WO1997002062A1

WO1997002062A1 - Vaporisateur pour les cavites nasales et procede d'utilisation dudit vaporisateur

Info

Publication number: WO1997002062A1
Application number: PCT/JP1996/001798
Authority: WO
Inventors: Hisatomo Ohki; Shigemi Nakamura; Kazunori Ishizeki; Akira Yanagawa
Original assignee: Unisia Jecs Corporation; Dott Limited Company
Priority date: 1995-06-30
Filing date: 1996-06-28
Publication date: 1997-01-23
Also published as: JP3434396B2; EP0779078A1; EP0779078A4; JPH0970433A; KR970705418A; US5899202A; CN1156968A; KR100236431B1

Description

明細書

鼻腔用投薬器およびその使用方法技術分野

本発明は、薬品収容室内に充填した粉体状の薬品を鼻腔内に投与するのに用いて好適な鼻腔用投薬器およびその使用方法に関する。背景技術

一般に、鼻アレルギー、喘息等の患者には粉体状の薬品を鼻腔を介して投与して治療する方法が採用されている。また、この治療法では専用の噴霧器を用いて、例えばカプセル等の薬品収容室内に充填した粉体状の薬品を鼻腔内へ投与するようになっている。

さらに、この治療法に用いられる噴霧器として特開昭 5 9 - 3 4 2 6 7 号公報に示すものが知られている。

この従来技術における噴霧器では、円筒部材の空気流入側にポンプ部を設け、該円筒部材の空気流出側にはカプセルが挿入される凹形状部を形成すると共に、該円筒部材の先端側には薬品噴霧口となる開口部を形成した先端部を着脱可能に設け、該円筒部材に先端部を嵌合することによって内部にカプセル収容部を形成している。さらに、前記円筒部材と先端部にかけて着脱可能に嵌合するキャップを有し、該カプセル内には軸方向に延びる針を設け、前記円筒部材に先端部を嵌合させた状態でキヤップを装着することにより、該キヤップ内の針でカプセル収容部内に収容されたカプセルの穴あけを行う構成となっている。

このように構成される従来技術では、まず投薬の準備としてカプセルの穴あけ時には、粉体状の薬品が充填されたカプセルを円筒部材の凹形状部に挿入した後に該円筒部材に先端部を嵌合してカプセルをカプセル収容部に収容し、先端部の開口部内に針が挿通するようにして該先端部からキヤップを装着することによって、該キャップ内に設けた針によってカプセルの軸方向両側に穴をあける。

次に、薬品の投与時には、円筒部材からキャップを外し、先端部を患者の片方の鼻腔に挿入し、ポンプ部を押圧することにより、ポンプ部からの空気を空気導入通路を介して力プセル内に流通させ、この空気によって該カプセル内の薬品を開口部から患者の鼻腔内に噴霧し、鼻腔への挿入を交互に交換してポンプ部の押圧動作を線り返すことにより、患者への薬品の投与を行うようになっている。

また、鼻腔への投薬は左，右の鼻腔に対して交互に行うため、ポンプ部の 1回の押圧動作でカプセル内の薬品が全部投与されないようにカプセル収容部とカプセルとの間に隙間を設けており、ポンプ部の押圧動作を片方の鼻腔で約 4回程度行うことにより薬品を規定量投与するようになっていところで、上述した従来技術による噴霧器では、左，右の鼻腔に片方ずつ投薬を行っているため、左，右の鼻腔に均等に薬品を供給するには何度のポンプ部の押圧と鼻腔への円筒部材の挿入を繰り返さなければならず、投薬時の取り扱いが面倒なものになってしまうという問題がある。

また、投薬準備としてカプセルに穴をあけるときには、円筒部材から先端部を取り外してカプセルを収容し、この状態で前記円筒部材と先端部にキャップを挿着して穴あけを行う。そして、薬品を噴霧するときには、再びキャップを取り外した後にポンプ部を押圧して鼻腔への噴霧を行うようになっているから、キャップの取り付け、取り外しを行わなくてはならず、準備動作が煩わしい上に、キヤップを紛失する虞れがあるという問題がある o

さらに、左，右の鼻腔に薬品を同時に投与できるように、左，右の薬品噴霧口を備えた投薬器を製造したとしても、鼻腔間の距離は、子供，大人等によつて個人差があるから、鼻腔間の距離が異なる投薬器を複数種類も揃えなくてはならないという問題がある。

本発明は上述した従来技術の問題に鑑みてなされたもので、簡単な操作で薬品収容室内の薬品を患者の左，右の鼻腔に同時に投与でき、かつ子供から大人まで広く適用できるようにした鼻腔用投薬器を提供することを目的としている。発明の開示

本発明の鼻腔用投薬器は、基本的には、薬品収容室内に粉体状の薬品を収容した状態で、左，右のノズルから患者の左，右の鼻腔内に該薬品収容室内の薬品を噴霧するときに、前記ノズルの左，右方向の離間距離を患者の鼻腔間距離に合わせて調整可能に構成してある。

したがって、左，右のノズルから患者の左，右の鼻腔内に薬品収容室内の薬品を噴霧するときに、ノズルの左，右方向の離間距離を患者の鼻腔間距離に合わせて調整することにより、左，右のノズルを鼻腔内の所望の部位に挿入することができる。

また、本発明は、粉体状の薬品を収容する薬品収容室と、該薬品収容室に向け空気を供給する空気供給手段と、該空気供給手段から供給される空気によって前記薬品収容室内の薬品を患者の左，右の鼻腔内に向け供給する左，右の薬品通路を有する通路手段と、患者の左，右の鼻腔に挿入した状態で薬品を噴霧するため、該通路手段の薬品通路噴出側に患者の鼻腔間距離に合わせて調整可能に設けられた距離調整ノズル手段とから構成してあ o

したがって、薬品収容室内に薬品を収容した状態で、空気供給手段から該薬品収容室に向け空気を供給すると、薬品収容室内の薬品は空気供給手段からの空気によって撹拌されつつ通路手段を構成する左，右の薬品通路から患者の左，右の鼻腔内に同時に噴霧される。また、距離調整ノズル手段を患者の左，右の鼻腔に挿入するときには、患者の左，右の鼻腔間距離に合わせて距離調整ノズル手段を調整することにより、該距離調整ノズル手段を鼻腔内の所望の部位に確実に挿入することができる。

