と い う 問題があ る。
又、 特公昭 6 3 — 2 5 8 9 1 号公報には、 ワ イ ヤ電極 の撓みを実際にセ ンサで測定 し加工経路を修正する方法 が開示されてい る。 こ の方法によ る と あ る程度のワ イ ヤ 電極の撓みが補正で き るが、 上下ワ イ ヤガイ ドの近傍と 上下ガイ ドの中間位置ではワ イ ヤ撓み量に差があ る こ と か ら完全な修正は不可能であ る。 又、 ワイ ヤ電極の撓み を測定するためのセ ンサを放電加工部に配置する必要が あ る と い う 問題があ る。
発 明 の 開 示
本発明の 目的は、 コ ーナ部を加工する と きの加工精度 を改善 した ワ イ ヤ放電加工方法を提供する こ と にあ る。
本発明の ワイ ヤ放電加工方法は、 コ ーナ部加工開始位 置から第 1 の所定距離だけ前の位置か ら コ ーナ部加工開 始位置までの区間に於いて加工送り 速度を第 1 の加工送 り 速度から第 2 の加工送り 速度まで低下さ せる ステ ッ プ と、 コ ーナ部加工開始位置か ら第 2 の所定距離だけ前の 位置か ら コ ーナ部加工開始位置までの区間に於いて前記 パルス電圧のオ フ タ イ ムを第 1 のオフ タ イ ムか ら第 2 の オ フ タ イ ム まで増大させるステ ッ プと、 コ ーナ部加工中 に於いて前記加工送 り速度を第 2 の加工送り 速度に維持 する と共に、 前記パルス電圧のオフ タ イ ムを第 2 のオフ タ イ ムに維持するステ ッ プと、 コ ーナ部の加工終了後に 前記加工送り速度を前記第 1 の加工送り 速度に戻 し、 前 記パルス電圧のオフ タ イ ムを前記第 1 のオ フ タ イ ムに戻 すステ ッ プとを備え る。
更に、 コ ーナ部加工中は加工液の流量も所定量低下さ せ、 ワ イ ヤ電極の撓み発生を防止する。 さ らに、 コ ーナ 部加工中のパルス電圧のオフ タ イ ムは、 被加工物の厚さ に応じて決定し、 コ ーナ部の加工送り 速度は コ ーナ曲率 及びコ ーナ部のオフ タ イ ムに応 じて自動的に決定する。
コーナ部加工開始位置よ り 前の位置よ り 加工送り 速度 を低下させ、 且つワ イ ヤ電極と ワ ー ク との間に印加する パルス電圧のオフ タ イ ムをこ の送り 速度に合わせて增大 させるので、 コ ーナ部分の加工が行なわれる と き には ヮ ィ ャ電極の撓みを除去も し く は き わめて小さ な もの と し、 コ ーナ部分の加工精度を向上させる。 しか も、 コーナ部 分は一定の加工送り 速度、 一定のオフ タイ ムで加工が行 なわれるか ら、 コ ーナ部分の加工は均一な加工が行なわ れる。 さ ら に、 加工液の流量をコ ーナ部分の角度に応 じ て制御 して水圧によ って ワ イ ヤ電極が撓むこ とを防止す る。 こ れ らの送り 速度の低下、 オ フ タ イ ムの增加、 加工 液流量の制御の相乗効果によ つてワイ ャ電極の撓みを除 去 し コ ーナ部の加工精度を向上さ せる。
図面の簡単な説明
図 1 a 及び図 1 b は、 本発明方法によ る小円弧コ ーナ 加工の説明図、
図 2 a 及び図 2 b は、 本発明方法によ る微小円弧コ ー ナ加工の説明図、
図 3 a 及び図 3 b は、 本発明方法によ る角 コ ーナ加工 の説明図、
図 4 は、 本発明の コーナ加工方法を実施するための ヮ ィ ャ放電加工機の制御部の要部プロ ッ ク 図、
図 5 は、 制御装置が実施する前処理のフ ロ ー チ ャ ー ト、 図 6 は、 補間処理を含む処理のフ ロ ー チ ャ ー ト 、
図 7 は、 P M C用プロセ ッ サが行な う コ ーナ制御のフ 口 一チ ヤ一 ト 、
図 8 は、 小円弧コ ーナ処理のフ ロー チ ャ ー ト 、
図 9 は、 微小円弧コーナ処理のフ ロ ー チ ャ ー ト 、
図 1 0 は、 角 コ ーナ処理のフ ロ ーチ ヤ一 ト 、
図 1 1 は、 ワー ク の厚さ と コ ーナ部のオ フ タ イ ム との 関係を表わす図であ る。
発明を実施するための最良の形態
図 1 a 〜図 3 b は本発明方法によ る コーナ部の加工の の説明図である。 本発明においては、 コーナ部を 4 種類 に分け、 コ ーナ部の円弧半径が大き く コーナ部に対 して 特別な制御を行なわずに加工を行な う場合、 コ ーナ部の 円弧半径が小さ く 図 1 に示す小円弧コ ーナ加工を行な う 場合、 コ ーナ部の円弧半径がさ ら に小さ く かつ コーナ部 の角度が設定値以下の場合に行な う 図 2 に示す微小円弧 コ ーナ加工を行な う 場合、 図 3 に示すコ ーナ部の頂点が 円弧で構成されてお らず、 直線と直線の交点で形成され ている場合の 4 つに区別 して コ ーナ加工制御を行な う も のであ る。
コ ーナ部の円弧半径を r 、 コーナ加工制御を行な う最 大円弧有効半径 R 2 (設定値) 、 微小円弧コ ーナ加工制
御を行な う 最小円弧有効半径 (こ の値は使用する ワ イ ヤ 電極の直径とする) を R 1 (設定値) 、 微小円弧コ ー ナ 加工制御を行な う コ ーナ部の円弧を挟む前後のプロ ッ ク の円弧接続点における接線の交点の角度 (以下コ ー ナ角 度とい う ) を 0 、 小円弧コ ーナか微小円弧コ ーナかを判 別する ための コ ーナ角度を α (設定値) とする と、 ( I ) r ≥ R 2の時 : 特別な コ ー ナ部加工制御を行なわ ない o
