WO2002023493A1

WO2002023493A1 - Trieur de pieces de monnaie et dispositif d'introduction de pieces

Info

Publication number: WO2002023493A1
Application number: PCT/JP2001/008109
Authority: WO
Inventors: Yushi Hino; Masaharu Tochio; Daisuke Hoshino; Kisho Yanase; Yoshikatsu Oota; Tasuku Nakamoto
Original assignee: Glory Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2000-09-18
Filing date: 2001-09-18
Publication date: 2002-03-21
Also published as: US7004831B2; EP2261866A2; US20020162724A1; US6783452B2; US20040259490A1; US6991530B2; EP1321905A4; EP1321905A1; US20040238320A1; EP2261866A3

Description

明細書硬貨選別装置およぴ硬貨入金装置技術分野

本発明は、複数の金種を含む硬貨を金種毎に選別するための硬貨選別装置、および、そのような選別装置を備えた硬貨入金装置に関する。背景技術

硬貨入金装置等に使用される硬貨選別装置としては従来、選別すべき全ての硬貨を、単一の硬貨選別手段によつて金種毎に順次選別して行く構成のものが一般的である。

その場合、硬貨選別手段としては、搬送路内で硬貨を 1枚ずつ水平に搬送しながら、硬貨の直径を基準として、金種毎に大きさの異なる選別孔から対応する金種の硬貨を落下させて行く構成のものが多い。また、搬送路に対して硬貨を 1枚ずつ繰り出す手段としては、硬貨の直径および厚さを基準として、回転する繰出し円盤上の硬貨が、厚み規制板を通して 1枚ずつ搬送路へ押し出されるように構成されたものが一般的である。

このような硬貨選別装置には、次のような問題点がある。すなわち、選別すベき金種の数が多くなれば、硬貨の直径や厚さの種類も増える。このため、従来の硬貨選別装置のように単一の選別手段で一度に選別しょうとすれば、選別が困難になる場合もある。また、仮に選別が可能であったとしても、多金種に対応する必要から、硬貨選別手段における選別方式が限られてしまう。

特に、ュ一口硬貨に関しては、その金種が 8種類も有る上、各国において旧硬貸からの切り替えが進められているため、他金種としての旧硬貨が混在した状態で選別を行う必要もある。このため、上記のような問題点がより深刻なものとなる。

次に図 4 5には、従来の回転円盤式の硬貨選別装置（特開昭 6 3— 2 5 0 7 9 3 ) における、固定円盤 4 0 1の底面 4 0 1 b側が簡略化して示されている。この硬貨選別装置は、固定円盤 4 0 1の底面 4 0 1 bに重ね合わされた状態で回転する弾性面を有した回転円盤（図示せず）を備えている。固定円盤 4 0 1は、中心部に硬貨投入口 4 0 1 aを有しており、その硬貨投入口 4 0 1 aから投入された硬貨 Cが、回転円盤の回転に伴って、固定円盤 1の底面 4 0 1 bに対して摺動するように構成されている。

また、固定円盤 4 0 1は、その底面 4 0 1 bに対して摺動する硬貨 Cを、直径. に応じて選択的に案内するように構成されている。具体的には、固定円盤 1の底面 4 0 1 b側には、硬貨投入口 4 0 1 aに面した硬貨導入路 4 1 0が設けられている。この硬貨導入路 4 1 0は、硬貨投入口 4 0 1 aから投入された硬貨 Cを導入する硬貨導入部 4 1 1と、硬貨同士の重なり合いを解くための隆起部 4 1 3とを有している。

また、硬貨導入路 4 1 0に隣接して、硬貨整列部 4 0 2が設けられている。この硬貸整列部 4 0 2は、硬貨 Cに作用する遠心力を利用して、その外周縁部分 4 0 4に硬貨 Cの外縁を当接させ、硬貨 Cを順次整列させるようになつてる。この硬貨整列部 4 0 2を通過した硬貨 Cは、それ以後、回転円盤の回転によって、固定円盤 4 0 1の底面 4 0 1 bとの間で弹性的に挟持された状態で、円弧状の仮想的なガイドライン 4 0 6の内周に沿って移送される。

図 4 5には、一例として大径、中径、小径の 3種類の硬貨 C l， C 2 , C 3を選別する場合の構成が示されている。この場合、上記ガイドライン 4 0 6に沿つて、上流側から順に小径硬貨案内溝 4 1 5 a、中径硬貨案内溝 4 1 5 bおよび大径硬貨案内溝 4 1 5 cが設けられている。これらの案内溝 4 1 5 a , 4 1 5 b , 4 1 5 cは、それそれ大、中、小径硬貨 C l， C 2 , C 3のみを選択的に案内して外方へ放出するためのものである。