さらに、本発明は、粉体状の薬品を収容する薬品収容室と、該薬品収容室に向け空気を供給する空気供給手段と、該空気供給手段から供給される空気によって薬品収容室内の薬品を患者の左，右の鼻腔内に向け供給する左，右の薬品通路を有する通路手段と、患者の左，右の鼻腔に挿入した状態で薬品を噴霧するため、該通路手段の薬品通路噴出側に設けられた左，右のノズルからなる距離調整ノズル手段とによって構成し、該距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち少なくとも一方のノズルを回転可能に設け、かつ当該ノズルを回転中心から偏心した位置に配置してある。したがって、薬品収容室内に薬品を収容した状態で、空気供給手段から該薬品収容室に向け空気を供給すると、薬品収容室内の薬品は空気供給手段からの空気によって撹拌されつつ通路手段を構成する左，右の薬品通路から患者の左，右の鼻腔内に同時に噴霧される。また、距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち回転可能に設けられたノズルを回転すると、該ノズルは偏心量を半径として旋回するようになるから、このときの回転量を調整することにより左，右のノズル間距離を患者の鼻腔間距離に合わせることができる。

また、前記距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち少なくとも一方のノズルを前記通路手段に着脱可能に設ける構成とした。

したがって、左，右のノズルを通路手段から取り外すことにより、該各ノズル、薬品通路を隅々まで容易に洗浄できる。

さらにまた、前記距離調整ノズル手段を構成するノズルの噴霧口を略直線状に形成した。

したがって、薬品収容室内の薬品を患者の左，右の鼻腔に噴霧するとき、薬品を含んだ空気は左，右の薬品通路から噴霧口に向けて直線的に流通し、整流性，直進性が与えられた状態で鼻腔内に噴霧される。

さらに、前記距離調整ノズル手段を構成するノズルの噴霧口を偏心して形成した。

したがって、距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルを回転すると、偏心した噴霧口が該各ノズルと共に回転移動するから、該各ノズルを鼻腔内に挿入したときに噴霧口を鼻腔の中央に配置させることができ、該噴霧口から鼻腔内に薬品を均一に噴霧できる。

さらに、粉体状の薬品を収容する薬品収容室と、該薬品収容室に向け空気を供給する空気供給手段と、該空気供給手段から供給される空気によつて前記薬品収容室内の薬品を患者の左，右の鼻腔内に向け供給する左，右の薬品通路を有する通路手段と、患者の左，右の鼻腔に挿入した状態で薬を噴霧するため、該通路手段の薬品通路噴出側に設けられた左，右のノズルからなる距離調整ノズル手段とによつて構成し、該距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち少なくとも一方のノズルを他方のノズルに対して左，右方向に移動可能に設けてある。

したがって、薬品収容室内に薬品を収容した状態で、空気供給手段から該薬品収容室に向け空気を供給すると、薬品収容室内の薬品は空気供給手段からの空気によって撹拌されつつ通路手段を構成する左，右の薬品通路から患者の左，右の鼻腔内に同時に噴霧される。また、距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち移動可能に設けられたノズルを左，右方向に移動させることにより、左，右のノズル間距離を患者の鼻腔間距離に合わせることができる。

さらに、前記距離調整ノズル手段は、左，右のノズルのうち少なくとも —方のノズルを左，右方向に案内する左，右方向案内部と、該左，右方向案内部でノズルを移動するときに該ノズルを保持するノズル保持部とから構成した。

したがって、左，右のノズルのうち一方のノズルを左，右方向案内部に沿って移動させることにより、他方のノズルとの左，右方向の離間距離を鼻腔間距離に合わせて調整でき、かつノズル保持部によってノズルの脱落を防止できる。

さらにまた、前記距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち調整可能となったノズルと通路手段とを可撓性を有する接続管によって接続する構成とした。

したがって、ノズルを左，右方向に移動させても、該ノズルと通路手段とを可撓性を有する接続管によつて接続しているから、該接続管をノズルの移動量に応じて変形させることにより、該ノズルの移動を許容しつつ該ノズルと通路手段の薬品通路とを常時連通できる。

さらに、前記薬品収容室には、カプセルや別体の供給器具によって薬品を供給する構成とした。

したがって、薬品収容室内に、カプセルを用いて、または別体の供給器具を用いて薬品を供給するようにしているから、患者に薬粉を投与する都度薬品収容室に所定量の薬品を供給できる。

また、前記空気供給手段は、ポンプによって空気を供給する手段とした < したがって、ポンプから空気を吐出させると、この吐出空気は薬品収容室に向けて供給される。図面の簡単な説明

図 1は本発明の第 1実施例による鼻腔用投薬器を示す側面図、図 2は本発明の第 1の実施例による鼻腔用投薬器を示す断面図、図 3は最大離間状態の距離調整ノズル機構を示す要部拡大断面図、図 4は最大離間状態の距離調整ノズル機構を示す平面図、図 5は最小接近状態の距離調整ノズル機構を示す要部拡大断面図、図 6は最小接近状態の距離調整ノズル機構を示す平面図、図 7は第 1の穴あけピンで力プセルに空気流入穴を穿設した後にカプセルホルダに通路部材を組み付ける状態を示す断面図、図 8はボンプ部を押圧することによりカプセル内の薬品を噴霧している状態を示す図 1 と同様位置からみた断面図、図 9は本発明の第 2実施例による鼻腔用投薬器を示す断面図、図 1 0は最大離間状態の距離調整ノズル機構を示す要部拡大断面図、図 1 1は最小接近状態の距離調整ノズル機構を示す要部拡大断面図、図 1 2は本発明の第 1実施例の変形例による距離調整ノズル機構を示す断面図、図 1 3は本発明の第 2実施例の変形例による距離調整ノズル機構を示す断面図、図 1 4は本発明の第 3の実施例による鼻腔用投薬器を示す断面図、図 1 5は本発明の第 3実施例による鼻腔用投薬器を示す平面図、図 1 6は左，右方向案内溝、ノズル保持突部への可調整ノズルの取り付け状態を示ず図 1 5中の矢示 X V I - X V I方向から見た断面図、図 1 7は可調整ノズルを左，右方向に最大離間させた状態を示す要部拡大断面図、図 1 8は可調整ノズルを左，右方向に最小接近させた状態を示す要部拡大断面図、図 1 9は本発明の第 3実施例の変形例による距離調整ノズル機構を示す断面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施例による鼻腔用投薬器を図 1ないし図 1 8に基づいて説明する。