( Π ) R 2〉 r ≥ R lの と き、 又は、 r く R 1、 且つ 6 ≥ α の と き : 図 1 に示す小円弧コ ー ナ加工制御を行な う。 ( ΠΙ ) r く R 1、 かつ 6 < α の と き : 図 2 に示す微小円 弧コ ー ナ加工制御を行な う。
( IV ) コーナ部の頂点が円弧で構成されてお らず直線と 直線と の交点で形成されてい る と き : 図 3 に示す角 コ一 ナ加工制御を行な う 。
図 1 a は小円弧コ ーナ加工の加工経路を示 し、 図 1 b は該小円弧コ ーナ加工制御を説明する説明図である。
C 〜 D間は C点を始点 D点を終点とする半径 r の円弧 のブロ ッ ク で、 該円弧の始点 C よ り 設定された距離だけ 手前の A点よ り 加工送り 速度を図 1 b に示すよ う に低下 さ せる。 C点か ら D点ま での円弧部分は定速の送り 速度 で加工を行な う 。 円弧の終点 Dか ら加工送 り 速度を増大 さ せ設定所定時間が経過する F点で元の加工送り 速度に 戻す。
更に、 加工送 り 速度の変化に応 じて加工面に対する単
位時間当た り の放電量をほぼ一定にするために、 放電加 ェ電源から ワー ク と ワ イ ャ電極に印加するパルス電圧の オ フ タ イ ムを変化さ せる。 送り速度の低下を開始する A 点からオフ タ イ ムを増大さ せて も よいが、 オフ タ イ ムの 増大を早く 開始する と ワ イ ヤ電極の撓みがとれてワ イ ヤ 電極と ワー クが接触 し シ ョ ー トする場合があ る。 従って、 本実施例では、 円弧の始点 C点か ら設定された距離だけ 手前の B点よ り オフ タ イ ムを増大させる。 円弧始点 C か ら終点 D までは、 オ フ タ イ ムは一定の値に維持する。 そ して、 円弧終点 D の通過か ら設定時間経過 した E点よ り オ フ タ イ ムを減少さ せ、 加工送り 速度を元の速度に戻す 時点 F で元のオフ タ イ ムに復帰さ せる。 こ の小円弧コ ー ナ加工においては加工液の流量は変化させない。
図 2 a は微小円弧コーナ加工の加工経路、 図 2 b は該 微小円弧コ ーナ加工制御の説明図であ る。 こ の円弧コ ー ナ加工は C 〜 D間の円弧プロ ッ ク の半径 r が上記設定値 の最小円弧有効半径 (ワ イ ヤ電極の直径とする) R 1よ り 小さ く 、 円弧の始点 C及び終点 D におけ る該ブロ ッ ク の 1 つ前及び 1 つ後のブロ ッ クの加工軌跡の終点及び始 点における接線の交点がなす角度 0 が設定コ ーナ角度 α よ り 小さ い と き行な う制御である。 こ の制御は上述 した 小円弧コ ーナ加工制御と ほぼ同一であ るが、 コ ーナ部の 加工中に加工液の流量を設定値に '减少させる点で相違す る。 即ち、 コ ーナ角が小さ いほ どワ イ ヤ電極は放電加工 によ って形成さ れた溝側に加工液の圧力で押さ れて撓む
ので、 こ の撓みを小さ く するため、 コ ーナ部の円弧の始 点 C (該 C点到達よ り わずか時間が経過 し た後) で加工 液の流量を所定量減少さ せ、 円弧コ ーナ部を加工 し、 ォ フ タ イ ムを元の値に復帰開始させる E点で加工液の流量 も元の値に復帰させる。
図 3 a は角 コ ーナ加工の加工経路、 図 3 b は角 コ ーナ 加工制御の説明図であ る。 こ の角 コ ーナ加工は 2 つの直 線によ って コ ーナが形成される ものであ り 、 コ ーナ部の 頂点と な る当該プロ ッ ク の終点 C よ り 設定距離だけ手前 の A点よ り 加工送り 速度を低下さ せ、 終点 C近傍では超 微速と し C ( = D ) 点に到達 した後送り 速度を増大させ、 D ( = C ) 点よ り 設定された時間経過 した F点で元の送 り 速度に戻す。 パルス電圧のオフ タ イ ムは C点よ り 設定 量だけ手前の B点か ら增大さ せ、 C点から設定された時 間の E点までオフ タ イ ムを一定と し、 E点からオフ タ イ ムを減少さ せて上記 F点で元のオフ タ イ ム に復帰さ せる。 更に、 加工液の流量を C点 (該 C点到達よ り わずか時間 が経過 した後) よ り E点までの間設定流量に低下さ せる。
図 4 は、 本発明の ワイ ヤ放電加工方法を実施する ワ イ ャ放電加工機の制御装置 2 におけ る本発明 と関係する要 部のみを表わ したブロ ッ ク 図であ る。 プロ グラ マブルマ シ ン コ ン ト ロー ラ (以下 P M C と い う ) 用のプロセ ッ サ 3 3 と数値制御用のプロセ ッ サ 3 6 を有 し、 バス 4 1 に 接続されている。 さ らに、 ノく ス 4 1 には、 P M C用プロ セ ッ サ 3 3 が実行する シーケ ンスプロ グラ ム、 及びコ ー
ナ制御プロ グラ ム等を記憶する R 0 M 3 1 、 P M C用ブ 口セ ッ サ 3 3が演算やデー タ の一時記憶等において利用 するデー タ メ モ リ と しての R A M 3 2 、 数値制御装置の システムプロ グラ ム等を記憶する R O M 3 4、 デー タの 一時記憶やテープ リ ーダ 4 0等か ら読み込まれた ワ ー ク に対する加工プロ グラ ムを記憶する R A M 3 5が接続さ れてい る。 さ ら には、 加工液流量制御装置、 放電加工電 源等の各種ァ ク チユエ一 夕、 各種セ ンサに接続された入 出力回路 3 7、 ワ イ ヤ電極と ワー ク 間に相対移動を行な い加工を行なわせる X、 Y、 Z軸及び U、 V軸のそれぞ れのサーボモー タ に接続される軸制御回路 3 8 (図 4で は代表 して 1 つの軸制御回路のみを表示 してい る) 、 表 示、 入力装置と しての C R T ZM D I 3 9力 ίバス 4 1 に 接続さ れている。