具体的には、小径硬貨案内溝 4 1 5 aは、ガイドライン 4 0 6の内側に沿って移動する硬貨のうち小径硬貨 C 3のみを受け入れ、当該硬貨 C 3を（その内周側縁部 4 1 6 aで）固定円盤 1の外側まで案内し、それより直径の大きい中、大径硬貨 C 2， C 1はそのまま通過させるようになつている。また、中径硬貨案内溝 4 1 5 bは、そのうち中径硬貨 C 2のみを受け入れて（その内周側縁部 4 1 6 b で）固定円盤 1の外側まで案内し、大径硬貨 C 1はそのまま通過させるようになつている。そして、大径硬貨案内溝 4 1 5 cは、残りの大径硬貨 C 1を受け入れて（その内側緣部 4 1 6 cで）固定円盤 1の外側まで案内するようになっている。

このような硬貨選別装置には、次のような問題点がある。まず、硬貨整列部 4 0 2において、硬貨 Cに作用する遠心力を利用して、硬貨 Cをガイドライン 4 0 6の内周に沿うよう順次整列させているので、回転円盤をある程度高速で回転させる必要がある。従って、回転円盤の回転速度（すなわち選別処理速度）設定の自由度が低くなつてしまう。

次に、硬貨の詰まりが生じた場合等を考慮すると、回転円盤を一時的に逆転させた後、再度正転させて選別処理を続行できれば有利である。しかし、当該硬貨選別装置では、案内溝 4 1 5 a〜4 1 5 cの内周側縁部 4 1 6 a〜4 1 6 cによつて一旦ガイドライン 4 0 6の外周側へ逸れた硬貨は、回転円盤との間でその位置に把持された状態にあり、逆転させても元の位置（ガイドライン 4 0 6や外周縁部分 4 0 4の内周側に沿った整列位置）に戻るわけではない。このため、回転円盤を一旦逆転させた後では、再度正転させたとしても正常な選別動作を行うことができなくなる。

次に、回転円盤の回転により固定円盤の底面に対して摺動する硬貨を直径に応じて選別するように構成された硬貨選別装置は、上記のものを含めて、従来より種々提案されている。それらの硬貨選別装置においては、.回転円盤の上面側に取り付けられた弾性部材により、'固定円盤との間で保持した硬貨を回転方向へ搬送するようになつている。また、回転円盤によって回転方向に搬送される硬貨は、. 固定円盤の底面に対して摺動しつつ直径に応じて選択的に案内され、それぞれ固定円盤の外方へ放出される。従って、選別される硬貨は、回転方向に搬送されながら半径方向に摺動することになる。

このような硬貨選別装置には、次のような問題点がある。まず、弾性部材の表面側は、例えばプチルゴムのような比較的耐摩耗性の低い合成ゴムによって構成されているため、摩耗による硬貨搬送力の低下等が比較的早い時期に生じてしまい、確実な硬貨の選別動作を長期間に渡って確保することが困難である。

また、弾性部材の表面は略平滑な面であり、方向による硬貨の保持力の差がないため、回転方向における硬貨の搬送力を増大させようとすれば、半径方向における硬貨の束力が大きくなり過ぎるといったトレードオフの関係が生じてしまう。このため、硬貨の選別動作の確実性を高める上で問題がある。

次に、図 4 6および図 4 7に示す従来の硬貨選別装置（特許第 2 5 5 7 2 7 8 号）は、略水平な通路面を有する硬貨案内路 5 1 3と、この案内路 5 1 3上で硬貨 Cを搬送するための搬送ペルト 5 1 4とを備えている。案内路 5 1 3の入口側には、案内路 5 1 3へ硬貨 Cを 1枚ずつ繰り出すための繰出し円盤 9 0を有する硬貨繰出し部 9が設けられている。

案内路 5 1 3の途中には、矩形の排除孔 5 1 1が形成され、この排除孔 5 1 1 の下側に回転体 5 1 0が配置されている。図 4 6に示すように、案内路 5 1 3における排除孔 5 1 1の上流側に、硬貨の識別を行うための識別部 5 1 6が設けられている。この識別部 5 1 6と排除孔 5 1 1との間の通路面上には、硬貨 Cを検知する硬貨センサ 5 1 7が設置されている。