まず、図 1ないし図 8に本発明の第 1の実施例を示す。図中、 1は本実施例による鼻腔用投薬器を示し、該鼻腔用投薬器 1は、図 2に示す如く、後述するカプセルホルダ 2、ポンプ部 1 4、薬品通路 2 0、距離調整ノズル機構 2 5から大略構成されている。

前記カプセルホルダ 2は、カプセルを保持するもので、二重筒状に形成された後述する固定部材 3と、該固定部材 3の内周側に位置して該固定部材 3に対して軸方向に移動可能に設けられた可動部材 8とから構成されている。

前記固定部材 3は、段付筒状に形成された外筒部 3 Aと、該外筒部 3 A 内に設けられた内筒部 3 Bと、前記外筒部 3 Aの下端側を閉塞する底部 3 じと、前記内筒部 3 Bの底部をなす薬品捕捉部 3 Dと、前記外筒部 3 Aの開口側に位置して形成されたフランジ部 3 Eとから大略構成され、該フランジ部 3 Eは外筒部 3 Aの内周面を軸方向に移動する可動部材 8の抜止めを図ると共に、当該固定部材 3を外周側から覆うように設けられたポンプ部 1 4の位置決めを行うようになっている。また、外筒部 3 Aと内筒部 3 Bとは、該外筒部 3 Aの軸方向中間に内筒部 3 Bの開口部が連結されており、該筒部 3 A , 3 B間には空気流入室 4が形成されている。

さらに、前記固定部材 3の底部 3 Cには前記空気流入室 4と連通する空気供給通路 5が形成され、内筒部 3 Bの底部となる薬品捕捉部 3 Dには後述する第 1の穴あけピン 1 6が一側カプセル穴 1 1側に向けて突出形成されている。また、内筒部 3 Bには内周側と空気流入室 4とを連通する連通孔 6 , 6が穿設され、外筒部 3 Aの内周面には後述する回止めピン 1 0が係合する係合溝 7が軸方向に伸長して形成されている。

前記可動部材 8は、固定部材 3の外筒部 3 A内を軸方向に移動可能に設けられ、筒部 8 Aと、該筒部 8 Aの下端側に設けられ、前記外筒部 3 A内に軸方向に移動可能に保持される大径な底部 8 Bと、該底部 8 B中央から内筒部 3 B内に延びる小径突部 8 Cとから構成され、前記筒部 8 Cの軸方向には底部 8 Bを貫通して筒部 8 A内に連通し、第 1の穴あけピン 1 6が挿通するピン挿通穴 9が穿設されている。さらに、前記筒部 8 Aの外周側には回止めピン 1 0が径方向外向きに突出形成され、該回止めピン 1 0は固定部材 3の係合溝 7に係合することにより、該固定部材 3に対して可動部材 8が軸方向に移動するのを許容しつつ、固定部材 3に対する可動部材 8の回転を規制している。

—方、前記可動部材 8の筒部 8 A内周側は一側カプセル穴 1 1 となり、該一側カプセル穴 1 1は後述する他側カプセル穴 1 9と一体化することにより薬品収容室をなすカプセル収容穴 1 2を構成している。

このように、本実施例によるカプセルホルダ 2においては、可動部材 8 を固定部材 3の外筒部 3 Aに沿って軸方向に移動可能とし、しかも、可動部材 8の雄ねじ 8 Dを後述する雌ねじ 1 8 Aに螺着させたときには、固定部材 3に対する可動部材 8の回転が回止めピン 1 0によって規制されているため、該可動部材 8は通路部材 1 7側に自動的に引き上げられる。

1 3は空気流入室 4内に設けられた供給弁を示し、該供給弁 1 3は固定部材 3に形成された空気供給通路 5を開閉するもので、ポンプ部 1 4から空気が供給されたときに開弁し、ポンプ部 1 4内に空気を吸い込むときには着座して空気供給通路 5を閉塞するようになっている。

1 4はゴム材料により有底円筒状に形成された空気供給手段としてのポンプ部を示し、該ポンプ部 1 4は、肉厚な開口部 1 4 A、底部 1 4 Bおよび該開口部 1 4 A、底部 1 4 B間の押圧部 1 4 Cからなり、前記開口部 1 4 Aは固定部材 3の外筒部 3 Aに気密に装着されている。また、ポンプ部

1 4内にはカプセルホルダ 2の大部分が収容されており、これによつて当該鼻腔用投薬器 1を軸方向に小型化している。

1 5はポンプ部 1 4の底部 1 4 Bに設けられた吸入弁を示し、該吸入弁 1 5は、中央部に位置してポンプ部 1 4内と連通した吸入通路 1 5 Aと、該吸入通路 1 5 Aを開，閉弁する弁体 1 5 Bとから大略構成され、該弁体 1 5 Bはポンプ部 1 4から空気が供給されるときには開弁し、外部からポンプ部 1 4内に空気を吸い込むときには開弁するようになっている。

1 6は固定部材 3に設けられた第 1の穴あけピンで、該第 1の穴あけピン 1 6は基端側が薬品捕捉部 3 Dに固着されると共に、先端側がピン揷通穴 9を介して一側カプセル穴 1 1側に向けて突出形成され、その先端が鋭利な針先 1 6 Aとなっている。そして、第 1の穴あけピン 1 6は、可動部材 8がポンプ部 1 4側に位置しているときにその針先 1 6 Aが一側カプセル穴 1 1内に突出するようになっており、この状態で該一側カプセル穴 1 1内にカプセル Kを押し込むことによって該カプセル Kを空気流入穴 H 1 を穿設できる。一方、可動部材 8が通路部材 1 7側に位置しているときには、針先 1 6 Aがピン挿通穴 9内に引っ込むから、該針先 1 6 Aが空気流入穴 H 1から抜き取られた状態となる。

—方、 1 7はカプセルホルダ 2の可動部材 8に螺着される通路手段としての通路部材を示し、該通路部材 1 7は、カプセルホルダ 2側となる一側が小径部 1 7 Aとなり、他側が大径部 1 7 Bとなっている。また、大径部 1 7 Bには、左，右の距離調整ノズル機構 2 5が設けられている。

また、前記小径部 1 7 Aには可動部材螺着穴 1 8が形成され、該可動部材螺着穴 1 8の開口側内周には、可動部材 8の雄ねじ 8 Dに螺着される雌ねじ 1 8 Aが形成されている。さらに、可動部材螺着穴 1 8の奥所には一側カプセル穴 1 1 と共にカプセル収容穴 1 2を構成する他側カプセル穴 1 9が形成されている。