加工が開始される と、 P M C用プロセ ッ サ 3 3 は設定 さ れた放電加工条件で放電加工電源を駆動させる と共に、 N C用プロセ ッ サ 3 6は R A M 3 5 に格納された加エブ ロ グラ ムに従って軸制御回路 3 8 を介 して X、 Υ、 Ζ、 U、 V軸のサ一ボモ一 夕 を駆動 し ワー ク に対 し ワ イ ヤ電 極を相対移動さ せながら放電加工を行な う 。
上述 した ワ イ ヤ放電加工機、 及びその制御装置は従来 の ものの構成と同一であ り 、 詳細な説明は省略する。
次に本発明の コ ーナ部の放電加工方法について説明す る。 まず、 使用する ワイ ヤ電極の径、 ワー ク の材質及び 厚さ、 ワ イ ヤ電極と ワー ク 間に印加するパルス電圧のォ
ン 夕 ィ ム、 通常加工部 (直線加工部) にお け る オ フ タ イ ム て 0 等の加工条件を設定する と共に、 本発明の コ ー ナ 部加工のために設定する必要のあ る P M Cパラ メ ー タを 設定 し R A M 3 2 に記憶させる。 こ の P M Cパラ メ ー タ と しては次のよ う な ものがあ る。
P M Cパラ メ ー タ
d 1 : 送り 速度減少開始距離 (図 1 a 、 図 2 b 及び図
3 a におけ る A C 間の距離)
d 2 : オ フ タ イ ム增大開始距離 (図 1 a 、 図 2 b 及び 図 3 a における B C 間の距離)
r 1 小円弧コ ー ナの送り 速度の '减少比率 (% ) r 2 微小円弧コ ー ナの送 り 速度の減少比率 (% ) r 3 角 コ ーナ頂点突入送り 速度の比率 (% ) t 1 小円弧コ ー ナの送り 速度復元時間
t 2 微小円弧コ ーナの送り 速度復元時間
t 3 角 コ ーナに於ける送り速度復元時間
t 4 ォ フ 夕 ィ ムの復元開始時間及び加工液流量の復 元時間
t 5 加ェ液流量減少開始時間
小円弧コーナ制御のオフ タ イ ム
て 2 微小円弧コ ーナ制御のオ フ タ イ ム
て 3 角 コ ーナ制御のオフ タ イ ム
F r コ ーナ制御の加工液の流量
なお、 コ ー ナ部のオ フ タ イ ム て 1 、 て 2 及び て 3 は ヮ 一ク の厚みによ って決め、 ワ ー ク の厚みに比例 して こ の
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- 10 - オフ タ イ ムは大き く な る よ う に設定する。 又、 送り 速度 を制限す る 比率のパ ラ メ ー タ r 1 、 r 2 及び r 3 は、 r l > r 2 > r 3 の大き さ の順に され、 r 3 の値は非常 に小さ い o
以上のよ う に、 加工条件、 各種パラ メ 一 夕の設定値を 設定 し た後、 R A M 3 5 に記憶さ れた加エブロ グラ ム、 若 し く はテープ リ ー ダ 4 0 を介 して加工プロ グラ ムを読 み と り 加工を開始する。 N C用プロセ ッ サ 3 6 は割 り込 み周期毎に図 5 に示す前処理を実行する。 まず、 レ ジス 夕 R a、 R b、 R c 、 R x及び R y を ク リ ア した後、 レ ジス 夕 R c の記憶内容を レ ジス タ R b に転送 し、 加エブ ロ グラ ム力、 ら 1 ブロ ッ ク を読み レ ジス 夕 R c に格納する (ステ ッ プ S 1 〜 S 4 ) 。 そ して、 レ ジス タ R b と R c に格納されたデー タ よ り ワ イ ヤ径を補正 した通路計算を 行ない、 レ ジス タ R b に格納されたブロ ッ ク の加工にお ける ワ イ ヤ電極通路を求めブロ ッ ク全長を求める。 さ ら に、 レ ジス タ R c に格納されたブロ ッ クが円弧の場合に は、 その円弧の半径 r を求め、 レ ジス タ R a と R c に記 憶されたデー タから コ ーナ角度 e を求め、 レ ジス タ R y に こ れ らの計算結果を格納する (ステ ッ プ S 5、 S 6 ) c 次に レ ジス タ R X に記憶さ れたデー タ に基づいて柿間処 理が実行されたか否かを判断 し (ステ ッ プ S 7 ) 、 実行 が終了 している と (最初は終了 している) 、 レ ジス タ R y に記憶さ れているデー タを レ ジス タ R x に格納 し (ス テ ツ ブ S 8 ) 、 レ ジス 夕 R b の内容を レ ジス 夕 R a に格
納 してステ ッ プ S 2 に戻る処理を繰り 返す。 以下、 順次 こ の処理を繰り 返 し実行する。
その結果、 ス テ ッ プ S 5 で計算されステ ッ プ S 8 で レ ジス タ R X に記憶されたデー タ に基づいて加工が実行さ れてい る間には、 レ ジス タ R a には現在補間処理によ る 加工が実行されてい るブロ ッ ク のデー タが記憶され、 レ ジス 夕 R b には次のブロ ッ ク のデー タが、 レ ジス 夕 R c にはその次に実行するプロ ッ ク のデー タが記憶されてい る こ と にな る。 そのため、 次に実行すべき レ ジス タ R b に記憶されたブロ ッ ク のデー タが円弧の場合には、 ステ ッ ブ S 5 では、 現在実行中のブロ ッ ク のデー タ を記憶す る レ ジス タ R a のデー タ と、 レ ジ タ R c に記憶する次 の次に実行するブロ ッ ク のデー タ ( 2 つ先のブロ ッ ク の データ) よ り 、 コーナ角度 が求め られ レ ジス タ R y に 格納されている こ と にな る。