図 4 7に示すように、上記回転体 5 1 0は、通路面と平行で硬貨 Cの搬送方向に直交する軸線に対して回動可能に設けられている。この回転体 5 1 0は、回動軸線に平行な平面をなす平面部 5 1 0 Aと、回動軸線を中心とした円筒面をなす大径部 5 1 0 Bとを有している。また、排除孔 5 1 1に対応した搬送ベルト 5 1 ' 4の上側に、硬貨 Cを下方に押圧するための押圧ローラ 5 1 5が設けられている _c そして、回転体 5 1 0は、その大径部 5 1 0 Bが排除孔 5 1 1に面した「硬貨通過位置」（図 4 7 ( a ) ) と、その平面部 5 1 O Aが排除孔 5 1 1に面した「硬貨排除位置」（図 4 7 ( b ) ) との間で（図 4 6に示す口一タリソレノイド Rによって）回動されるようになっている。図 4 7において、（c ) は、（b ) の「硬貨排除位置」から（a ) の「硬貨通過位置」への復帰時の状態を示している。なお、図 4 7 ( b ) に示す回転体 5 1 0の硬貨排除位置においては、平面部 5 1 O Aが案内路 5 1 3の下流側に向かって下方に傾斜した状態となる。

以上のように構成された従来の硬貨選別装置によれば、

( 1 ) 回転体 5 1 0が図 4 7 ( a ) に示す「硬貨通過位置」にある場合、搬送べルト 5 1 4によって案内路 5 1 3上を搬送されてきた硬貨 Cは、排除孔 5 1 1上において回転体 5 1 0の大径部 5 1 0 Bによって支持され、排除孔 5 1 1上を落下することなく通過する。

( 2 ) 回転：5 1 0が図4 7 ( b ) に示す「硬貨排除位置」にある場合、搬送べルト 5 1 4によって案内路 5 1 3上を搬送されてきた硬貨 Cは、先端部から排除孔 5 1 1内に落ち込み、回転体 5 1 0の平面部 5 1 O Aに沿って滑り落ちる形で排除される。

このような硬貨選別装置には、次のような問題点がある。すなわち、図 4 7

( a ) において、「硬貨通過位置」にある回転体 5 1 0上を通過しょうとする硬貨 Cは、その先端部が排除孔 5 1 1の縁部を通過して通路面上に乗ると、通路面と搬送ベルト 5 1 4との間である程度挟持される。しかし、この時点で回転体 5 1 0を「硬貨排除位置」に切り換えようとすると、硬貨 Cの後端部を支持する回転体 5 1 0の上端部が、図 4 7 ( b ) に示すように案内路 5 1 3め上流側へ回動する。

このため、回転体 5 1 0を「硬貨通過位置」から「硬貨排除位置」へ切り換えるタイミングを早くし過ぎると、先行する硬貨 Cがうまく通過できなくなる。このような回転体 5 1 0の切換夕ィミング上の制約が、硬貨の選別処理の高速化の妨げとなっている。

また、搬送方向に移動する硬貨 Cを.（水平方向では）そのまま真っ直ぐ通過ないし落下させるようにしたため、「硬貨通過位置」（図 4 7 ( a ) ) において排除孔 5 1 1上を通過可能な硬貨 Cの最小直径と、「硬貨排除位置」（図 4 7

( b ) ) において排除孔 5 1 1から落下可能な硬貨 Cの最大直径との差をあまり大きく取ることができない。すなわち、直径の異なる複数種類の硬貨を選別しようとする場合、選別可能な直径の範囲が狭くなつてしまう。

次に、従来の硬貨入金装置には、円やドル等の単一通貨単位の硬貨のみを入金対象として、それ以外の通貨単位の硬貨は全てリジェクトしてしまうものしか存在しない。なお、円からドル、ドルから円のように他の通貨単位に換算した金額で入金処理を行う硬貨入金装置もあるが、単一通貨単位の硬貨のみを入金対象とする点は変わらない。

しかしながら、例えば欧州連合諸国に.おいては各国の旧通貨単位から新通貨単位であるユーロへの切り替えが行われている。このため、新通貨単位と旧通貨単位の両通貨単位の硬貨を入金対象とし、新通貨単位での総合計金額にて入金処理を行うこと ^できれば非常に便利である。発明の開示

従って、本発明はまず、多くの金種を含んだ硬貨の選別をより確実に行うことができると共に、選別手段における選別方式の自由度を大幅に高めることができるような硬貨選別装置、および、そのような硬貨選別装置を備えた硬貨入金装置を提供することを目的とする。

次に、本発明は、回転円盤の回転速度設定の自由度の高い硬貨選別装置を提供すると共に、回転円盤を一時的に逆転させた後、再度正転させても正常な選別動作を続行できるような硬貨選別装置を提供することを目的とする。