2 0， 2 0は通路部材 1 7に形成された左，右の薬品通路を示し、該各薬品通路 2 0は、図 3にも示すように、他側カプセル穴 1 9と連通しつつ分岐した分岐通路 2 O Aと、該分岐通路 2 0 Aから軸方向に直線的に伸長した直線通路部 2 0 Bとから略 U字状に形成され、該各直線通路部 2 0 B の噴出側は後述するテ一パ状噴霧口 2 8となっている。

2 1は第 1の穴あけピン 1 6と対向するように通路部材 1 7に設けられた第 2の穴あけピンで、該第 2の穴あけピン 2 1の基端側は軸方向に摺動可能に設けられた摺動ブ口ック 2 2に固着され、先端側はシールゴム 2 3 を貫通するように伸長し、その先端が鋭利な針先 2 1 Aとなっている。また、前記摺動ブロック 2は、第 2の穴あけピン 2 1を操作するために通路部材 1 7外に設けられた操作板 2 4 (図 1参照）に接続されている。そして、第 2の穴あけピン 2 1は、操作板 2 4を図 1の矢印 A方向に移動させることにより、摺動ブロック 2 2を介して矢示 A方向に移動し、その針先 2 1 Aによってカプセル Kに空気流出穴 H 2を穿設するものである。

2 5は通路部材 1 7に設けられた距離調整ノズル機構を示し、該距離調整ノズル機構 2 5は、通路部材 1 7側に設けられた後述する左，右の嵌合凸部 2 6 , 2 6と、該各嵌合凸部 2 6に回転可能に取り付けられた左，右の可調整ノズル 2 7 . 2 7と、該各可調整ノズル 2 7と各嵌合凸部 2 6とに亘つて設けられたテーパ状噴霧口 2 8 , 2 8とから構成されている。

2 6 , 2 6は通路部材 1 7の上端面側に設けられた左，右の嵌合凸部を示し、該各嵌合凸部 2 6は、左，右の薬品通路 2 0の直線通路部 2 0 B噴出側を覆うように通路部材 1 7から一体的に突出した円筒状に形成されている。

2 7 , 2 7は左，右の嵌合凸部 2 6 , 2 6に着脱可能に取り付けられた左，右の可調整ノズルを示し、該各可調整ノズル 2 7は、患者の鼻腔内に挿入されるもので先端側に向けて漸次縮径する円錐台状に形成されている _c また、各可調整ノズル 2 7の基端側内周は、各嵌合凸部 2 6に回転可能かつ着脱可能に嵌合する嵌合穴部 2 7 Aとなっている。そして、各可調整ノズル 2 7は、各嵌合凸部 2 6に対して回転されることにより、後述する理由によってそのノズルピッチを患者の鼻腔間距離に合わせて調整できるよ όになっている。

2 8 , 2 8は各嵌合凸部 2 6内周から各可調整ノズル 2 7内周に亘つて設けられ、先端側に向けて漸次拡開したテ—パ状噴霧口で、該各テーパ状噴霧口 2 8は、各薬品通路 2 0の直線通路部 2 0 Βと同一軸線上に配置されている。そして、各テーパ状噴霧口 2 8は、薬品を含んだ空気が各薬品通路 2 0から供給されると、この薬品を含んだ空気をテ一パ状の内壁面に沿わせるように徐々に拡散させつつ流通させることにより、薬品を鼻腔内に拡散して投与するものである。

このように構成された距離調整ノズル機構 2 5は、図 3に示すように前記各可調整ノズル 2 7が薬品通路 2 0の直線通路部 2 0 Βおよびテーパ状噴霧口 2 8の軸線 C 1を回転中心として回転可能に設けられ、該各可調整ノズル 2 7の軸線 C 2が回転中心となる軸線 C 1から偏心量 d 1をもって偏心している。従って、各可調整ノズル 2 7を回転させることにより、図 3および図 4に示す最大離間状態で各可調整ノズル 2 7のノズルピッチが L 1となり、図 5および図 6に示す最小接近状態で各可調整ノズル 2 7のノズルピッチが L 2となる。この結果、各可調整ノズル 2 7の回転量を適宜調整することにより、ノズルピッチを患者の鼻腔間距離にあわせることができる。

本実施例による鼻腔用投薬器 1は上述の如き構成を有するもので、次に、その使用動作について説明する。

まず、カプセルホルダ 2の可動部材 8をポンプ部 1 4側に位置させることにより、第 1の穴あけピン 1 6の針先 1 6 Aを一側カプセル穴 1 1内に突出させた状態とする。この状態でカプセル Kを一側カプセル穴 1 1に押し込むと、該カプセル Kにはピン 1 6の針先 1 6 Aが突き刺さり、該カプセル Kに空気流入穴 H 1が穿設される（図 7参照）。

次に、カプセルホルダ 2に通路部材 1 7を組み付けるべく、該カプセルホルダ 2側の雄ねじ 8 Dに通路部材 1 7側の雌ねじ 1 8 Aを螺着する。これにより、通路部材 1 7のねじ込みによってカプセルホルダ 2の可動部材 8は当該通路部材 1 7側に移動するから、カプセル Kはカプセル収容穴 1 2内で軸方向に若干押圧された状態で保持される。また、このときはカブセル Kに空気流入穴 H 1を穿設した第 1の穴あけピン 1 6の針先 1 6 Aが抜き取られ、カプセル K内は空気流入穴 H 1 , ピン挿通穴 9および各連通孔 6を介して空気流入室 4と連通する。

この状態で、カプセル Kに空気流出穴 H 2を形成するには、操作板 2 4 を矢示 A方向に移動させることにより、第 2の穴あけピン 2 1をカプセル Kに向けて移動し、その針先 2 1 Aでカプセル Kに空気流出穴 H 2を穿設する。その後、操作板 2 4を元の位置へ戻して針先 2 1 Aをカプセル Kより抜き取る。これにより、投薬準備となる穴あけが行われたことになる。次に、穴あけが行われたカプセル K内の薬品を患者の鼻腔に噴霧するための投薬動作について述べる。

まず、各可調整ノズル 2 7を患者の両鼻腔に挿入し、図 8に示すように、ポンプ部 1 4の押圧部 1 4 Cを押し潰すことにより、ポンプ部 1 4から空気流を発生させ、この空気を空気供給通路 5に作用させて供給弁 1 3を内筒部 3 Bの薬品捕捉部 3 Dに押し付けて開弁させ、空気流入室 4 , 各連通孔 6 , ピン揷通穴 9および空気流入穴 H 1を介してカプセル Kに流入させる。これによつて、カプセル Kに流入した空気は薬品を撹拌して薬品の混入した空気となるから、この薬品の混入した空気を空気流出穴 H 2、左，右の薬品通路 2 0 , 2 0を介して左，右のテーパ状噴霧口 2 8 , 2 8から噴霧することにより、患者の左，右の鼻腔に同時に薬品を投与することができる。