一方、 N C用プロセ ッ サは図 6 に示す処理を割り 込み 周期毎実行 し、 レ ジス タ R x に記憶さ れたデー タ を読み 取り (ステ ッ プ S 2 0 ) 、 補問処理を実行 して各軸を駆 動 して加工を行な う 。 こ の柿問処理は本発明と 直接関係 がないため図 6 では省略されてい る。 補間処理によ って ワ イ ヤ電極がワ ー ク に対 して相対的に移動 し加工が行な われ、 その移動距離を積算 し、 該移動距離を全移動量よ り 差 し引 き 当該プロ ッ ク の残移動量を求め P M C用プロ セ ッ サに出力 し (ス テ ッ プ S 2 1 、 S 2 2 ) 、 求めた残 移動量が P M C パラ メ 一 夕 と して設定された d 1 の値
( A C 間の距離) 以下か判断 し、 以下でな ければ、 ス テ ッ ブ S 2 1 に戻 り 、 以下ステ ッ プ S 2 1 〜 S 2 3 の処理 を繰り 返 し実行 し、 残移動量が d 1 の値以下にな る と
( A点通過) 、 レ ジス タ R y のデー タ を読取り (ステ ツ ブ S 2 4 ) 、 角 コーナか円弧コ ーナか判断 し (ステ ッ プ S 2 5、 S 2 7 ) 、 角 コ ー ナであれば、 角 コ ー ナ信号を オ ン と して P M C用プロセ ッ サに知 らせる (ス テ ッ プ S 2 6 )
又、 円弧コ ーナである と、 円弧半径 r が最小円弧有効 半径 (ワイ ヤ電極の直径) R 1よ り 小さ い力、 (ステ ッ プ S 2 8 ) 、 小さ く な ければ最大円弧有効半径 R 2よ り 小 さ いか判断 し (ステ ッ プ S 2 9 ) 、 円弧半径 r が R 1≤ r < R 2のと き には小円弧コ ーナ信号をオ ン とする (ス テ ツ ブ S 3 0 ) 。 円弧半径 r が最大円弧有効半径 R 2以 上であ る と、 そのま ま ステ ッ プ S 3 3 へ移行する。 又、 円弧半径が最小円弧有効半径 R 1よ り小さ い と き には、 コ ーナ角度 が設定されている コ ーナ角度 α よ り小さ い か否か判断 し (ステ ッ プ S 3 1 ) 、 小さ い と き には微小 円弧コ ーナ信号をオ ン とする (ステ ッ プ S 3 2 ) 。 又、 小さ く な ければステ ッ プ S 3 0へ移行 し小円弧コ ーナ信 号をオ ンと しステ ッ プ S 3 3 に進む。 ステ ッ プ S 3 3で は、 ブロ ッ ク終了か否か、 すなわち、 残移動量が 「 0 」 にな つ たか判断 し、 な っ ていなければ、 ステ ッ プ S 2 1 に戻り ステ ッ プ S 2 1 以下の処理を実行する。
こ う して残移動量が 「 0 」 と な り 当該ブロ ッ ク の移動
が終了する と、 コ ーナ信号をオフ と して (ステ ッ プ S 3 4 ) ステ ッ プ S 2 0 に戻 り 、 上述 したステ ッ プ S 2 0以 下の処理を実行する。
以上、 N C用プロセ ッ サ 3 6 は図 5 に示された前処理 及び図 6 に示さ れた処理を実行 し、 一方、 P M C用プロ セ ッ サ 3 3 は図 7 〜図 1 0で示す処理を所定周期毎実行 する。
P M C用プロセ ッ サ 3 3 は N C用プロセ ッ サ 3 6 力、ら 送 られてき た残移動量を読み取り (ステ ッ プ T 1 ) 、 フ ラ グ f 1 、 f 2及び f 3が夫々 「 1 」 にセ ッ ト されてい るか否か判断 し (ステ ッ プ T 2、 T 3、 T 4 ) 、 セ ッ ト されていな ければ (始めはセ ッ 卜 されていない) 、 小円 弧コ ーナ信号がオ ンか、 微小円弧コ ーナ信号がオ ンか、 角 コ ーナ信号がオ ンか判断する (ステ ッ プ T 5、 T 6、 T 7 ) 。 小円弧コ ーナ信号がオ ンな らば、 フ ラ グ f 1 を 「 1 」 にセ ッ ト し、 図 8 に示す小円弧コ ーナ処理を実行 し (ステ ッ プ T 8、 Τ 9 ) 、 当該周期の処理を終了する。 又、 微小円弧コ ーナ信号がオ ンな らば、 フ ラ グ f 2 を 「 1 」 にセ ッ ト し、 図 9 に示す微小円弧コ ーナ処理を実 行 し (ステ ッ プ T 1 0、 T i l ) 、 当該周期の処理を終 了する。 角 コーナ信号がオ ンな らば、 フ ラ グ f 3 を 「 1」 にセ ッ 卜 し、 図 1 0 に示す角 コ ーナ処理を実行 し (ステ ッ ブ T 1 2、 T 1 3 ) 、 当該周期の処理を終了する。 又、 フ ラ グ f 1 〜 f 3力《 「 1 」 ではな く 小円弧コ ーナ信号、 微小円弧コ ーナ信号、 角 コ ーナ信号が共にオ ンでな けれ
ば、 こ のま ま こ の処理を終了する。 又、 フ ラ グ f 1 力《 「 1 」 にセ ッ ト される と次の周期からはフ ラ グ f 1 力《 「 1 」 であ る力、 らステ ッ プ T 2力、 らステ ッ プ T 9 に移行 し小円弧コ ーナ処理を実行する。 フ ラ グ ί 2力《 「 1 」 に セ ッ 卜 されてい る と ステ ッ プ Τ 3 よ り ステ ッ プ T l 1 に 移行 し、 微小円弧コ ーナ処理を実行 し、 フ ラ グ f 3力《 「 1 」 にセ ッ 卜 されてい る とステ ッ プ T 4 力、らステ ッ プ T 1 3 に移行 し、 角 コーナ処理を実行する。
図 8 はステ ッ プ T 9で行な う 小円弧コ ーナ処理のフ ロ —チャ ー トであ る。
ま ず、 フ ラ グ Q カ《 「 0」 か否か判断 し (ステ ッ ブ T 1 0 0 ) 、 始めは 「 0」 であ るので、 ステ ッ プ T 1 0 1 に移行 してステ ッ プ T 1 で読み取っ た残移動量 D r がバ ラ メ 一 タ d 2の値よ り小さ く な っ たか否か、 すなわち B 点を通過 したか否かを判断 し、 通過 していなければ、 加 ェ位置は図 1 a における A ~ B間にあ る こ とを意味 し ( A点を通過 したと き初めて小円弧コ ーナ信号がオ ンと な る ものであ るから、 こ の図 8 に示す小円弧コ ーナ処理 は A点を通過 してか ら実施される ものであ る) 、 こ の間 は加工送り 速度を減少さ せて (ステ ッ プ T 1 0 2 ) 、 当 該処理を終了する。
この減少させる速度は次のよ う に して求める。
A点から C点までの間に A点の速度から C点の速度へ 連続 して変化さ せる ものであ るか ら、 A〜 C間の任意の 位置での送り速度 Vは残移動量 D r ( C点と現在位置と
の間の距離) を用いて次式 ( 1 ) によ り 求める
V = (D r / A C ) x (V A- V c) + V ( 1) 但 し、
A C A C間の距離
V A A点に於ける送り 速度
V c C点に於ける送り 速度
C点に於ける送り 速度 V Cは コ ーナ部加工中維持され る。 送り速度 V Cは、 加工条件と して設定 した直線加工 部に於ける速度 V 0及びオフ タ イ ム て 0 と 、 小円弧コ ー ナ制御のオ フ タ イ ム て 1 及び小円弧コ ーナの速度を制限 する比率 r 1 に よ っ て、 次の よ う に して求める。
V C= V 0 X ( て 0 Zて 1 ) x r 1 + 100 ( 2) 上記式 ( 2 ) に よ っ て求め られる V Cを上記式 ( 1 ) に 代入 して現時点における送り 速度を求め、 該送り 速度を N C用プロ セ ッ サに出力 し N C用プロセ ッ サは こ の速度 に基づいて捕間処理を行ない送り 速度を制御する。
B点を通過する ま で各周期毎こ の小円弧コ ーナ処理は ス テ ッ プ T 1 0 0、 T 1 0 1 及び T 1 0 2 の処理を実行 する。
そ して、 残移動距離 D r力くパラ メ 一 タ d 2の値よ り 小 さ く な り 加工点が B点を越え る と 、 ステ ッ プ T 1 0 1 力、 ら ステ ッ プ T 1 0 3へ移行 し、 残移動量 D て が 「 0」 力、 否か判断 し、 すなわち、 C点に到達 し たか否か判断 し C 点に到達 していなければ、 オ フ タ イ ムを増加さ せる (ス テ ツ ブ T 1 0 4 ) 。 こ のオ フ タ イ ム て は、 直線部のオ フ
タ イ ム て 0、 小円弧コ ー ナの オ フ タ イ ム て 1 、 B〜 C間 の距離、 残移動量 D r (現在位置と C点間の距離) を用 いて次式 ( 3 ) によ り 求める。
て = (D r / B C ) X ( て 0 — て 1 )+ ( 3) 但 し、 B C : B C間の距離
すなわち、 コ ーナ加工前の直線部のオフ タ イ ム て 0か ら小円弧コ ー ナ のオ フ タ イ ム て 1 に連続的 に変化さ せる ものであるから、 B点か ら順次オ フ タ イ 厶を增加 して C 点に達 した と きオフ タ イ ムの設定値 て 1 にな る よ う に式 ( 3 ) でオ フ タ イ ムを求め出力する ものである。 該オフ タ イ ムを入出力回路 3 7 を介 して加工電源に送出 し、 加 ェ電源では こ のオフ タ イ ムに基づいて ワー ク と ワイ ヤ電 極間への電圧印加の制御を行な う 。
こ う してオフ タ イ ムを出力 した後ステ ッ プ T 1 0 2 に 移行 し、 前述 した現在位置に応 じた送り 速度を求め該送 り 速度を減少させる 当該周期の処理を終了する。
一方ステ ッ プ T 1 0 3で残移動量が 「 0」 と な り C点 に達 した と判断される と、 レ ジス タ q を 「 1 」 にセ ッ ト し (ステ ッ プ T 1 0 5 ) 、 当該処理を終了する。 次の周 期力、ら は レ ジス タ q カ《 「 1 」 にセ ッ 卜 されてい る力、 ら、 ステ ッ プ T 1 0 0力、 ら ス テ ッ プ T 1 0 6 に移行 しフ ラ グ g が 「 0」 か判断 し、 始めは 「 0」 であ るので、 ステ ツ ブ T 1 0 7へ移行 し、 残移動量 D て が 「 0」 か判断 し、 C点を通過 した直後は残移動量が 「 0」 ではな く 、 かつ 残移動量が 「 0」 でない と き には D点まで達 してお らず、