一方、カプセル K内の薬品を患者に投与するにあたり、左，右の可調整ノズル 2 7を患者の左，右の鼻腔に挿入するときには、該各可調整ノズル 2 7を適宜回転させて各可調整ノズル 2 7のノズルピッチを、最大離間伏態となるノズルピッチが L 1 と最小接近状態となるノズルピッチが L 2の間で適宜調整することにより、該各可調整ノズル 2 7のノズルピッチを患者の鼻腔間距離に合わせることができ、該各可調整ノズル 2 7を患者の鼻腔内の所望の位置に確実かつ違和感なく円滑に挿入することができる。かくして、本実施例によれば、カプセル Kを可動部材 8に装着する動作と、第 2の穴あけピン 2 1を軸方向に一往復させる動作によって、カプセル Kの軸方向に空気流入穴 H 1と空気流出穴 H 2とを容易に形成することができ、投薬動作までの準備動作を大幅に簡略化することができる上に、カプセル K内の薬品を左，右の薬品通路 2 0 , 2 0を介して左，右の可調整ノズル 2 7 , 2 7から噴霧することにより、患者の左，右の鼻腔に同時に投薬を行うことができるから、準備動作、投薬動作において当該鼻腔用投薬器 1の取扱い性を大幅に向上することができる。

しかも、各可調整ノズル 2 7を患者の鼻腔に挿入するにあたって、該各可調整ノズル 2 7を回転させることにより、最大離間状態となるノズルピツチが L 1と最小接近状態となるノズルピッチは H 2の間で極めて容易に各可調整ノズル 2 7間のノズルピッチを鼻腔間距離に合わせることができるから、各可調整ノズル 2 7を鼻腔内の所望の部位に確実に挿入することができ、鼻腔内への薬品の噴霧を良好にして投薬効率を向上することがでさ。

このように、各可調整ノズル 2 7を患者の鼻腔間距離に合わせることにより、各可調整ノズル 2 7を鼻腔内に挿入するときに違和感なく円滑に挿入することができ、各人にあった最高の状態で投薬を行うことができる上に、鼻腔間距離の異なる子供から大人まで一種類の鼻腔用投薬器 1を用いることができ、当該鼻腔用投薬器 1の適用範囲を大幅に広めることができる。特に、本実施例では左，右に可調整ノズル 2 7 , 2 7を設けるようにしているから、ノズルピッチの調整範囲を大きくすることができ、適用範囲をさらい広めることができる。

また、各可調整ノズル 2 7を通路部材 1 7に対して着脱可能としているから、投薬後に各可調整ノズル 2 7を取り外すことにより、該各可調整ノズル 2 7、薬品通路 2 0等を隅々まで容易に洗浄することができ、洗浄時の作業性や衛生面の向上を図ることができる。

—方、本実施例では、各薬品通路 2 0の直線通路部 2 0 Bとテ—パ状噴霧口 2 8を同一軸線上に配置し、薬品を含んだ空気を該各薬品通路 2 0、テーパ状噴霧口 2 8で直線的に流通させることにより、この薬品を含んだ空気に整流性、直進性を与えて加速した状態とすることができるから、薬品を鼻腔内の奥所まで効果的に供給することができる。

また、各薬品通路 2 0の噴出側に各テーパ状噴出口 2 8を設け、該各テ —パ状噴出口 2 8によって薬品を含んだ空気を拡散させるようにしているから、各テーパ状噴出口 2 8から患者の鼻腔内の広範囲にわたり均一に薬品を投与することができ、薬品の噴霧効率を向上することにより人体への吸収を促進させて、投薬による効能を高めることができる。

また、カプセル Kに穴をあけるための道具は、投薬器 1自体に全て内蔵しているから、一切取り外すことなく投薬動作を行うことができ、従来技術のように、穴あけ具の着脱動作を省略できるばかりでなく、穴あけ具が紛失する虞れはなく、さらに取り扱いが安全にできる。

さらに、カプセル Kの空気流入穴 H 1から落下する薬品を固定部材 3の薬品捕捉部 3 Dで捕捉できる上に、該薬品捕捉部 3 Dに捕捉した薬品を、投薬動作時にポンプ部 1 4からの空気によって搬送し、カプセル K内の薬品と共に患者の左，右の鼻腔へ供給することができるから、鼻腔用投薬器 1内に残る薬品の量を低減でき、カプセル K内に充填された薬品の規定量を確実に患者に投与することができると共に、当該鼻腔用投薬器 1の清掃頻度を減らすことができる。

次に、図 9ないし図 1 1に本発明の第 2の実施例を示すに、本実施例の特徴は、可調整ノズルの噴霧口を回転中心から偏心して配置したことにある。なお、本実施例では、前述した第 1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものである。

図中、 3 1は本実施例による鼻腔用投薬器、 3 2は該鼻腔用投薬器 3 1 の通路部材をそれぞれ示し、該通路部材 3 2は、前記第 1の実施例で述べた通路部材 1 7とほぼ同様に小径部 3 2 Aと大径部 3 2 Bとから構成されている。し力、し、通路部材 3 2は、その大径部 3 2 B上面側に後述する嵌合凹部 3 4 , 3 4が形成されている点で第 1の実施例によるものと相違している。

3 3は通路部材 3 2に設けられた本実施例による距離調整ノズル機構を示し、該距離調整ノズル機構 3 3は、通路部材 3 2側に設けられた後述する左，右の嵌合凹部 3 4 , 3 4と、該各嵌合凹部 3 4に回転可能に取り付けられた左，右の可調整ノズル 3 5 , 3 5と、該各可調整ノズル 3 5に設けられた噴霧口 3 6 , 3 6とから構成されている。

3 4 , 3 4は通路部材 3 2の上端面側に設けられた左，右の嵌合凹部を示し、該各嵌合凹部 3 4は、左，右の薬品通路 2 0に対応する位置に円形穴状に形成されている。

3 5 , 3 5は左，右の嵌合凹部 3 4 , 3 4に取り付けられた本実施例による左，右の可調整ノズルを示し、該各可調整ノズル 3 5は、患者の鼻腔内に挿入されるべく先端側が漸次縮径した鼻腔挿入部 3 5 Aと、該鼻腔揷入部 3 5 Aの基端側に設けられ、嵌合凹部 3 4内に着脱可能かつ回転可能に嵌合された嵌合部 3 5 Bとから構成されている。

ここで、前記鼻腔揷入部 3 5 Aは、嵌合部 3 5 Bの軸線 C 3を回転中心として回転するようになっており、該鼻腔挿入部 3 5 Aの軸線 C 4は回転中心となる軸線 C 3から変位量 d 2をもって偏心している。これにより、各可調整ノズル 3 5を回転させることにより、図 1 0に示す最大離間状態で各鼻腔挿入部 3 5 Aのノズルピッチが L 3となり、図 1 1に示す最小接近状態で各鼻腔揷入部 3 5 Aのノズルピッチが L 4となる。この結果、各可調整ノズル 3 5の回転量を適宜調整することにより、ノズルピッチを患者の鼻腔間距離に合わせることができる。 3 6 , 3 6は各可調整ノズル 3 5に設けられ、略「く」字状に折曲げて形成された噴霧口で、該各噴霧口 3 6は、各薬品通路 2 0の直線通路部 2 0 Bと連通する傾斜部 3 6 Aと、該傾斜部 3 6 Aと連通し鼻腔挿入部 3 5 Aと同一軸線 C 4上に設けられたテ一パ部 3 6 Bとから構成されている。これにより各噴霧口 3 6は、各鼻腔挿入部 3 5 Aが鼻腔内に挿入されたときに、該鼻腔内の中央に配置されるから、薬品を鼻腔内に均一に噴霧できる。また、該各噴霧口 3 6は、薬品を含んだ空気が各薬品通路 2 0から供給されると、この薬品を含んだ空気をテーパ部 3 6 Bの内壁面に沿わせるように徐々に拡散させつつ流通させることにより、薬品を鼻腔内に拡散して投与するものである。

かくして、このように構成される本実施例においても、前述した第 1の実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができることは勿論のこと、特に、本実施例では、各噴霧口 3 6のテーパ部 3 6 Bを患者の鼻腔内に挿入される可調整ノズル 3 5の鼻腔揷入部 3 5 A中央（同一軸線上）に配設することにより、該テ一パ部 3 6 Bを介して薬品を鼻腔内に均一に噴霧することができから、鼻腔内での薬品の吸収をより一層促進させることができ、薬品の効能を高めることができる。

なお、前記第 1実施例では、各嵌合凸部 2 6と可調整ノズル 2 7に直つてテ一パ状噴霧口 2 8を形成したが、例えば、図 1 2に変形例として示す距離調整ノズル機構 4 1の如く、通路部材 1 7の上端面に噴霧筒 4 2， 4 2を設け、該各噴霧筒 4 2の外周側に可調整ノズル 4 3 , 4 3を回転可能かつ着脱可能に取り付けると共に、前記各噴霧筒 4 2の内周側にテーパ状噴霧口 4 4 , 4 4を形成する構成としてもよい。

また、図 1 3に第 2の実施例の変形例として示す距離調整ノズル機構 3 3 'の如く、各可調整ノズル 3 5に直線的に伸長するように噴霧口 3 6 'を形成してもよい。

また、前記第 1 , 第 2の実施例では、左，右の可調整ノズル 2 7 , 3 5 , 4 3を設け、該各可調整ノズル 2 7 , 3 5 , 4 3を回転させることによりノズルピッチを調整する構成としたが、左，右のノズルのうち、一方を固定ノズルとし、他方を可調整ノズルとしてノズルピッチを調整するようにしてもよい。

さらに、前記第 1，第 2の実施例では、各可調整ノズル 2 7 , 3 5 , 4 3を着脱可能としたが、各可調整ノズルを回転可能に固着するようにしてもよく、この場合には、各可調整ノズルの紛失を防止できる。

次に、図 1 4ないし図 1 8に本発明の第 3の実施例を示すに、本実施例の特徴は、ノズルを左，右方向に移動可能に設けたことにある。なお、本実施例では、前述した第 1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。

図中、 5 1は本実施例による鼻腔用投薬器、 5 2は該鼻腔用投薬器 5 1 の通路手段としての通路部材をそれぞれ示し、該通路部材 5 2は、前記第 1の実施例で述べた通路部材 1 7とほぼ同様に小径部 5 2 Aと大径部 5 2 Bとから構成されている。しかし、本実施例による通路部材 5 2には、第 1の実施例による距離調整ノズル機構 2 5に代えて後述する距離調整ノズル機構 5 6が設けられている点で第 1の従来技術と相違している。

5 3 , 5 4は通路部材 5 2に形成された本実施例による左，右の薬品通路を示し、該左，右の薬品通路 5 3 , 5 4は、他側カプセル穴 1 9と連通しつつ分岐した分岐通路部 5 3 A , 5 4 Aと、該分岐通路部 5 3 A , 5 4 Aから軸方向に直線的に伸長した直線通路部 5 3 B , 5 4 Bとから略 U字状に形成され、左側の直線通路部 5 3 Bの噴出側は後述する固定ノズル 5 7内で噴霧口 5 5となっている。また、右側の直線通路部 5 4 Bは左側の直線通路部 5 3 Bに比較して短く、その噴出側には後述する接続管 6 3が接続されている。

5 6は通路部材 5 2の大径部 5 2 Bに設けられた本実施例による距離調整ノズル機構を示し、該距離調整ノズル機構 5 6は、後述する固定ノズル 5 7、左，右方向案内溝 5 8、ノズル保持突部 5 9、可調整ノズル 6 1、接続管 6 3等から構成されている。

5 7は左側の薬品通路 5 3噴出側に位置して通路部材 5 2の大径部 5 2 Bから突設された固定ノズルで、該固定ノズル 5 7は患者の鼻腔内に揷入されるもので先端側に向けて漸次縮径する円錐台状に形成されている。

5 8は通路部材 5 2の大径部 5 2 B他端面に開口して形成された左，右方向案内部となる左，右方向案内溝を示し、該左，右方向案内溝 5 8は、図 1 5に示す如く、右側の薬品通路 5 4の直線通路部 5 4 B延長線上に位置して径方向に伸長する長円形状に形成されている。また、左，右方向案内溝 5 8の幅寸法（円弧部分の直径寸法）は可調整ノズル 6 1の直径寸法よりも僅かに大きく設定され、これにより、該左，右方向案内溝 5 8内に可調整ノズル 6 1を左，右方向（矢示 B , C方向）に移動可能に支持している ο