C〜 D間の円弧を加工中であ る こ とを意味 し、 こ の場合 は こ のま 当該処理を終了する。 その結果 C〜 D間の円弧 を加工中は、 加工送り 速度は設定値 V Cに維持さ れ、 ォ フ タ イ ム も設定値 て 1 に維持されて加工が行なわれる。
そ して、 ステ ッ プ S 1 0 7 で残移動量 D r 力《 「 0」 と な り D点を通過 した こ と が判断さ れる と フ ラ グ gを 「 1」 にセ ッ 卜 し、 タ イ マ と して機能する レ ジス タ t を 「 0」 にセ ッ ト し (ステ ッ プ T 1 0 8 ) 、 送り 速度 Vを增加さ せる。 送り 速度は、 パラ メ ー タ P hで設定 した小円弧コ ーナ制御の速度を復元する時間内に元の送り 速度 V 0 ( V A) に復帰するよ う増加さ せる ものであ るから、 夕 イ マ t の値よ り 次の演算式によ って求める。
V = V C+ { ( V A- V C) X t / t 1 } ( 4) 次の処理周期か らはフ ラ グ q、 gが共に 「 1 」 にセ ッ 卜 されてい る力、 らステ ッ プ T 1 0 0、 T 1 0 6、 Τ 1 1 0 に進み、 タ イ マ t に こ の処理周期 A t を加算 し、 該夕 イ マ t の値がパラ メ ー タ t 4 に設定さ れてい る オ フ タ イ ムの復元開始時間加工液復元時間まで経過 したか判断 し (ステ ッ プ T 1 1 1 ) 、 経過 していな ければ、 ステ ッ プ T 1 0 9 に移行する。 な お、 パラ メ 一 夕 t 4の値は、 ォ フ タ イ ムの復元開始時間 と、 後述する微小円弧コーナ加 ェ及び角 コ ーナ加工の加工液の流量復元時間とを兼ね る。 以下、 タ イ マ t 力 、'ラ メ ー タ t 4 の値に達する まで (図 1 にお け る E点に達す る ま で) ス テ ッ プ T 1 0 0、 T 1 0 6、 T 1 1 0、 T i l l 及び T 1 0 9 の処理を各周
期毎実行 し、 送り速度のみを增加さ せる。 タ イ マ t がパ ラ メ 一 夕 t 4の値に達する と、 ステ ッ プ T l 1 1 力、 らス テ ツ ブ T 1 1 2 に進み、 タ イ マ t の値力 パラ メ ー タ t 1 の値に達する ま で、 ステ ッ プ T l 1 3でオ フ タ イ ムを減 少させ、 ステ ッ プ T 1 0 9で送り 速度を増大さ せる。 ォ フ タ イ ム て は、 夕イマ t の値、 ノ、'ラ メ 一 夕 P b の値、 小 円弧コ ー ナのオ フ タ イ ム て 1 及び直線加工時のオ フ タ イ ム て 0 によ り 次式 ( 5 ) の演算によ って求める。
て = { ( t — t 4 )/( t 1 一 t 4 ) } X ( て 0 — て 1 )+ て 1
( 5 ) 以下各周期毎ステ ッ プ Τ 1 0 0、 Τ 1 0 6、 Τ 1 1 0、 T l l l 、 T i l 2、 丁 1 1 3及び丁 1 0 9の処理を実 行 し 、 ス テ ッ プ T 1 1 2 で タ イ マ t の値がパラ メ ー タ t 1 に設定された小円弧コーナの速度を復元する時間を 越える とステ ッ プ T 1 1 4 に移行 し、 フ ラ グ f 1 、 g、 q を 「 0」 にセ ッ ト し小円弧コ ーナ加工の制御を終了す る o
図 9 は図 2 に示す微小円弧コ ーナ加工処理のフ ロ ーチ ャ 一 トであ る。
ステ ッ プ T 2 0 0 〜 T 2 0 4 ま では図 8 に示す小円弧 コ ーナ加工処理のステ ッ プ Τ 1 0 0〜 Τ 1 0 4 と同一の 処理であ る。 すなわち、 図 2 における Α点か ら C点まで の処理は小円弧コーナ処理と同一であ る。 ただ し、 ステ ッ ブ T 2 0 2での減速さ せた速度は上記式 ( 1 ) によ つ て求めるが、 こ の式 ( 1 ) において使用する C点の速度
は、 上記式 ( 2 ) においてパラ メ 一 夕 て 1 及び r 1 の代 わ り に夫々 パラ メ 一 夕 て 2 及び r 2 の値を使用 して求め る。 すなわち、 次の式 ( 6 ) の演算によ って求める。
V C= V 0 X ( τ 0ノ て 2 ) X r 2 + 100
( 6 ) 又、 増加さ せるオフ タイ ムは上記式 ( 3 ) においてパラ メ ー タ て 1 の代わ り にパラ メ 一 夕 て 2 を用いて次の式 ( 7 ) によ って求める。
て = (D r / B C ) x (て 0 — て 2 ) + て 2 ( 7 ) ステ ッ プ T 2 0 3 で残移動量力《 「 0 」 で、 C点までの 加工が終了 した こ と が検出 さ れる と、 フ ラ グ q を 「 1 」 にセ ッ 卜する と共に タ イ マ t を 「 0 」 にセ ッ 卜 し (ステ ッ ブ T 2 0 5 ) 、 タ イ マ t の値力 、'ラ メ 一 タ t 5 に設定 された加工液流量減少開始時問以下か否か判断 し、 以下 な らば、 こ のま ま こ の周期の処理を終了する。 次の周期 か らはフ ラ グ q カ 「 1 」 にセ ッ 卜 されてい る こ と力、 ら、 ステ ッ プ T 2 0 0 、 Τ 2 0 6 、 Τ 2 0 7 に進み、 タ イ マ t にこ の処理周期 Δ t を加算 しステ ッ プ T 2 0 8 に進み 加工液流量減少開始時間以下か否か判断する、 以下タイ マ t の値がパラ メ 一 夕 t 5 の値を超え る ま でステ ッ プ T 2 0 0 、 T 2 0 6 、 Τ 2 0 7 及び Τ 2 0 8 の処理を各周 期毎に実行する。 なお、 こ の問は加工送り 速度、 オフ 夕 ィ ム と もに変化はな く 一定であ る。 こ う してステ ッ プ Τ 2 0 8 で加工液流量減少開始時間 t 5 が経過 した こ とが 判断される と、 パラ メ ー タ F r に設定された コ ーナ加工