5 9は左，右方向案内溝 5 8内に設けられたノズル保持部としてのノズル保持突部で、該ノズル保持突部 5 9は、図 1 6に示すように、左，右方向案内溝 5 8の内周面から内向きに突出して環状をなしている。そして、ノズル保持突部 5 9は可調整ノズル 6 1の環状溝 6 1 Aに係合するもので、該可調整ノズル 6 1が左，右方向案内溝 5 8内で移動するのを許しつつ、該可調整ノズル 6 1が脱落するのを防止するようになっている。

6 0は右側の薬品通路 5 4の直線通路部 5 4 Bと左，右方向案内溝 5 8 との間に形成された接続管移動空間で、該接続管移動空間 6 0は、可調整ノズル 6 1の移動に応じて接続管 6 3が左，右方向に移動するのを許すものである。

6 1は通路部材 5 2の大径部 5 2 Bから突出して設けられた可調整ノズルを示し、該可調整ノズル 6 1は固定ノズル 5 7と対をなすもので、該固定ノズル 5 7とほぼ同様に先端側に向けて漸次縮径する円錐台状に形成されている。また、可調整ノズル 6 1の基端側外周には全周に亘つて環状溝 6 1 Aが形成され、該可調整ノズル 6 1は、該環状溝 6 1 Aを介してノズル保持突部 5 9に左，右方向に移動可能に係合している。

6 2は可調整ノズル 6 1に形成された噴霧口で、該噴霧口 6 2は、可調整ノズル 6 1の中心に位置して該可調整ノズルを軸方向に貫通するように形成されている。また、噴霧口 6 2は、接続管 6 3を介して右側の薬品通路 5 4に連通している。

6 3は接続管移動空間 6 0内に設けられた接続管で、該接続管 6 3は一端側が右側の薬品通路 5 4の直線通路部 5 4 Bに連通するように通路部材 1 7に接続され、他端側が噴霧口 6 2に連通するように可調整ノズル 6 1 に接続されている。また、接続管 6 3は十分に可撓性を有する樹脂材料等からなり、これによつて可調整ノズル 6 1が移動したときには、その移動量に応じて変形し、薬品通路 5 4と噴霧口 6 2とを常時連通することがでさ ο

そして、このように構成された距離調整ノズル機構 5 6は、図 1 7に示す如く、可調整ノズル 6 1を矢示 B方向に移動させることにより、該可調整ノズル 6 1 と固定ノズル 5 7との左，右方向の離間距離（ノズルピッチ）を最大離間状態となる L 5にでき、図 1 8に示す如く、可調整ノズル 6 1 を矢示 C方向に移動させることによりノズルピッチを最小接近状態となる L 6とできる。従って、該可調整ノズル 6 1を矢示 B , C方向に移動させてノズルピッチを最大離間状態の L 5と最小接近状態の L 6との間で適宜調整することにより、固定ノズル 5 7と可調整ノズル 6 1とのノズルピッチを患者の鼻腔間距離に合わせることができる。また、可調整ノズル 6 1 は、ノズル保持突部 5 9に環状溝 6 1 Aを係合させるように左，右方向案内溝 5 8内に取り付けられているから、該ノズル保持突部 5 9によって通路部材 1 7からの脱落が防止されている。

かくして、このように構成される本実施例においても、前述した各実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができるものの、特に、本実施例では、可調整ノズル 6 1を左，右方向案内溝 5 8に沿って左，右方向に移動させることにより、該可調整ノズル 6 1 と固定ノズル 5 7との左，右方向の離間距離（ノズルピッチ）を最大離間状態の L 5と最小接近状態の L 6との間で患者の鼻腔間距離に合わせることができるから、ノズルピッチをより —層簡単に調整することができる。

また、方向案内溝 5 8にノズル保持突部 5 9を設け、該ノズル保持突部 5 9を可調整ノズル 6 1の環状溝 6 1 Aに係合させるようにしているから、該可調整ノズル 6 1をノズル保持突部 5 9に沿って円滑に移動できる上に、可調整ノズル 6 1が通路部材 5 2から脱落するのを防止できる。

さらに、右側の薬品通路 5 4と噴霧口 6 2とを可撓性材料からなる接続管 6 3で連通させたから、可調整ノズル 6 1を移動したときでも、薬品通路 5 4と噴霧口 6 2とを常時連通でき、該噴霧口 6 2から鼻腔内に向けて確実に薬品を噴霧させることができる。

なお、前記第 3の実施例では、左，右のノズルのうち左側を固定ノズル 5 7とし、右側を可調整ノズル 6 1とすることにより、固定ノズル 5 7に対して可調整ノズル 6 1を接近，離間させてノズルピッチを調整する距離調整ノズル機構 5 6を例示したが、例えば、図 1 9に変形例として示す距離調整ノズル機構 7 1の如く、左，右方向案内溝 7 2 , 7 2、ノズル保持突部 7 3 , 7 3および接続管移動空間 7 4， 7 4を左，右に設け、該左，右保持案内溝 7 2 , 7 2に可調整ノズル 7 5 , 7 5を移動可能に取り付けると共に、該可調整ノズル 7 5 , 7 5を接続管 7 6 , 7 6を介して薬品通路 7 7， 7 7に接続する構成としてもよい。

この場合には、一方の可調整ノズル 7 5に対して他方の可調整ノズル 7 5を移動することにより、第 3の実施例と同様にノズルピッチを適宜調整することができる。しかも、この第 2の変形例では、各可調整ノズル 7 5 を相対的に接近または離間させることにより、最大離間状態でノズルピッチが L 7となり、最小接近状態でノズルピッチが L 8となるから、前記第 3の実施例のものに比較してノズルピッチを 2倍の調整範囲をもつて調整することができ、適用範囲を広めることができる。

また、前記第 1の実施例では噴霧口としてテ一パ状噴霧口 2 8 , 4 4を例示し、第 2の実施例ではテーパ部 3 6 Bを有する噴霧口 3 6を例示し、前記第 3の実施例では、噴霧口 5 6 , 6 2を軸方向に同径のストレート形状として図示したが、これに限ることなく、噴霧口の形状は薬品の噴霧条件に応じて適宜変更するのが望ましい。

さらに、前記第 3の実施例では、左，右方向案内部として長円形状の左, 右方向案内溝 5 8を形成し、該左，右方向案内溝 5 8内に可調整ノズル 6 1を取り付けた場合を例に挙げて説明したが、左，右方向案内部として左, 右方向案内突部を設け、該左，右方向案内突部に可調整ノズルを摺動可能に取り付けるようにしてもよい。