中の加工液流量に切り 替え る指令を入出力回路 3 7 を介 して加工液流量制御装置に出力する と共にフ ラ グ q を 「 2」 にセ ッ トする (ステ ッ プ T 2 0 9 ) 。 そ して、 残 移動量が 「 0」 か判断 し、 「 0」 でな ければ、 こ のま ま 当該処理周期の処理を終了する。 次の処理周期ではフ ラ グ qカ《 「 2」 にセ ッ 卜 さ れている こ と から、 残移動量が 「 0 」 と な る ま で、 ス テ ッ プ T 2 0 0 、 Τ 2 0 6 、 Τ 2 1 1 及び Τ 2 1 0の処理を実行する。 こ の間 も加工送 り 速度、 オ フ タ イ ムには変化はな く 一定であ る。 そ して、 残移動量が 「 0」 と な り 加工が D点まで達する と、 フ ラ グ gを 「 1 」 にセ ッ 卜する と共に、 タ イ マ t を再び 「 0」 にセ ッ ト し (ステ ッ プ T 2 1 2 ) 、 該タ イ マの値がパラ メ ー タ t 4 に設定されている加工液流量復元時間に達 し たか判断 し、 達 していな ければ、 加工送り 速度を増加さ せ (ステ ッ プ T 2 1 9 ) 、 当該処理を終了する。
ステ ッ プ T 2 1 9 の加工送り 速度の増加処理は図 8の ステ ッ プ T 1 0 9で式 ( 4 ) の演算によ っ て求める点は 同様であ るが、 式 ( 4 ) におけるノ ラ メ ー タ t 1 の代わ り に t 2を用い る点が相違するのみであ る。 すなわち、 次の式 ( 8 ) によ って求める。
V = V C+ { ( V A- V C) X t / t 2 } ( 8) 次の周期から はフ ラ グ q = 2、 g = 1 にセ ッ 卜 されて い る力、 ら、 ステ ッ プ T 2 0 0、 Τ 2 0 6、 Τ 2 1 1 、 Τ 2 1 4、 Τ 2 1 5、 T 2 1 3及び T 2 1 9 の処理を実行 し、 ステ ッ プ T 2 1 4で タ イ マ t に こ の処理周期厶 t を
加算 し タ イ マ t の値がパラ メ 一 夕 t 4 の値を越え る まで、 加工送 り 速度を增加させ加工を行な う 。
タ イ マ t の値が加工液復元時間を越える と、 ステ ッ プ T 2 1 3力、 らステ ッ プ T 2 1 6へ移行 し、 加工液流量を 元の流量 (直線部におけ る流量) に戻 し フ ラ グ gを 「 2」 にセ ッ ト し、 タ イ マ t が微小円弧加工の速度を復元する 時間 t 2 を超えてい るか判断 し (ステ ッ プ 2 1 7 ) 、 越 えていな ければオ フ タ イ ムを減少させ (ステ ッ プ T 2 1 8 ) 、 かつ加工送り 速度を増大さ せて当該処理を終了す る。 減少さ せたオフ タ イ ムは次の式 ( 9 ) によ って求め る o
τ = { ( t - t 4 )/( t 2 一 t 4 )} x (て 0 一 て 2 ) + て 2
…… ( 9 ) 次の周期からは、 フ ラ グ gカ《 「 2」 にセ ッ 卜 されてい る こ と から、 タ イ マ 1 カ パラ メ ー タ t 2の値を越え る ま でステ ッ プ T 2 0 0、 Τ 2 0 6、 Τ 2 1 1 、 Τ 2 1 4、 Τ 2 1 5、 Τ 2 1 7 、 T 2 1 8及び T 2 1 9の処理を各 処理周期毎実行 し、 オフ タ イ ムを '减少さ せなが ら送り 速 度を增大さ せて加工を行な う 。
そ して、 タ イ マ t の値力 パラ メ 一 夕 t 2 の値を超える と、 フ ラ グ f 2、 q 、 gを 「 0」 にセ ッ ト し こ の微小円 弧コーナ処理は終了する。
図 1 0は角 コ ーナ処理のフ ローチヤ 一 卜 であ る。 こ の 処理におけ るステ ッ プ T 3 0 0〜 丁 3 0 9 は図 9の微小 円弧コ ーナ処理のステ ッ プ T 2 0 0 ~ T 2 0 9 と同一で
あ るが、 ステ ッ プ T 3 0 2 と T 3 0 4の減速さ せる速度 と增加させるオ フ タ イ ムを求める方法が一部相違する。 減少さ せる速度を求める演算は上記式 ( 1 ) で求める も のであ るが、 こ の式 ( 1 ) におけ る C点の速度を次式 ( 1 0 ) によ っ て求める。
V C= V 0 X ( て 0 ^ /て 3 ) X r 3 ÷ 100
( 1 0) 又、 増加させるオ フ タ イ ム て は次式 ( 1 1 ) で求める c て - (D r Z B C ) x (て 0 — て 3 ) + て 3 ( 1 1) なお、 パラ メ ー タ r 3 に設定さ れる頂点突入速度の比 率は非常に小さ な値が設定され、 C点近傍における送り 速度は非常に小さ な速度と な る。