また、前記第 3の実施例では、ノズル保持突部 5 9を形成すると共に、可調整ノズル 6 1に環状溝 6 1 Aを形成し、ノズル保持突部 5 9と環状溝 6 1 Aとを係合させるものとして述べたが、ノズルガイドを凹溝とし、可調整ノズルに該凹溝に係合する凸部を形成するようにしてもよい。

—方、前記各実施例では、薬品収容室としてカプセル収容穴 1 2を設け、該カプセル収容穴 1 2内に薬品を収容したカプセル Kを揷入するものとして述べたが、薬品収容室内に別体の供給器具等を用いて外部から直接的に薬品を投入するようにしてもよい。この場合には、カプセル Kは不要とな o 産業上の利用可能性

以上のように、本発明にかかる鼻腔用投薬器およびその使用方法は、力プセル内に充填された微細な粉体あるいは顆粒等を、該カプセルを破断することによって吸引するものに適用できる。

Claims

請求の範囲

1 . 薬品収容室内に粉体状の薬品を収容した状態で、左，右のノズルから患者の左，右の鼻腔内に該薬品収容室内の薬品を噴霧するときに、前記ノズルの左，右方向の離間距離を患者の鼻腔間距離に合わせて調整可能に構成したことを特徴とする鼻腔用投薬器。

2 . 粉体状の薬品を収容する薬品収容室と、該薬品収容室に向け空気を供給する空気供給手段と、該空気供給手段から供給される空気によって前記薬品収容室内の薬品を患者の左，右の鼻腔内に向け供給する左，右の薬品通路を有する通路手段と、患者の左，右の鼻腔に挿入した状態で薬品を噴霧するため、該通路手段の薬品通路噴出側に患者の鼻腔間距離に合わせて調整可能に設けられた距離調整ノズル手段とから構成したことを特徴とする鼻腔用投薬器。

3 . 粉体状の薬品を収容する薬品収容室と、該薬品収容室に向け空気を供給する空気供給手段と、該空気供給手段から供給される空気によって薬品収容室内の薬品を患者の左，右の鼻腔内に向け供給する左，右の薬品通路を有する通路手段と、患者の左，右の鼻腔に挿入した状態で薬品を噴霧するため、該通路手段の薬品通路噴出側に設けられた左，右のノズルからなる距離調整ノズル手段とによって構成し、該距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち少なくとも一方のノズルを回転可能に設け、かつ当該ノズルを回転中心から偏心した位置に配置したことを特徴とする鼻腔用投薬器。

4 . 前記距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち少なくとも一方のノズルを前記通路手段に着脱可能に設けたことを特徴とする請求項 3に記載の鼻腔用投薬器。

5 . 前記距離調整ノズル手段を構成するノズルの噴霧口を略直線状に形成したことを特徴とする請求項 3に記載の鼻腔用投薬器。

6 . 前記距離調整ノズル手段を構成するノズルの噴霧口を略直線状に形成したことを特徴とする請求項 4に記載の鼻腔用投薬器。

7 . 前記距離調整ノズル手段を構成するノズルの噴霧口を偏心して形成したことを特徴とする請求項 3に記載の鼻腔用投薬器。

8 . 前記距離調整ノズル手段を構成するノズルの噴霧口を偏心して形成したことを特徴とする請求項 4に記載の鼻腔用投薬器。

9 . 粉体状の薬品を収容する薬品収容室と、該薬品収容室に向け空気を供給する空気供給手段と、該空気供給手段から供給される空気によって前記薬品収容室内の薬品を患者の左，右の鼻腔内に向け供給する左，右の薬品通路を有する通路手段と、患者の左，右の鼻腔に挿入した状態で薬品を噴霧するため、該通路手段の薬品通路噴出側に設けられた左，右のノズルからなる距離調整ノズル手段とによつて構成し、該距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち少なくとも一方のノズルを他方のノズルに対して左，右方向に移動可能に設けたことを特徴とする鼻腔用投薬器。

1 0 . 前記距離調整ノズル手段は、左，右のノズルのうち少なくとも一方のノズルを左，右方向に案内する左，右方向案内部と、該左，右方向案内部でノズルを移動するときに該ノズルを保持するノズル保持部とから構成したことを特徴とする請求項 9に記載の鼻腔用投薬器。

1 1 . 前記距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち調整可能となったノズルと通路手段とを可撓性を有する接続管によって接続したことを特徴とする請求項 9に記載の鼻腔用投薬器。

1 2 . 前記距離調整ノズル手段を構成する左，右のノズルのうち調整可能となったノズルと通路手段とを可撓性を有する接続管によつて接続したことを特徴とする請求項 1 0に記載の鼻腔用投薬器。

1 3 . 前記薬品収容室には、カプセルや別体の供給器具によって薬品を供給することを特徴とする請求項 1に記載の鼻腔用投薬器。

1 4 . 前記薬品収容室には、カプセルや別体の供給器具によって薬品を供給することを特徴とする請求項 2に記載の鼻腔用投薬器。

1 5 . 前記薬品収容室には、カプセルや別体の供給器具によって薬品を供給することを特徵とする請求項 3に記載の鼻腔用投薬器。

1 6 . 前記薬品収容室には、カプセルや別体の供給器具によって薬品を供給することを特徴とする請求項 9に記載の鼻腔用投薬器。

1 7 . 前記空気供給手段は、ポンプによって空気を供給する手段であることを特徴とする請求項 2に記載の鼻腔用投薬器。

1 8 . 前記空気供給手段は、ポンプによって空気を供給する手段であることを特徴とする請求項 3に記載の鼻腔用投薬器。

1 9 . 前記空気供給手段は、ポンプによって空気を供給する手段であることを特徴とする請求項 9に記載の鼻腔用投薬器。

2 0 . 薬品収容室内に粉体状の薬品を収容した状態で、左，右のノズルから患者の左，右の鼻腔内に該薬品収容室内の薬品を噴霧するときに、前記ノズルのうち少なくとも一方のノズルを回転させて該ノズルを回転中心から偏心させる力、、あるいは左，右のノズルのうち少なくとも一方のノズルを他方のノズルに対して左，右方向にスライド移動させることにより、ノズルの左，右方向の離間距離を患者の鼻腔間距離に合わせて調整することを特徴とする鼻腔用投薬器の使用方法。