A点から B点までは加工送り速度を徐々 に減少さ せ (ステ ッ プ T 3 0 0〜 T 3 0 2 ) 、 B点か ら C点ま では 送り速度を減少させる と共にオ フ タ イ ムを増大させ (ス テ ツ ブ T 3 0 0、 Τ 3 0 1 、 Τ 3 0 3 、 Τ 3 0 4及び Τ 3 0 2 ) 、 C点に達する と、 該時点よ り タ イ マ t で計時 される時間がパラ メ ー タ t 5 に設定される加工液流量減 少開始時間までは、 一定のオ フ タ イ ム、 かつ超微速の送 り 速度で加工を行ない (ステ ッ プ T 3 0 0、 T 3 0 6、 T 3 0 7、 T 3 0 8 ) 、 加工液流量減少開始時間 t 5を 越える と、 加工液流量をパラ メ ー タ F r に設定された流 量に切 り替え流量を低下さ せ、 フ ラ グ q を 「 2」 にセ ッ 卜 し、 タ イ マ t の値力くパラ メ ー タ t 4 にセ ッ 卜する加工 液流量復元時間に達する までステ ッ プ T 3 0 0、 Τ 3 0
6、 T 3 1 5、 T 3 1 6、 T 3 1 0及び T 3 1 4の処理 を各処理周期毎行ない、 タ イ マ t に こ の処理周期 Δ t を 加算 し (ステ ッ プ T 3 1 5 ) 、 ステ ッ プ T 3 1 0で該タ イ マ t の値がパラ メ 一 夕 t 4 を超えたか判断 し、 越えて な ければ加工送り 速度を増加 させる。
タ イ マ t の値力くパラ メ 一 夕 t 4 を超え る と、 加工液流 量を元の流量 (加工条件と して設定されている流量) に 戻す と 共に フ ラ グ g を 「 1 」 にセ ッ 卜 し (ステ ッ プ T 3 1 1 ) 、 タ イ マ t の値力くパラ メ ー タ t 3 に設定さ れて いる角 コ ーナ制御の速度を復元さ せる時間を越えている か判断 し (ステ ッ プ T 3 1 2 ) 越えてなければ、 ォフ タ ィ ムを減少さ せ (ステ ッ プ T 3 1 3 ) 、 加工送り 速度を 増加さ せる (ステ ッ プ T 3 1 4 ) 。
次の周期か らは、 フ ラ グ gカ《 「 1 」 にセ ッ 卜 されてい る こ と力、ら、 ステ ッ プ T 3 0 0、 Τ 3 0 6、 Τ 3 1 5、 Τ 3 1 6、 Τ 3 1 2、 T 3 1 3及び T 3 1 4 の処理を実 行 し、 オフ タ イ ムを減少させなが らかつ送り 速度を増加 させながら加工を行な う 。
なお、 ステ ッ プ Τ 3 1 4で増加させる送り速度 V及び ステ ッ プ Τ 3 1 3での減少さ せるオフ タ イ ム て は、 夫々 次の式 ( 1 2 ) 及び式 ( 1 3 ) の演算によ って求め る。
V = V C+ { ( V A- V C) X X / t 3 } ( 1 2) て = {( t — t 4 )/( t 3 - t 4 ) x (て 0 — て 3 ) + て 3
( 1 3) ステ ッ プ T 3 1 2でタ イ マ t の値力《パラ メ 一 夕 t 3の
値を越え る と、 フ ラ グ f 3、 q、 g を 「 0 」 にセ ッ ト し て こ の角 コ ー ナ処理を終了する。
上記実施例では、 コ ーナ部のオフ タ イ ムをパラ メ 一 夕 て 1 、 て 2 及び て 3 で設定 したが、 コ ーナ部のオ フ タ イ ムは ワ ー ク の厚さ に比例 して増大させればよい ものであ る力、ら、 例えば図 1 1 に示すよ う な、 ワ ー ク の厚さ と コ —ナ部のオ フ タ イ ムの関係を予め制御装置のメ モ リ に記 憶させてお き、 加工条件と して入力 された ワー ク の厚さ に応 じて自動的に コ ーナ部のオフ タ イ ムを求める よ う に して も よい。 さ らに、 r l、 r 2 及び r 3 で設定 したコ ーナ部の速度を制限する比率について も、 パラ メ 一 夕で 設定するのではな く 、 予め記憶さ せておき、 コ ーナの種 類 (小円弧、 微小円弧、 角 コ ーナ) に応 じてこ の記憶 し た比率を読み出 し、 式 ( 2 ) 、 式 ( 6 ) 及び式 ( 1 0 ) の演算を行な う よ う に して も よい。 こ のよ う にすれば、 パラ メ ー タ の数が少な く な り 、 設定 ミ スや、 設定忘れを 防止で き る。
さ ら には、 コ ーナ部におけ る加工液流量 ( F r ) 、 送 り 速度を復元する時間 ( t 1 、 t 2 及び t 3 ) 、 送り速 度の復元時間及び加工液流量復元時間 ( t 4 ) 、 加工液 流量減少開始時間 ( t 5 ) について も予め制御装置のメ モ リ 内に記憶さ せておき 、 加工の都度設定する必要がな いよ う に しておけば (即ち、 1 度だけパラ メ 一 夕を設定 しておけば) 、 従来と同様な加工条件の設定で上述 した コ ーナ部の加工が実行さ れる こ と にな り 、 コーナ部の加
ェを容易に行な う こ とができ る。
本発明によれば、 コ ーナ部の加工開始時に於いて ワ イ ャ電極の放電圧力等によ る撓みが解消 されるので、 コー ナ部分の加工精度を向上させる こ とができ る。 しか も、 加工送り速度の低下に合わせ、 ワ イ ヤ電極と ワ ーク 間に 印加する断続的な電圧のオフ タ イ ムを増大させて、 ヮー ク の加工面に対する単位距離当た り の放電量をほぼ均一 に したから、 加工精度がよ り 向上する。 更に、 加工送り 速度、 オフ タ イ ムを急激に変化さ せず徐々 に変化さ せ、 又、 加工液流量 も コ ーナ部分の形状に合わせて制御する こ と によ って更に コ ーナ部分の加工精度を向上させる こ とが出来る。