また、本発明は、より確実な硬貨の選別動作を長期間に渡って確保することができるような硬貨選別装置を提供することを目的とする。

また、本発明は、従来に比べて硬貨の選別処理を高速化すると共に、選別可能な硬貨の直径範囲を拡大できるような硬貨選別装置を提供することを目的とするそして、本発明は、硬貨選別装置を備えた硬貨入金装置において、新通貨単位と旧通貨単位の両通貨単位の硬貨を入金対象とし、新通貨単位での総合計金額にて入金処理を行えるような硬貨入金装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明は 1つの局面において、 3以上の金種を含む複数の硬貨を金種毎に選別するための硬貨選別装置 (こおいて、前記複数の硬貨を、その寸法に基づいて予め 2以上のグループに大別するための大別手段と、この大別手段によって大別された各グループの硬貨を、更に金種毎に選別するための主選別手段とを備えた、ことを特徴とする硬貨選別装置を提供するものであるこの選別装置によれば、大別手段によって予め大別された各グループの硬貨を更に主選別手段によって金種毎に選別することで、一度に選別すべき金種の数を減らすことができる。これにより、多くの金種を含んだ硬貨の確実な選別を可能にするとと共に、主選別手段における選別方式の自由度を大幅に高めることができる。従って、例えばュ一口硬貨のように単一の硬貨選別手段では選別が困難な多金種硬貨の選別であっても、一般的な硬貨選別手段を用いて確実かつ円滑に行うことが可能となる。

前記大別季段は、中心部に硬貨投入口を有する固定部と、この固定部材の底面に重ね合わされた状態で回転する回転円盤とを備え、前記固定部材の硬貨投入口から入った硬貨が、前記回転円盤の回転に伴って、前記固定部材の底面に対して摺動するように構成されると共に、前記固定部材は、その底面に対して摺動する硬貨を、前記グループ毎に選択的に案内するための案内構造を有するように構成することができる。これによれば、大別手段において、固定部材の硬貨投入口に入った硬貨は、回転円盤の回転に伴って固定部材の底面に対して摺動しつつ案内構造によってグループ毎に選択的に案内されることで、そのようなグループに大別されて行く。

前記主選別手段は、選別すべき硬貨を 1枚ずつ略水平に案内するための案内路と、この案内路に沿って硬貨を搬送するための搬送手段と、前記案内路に沿って、選別すべき金種毎に間隔を置いて順次設けられた複数の選別部とを有するように構成することができる。これによれば、主選別手段において、選別すべき硬貨は、搬送手段によって案内路に沿って 1枚ずつ略水平に搬送されながら、各選別部によって順次、金種每に選別されて行く。この場合、主選別手段によって選別すぺき金種の数を少なくすることで、その選別部の数を減らして案内路の長さを短縮することができる。従って、硬貨選別装置全体の大きさをより小さくすることが可能となる。

また、本発明はもう 1つの局面において、 3以上の金種を含む複数の硬貨を金種毎に選別して入金処理を行うための硬貨入金装置において、前記複数の硬貨を、その寸法に基づいて予め 2以上のグループに大別するための大別手段と、この大別手段によって大別された各グループの硬貨をそれぞれ識別する識別手段と、この識別手段による識別が不能であったリジェクト硬貨を予め選別するためのリジェク卜選別手段と、前記識別手段によって識別された各グループの硬貨を、更に金種毎に選別するための主選別手段と、前記識別手段で識別された硬貨の金額を算出して入金処理を行う入金処理手段とを備えた、ことを特徴とする硬貨入金装置を提供するものである。

この入金装置によれば、上記の硬貨選別装置と同様にして硬貨を選別しつつ、当該硬貨の入金処理を行うことができる。

上記入金翁置は、前記識別手段による識別結果が前記主選別手段による選別の対象外である他金種硬貨を予め選別するための他金種選別手段を更に備えることが好ましい。これによれば、主選別手段による選別の対象外である他金種硬貨を予め他金種選別手段で選別することで、より円滑な金種選別を行うことができる。前記識別手段は、前記他金種硬貨の金種も識別可能であり、前記入金処理手段が、前記主選別手段で選別される硬貨と、前記他金種選別手段で選別される他金種硬貨との入金処理を行うように構成されることが好ましい。これによれば、他金種硬貨を含んだ複数の硬貨を入金処理の対象とすることが可能となる。

また、本発明はもう 1つの局面において、中心部に硬貨投入口を有する固定部材と、この固定部材の底面に重ね合わされた状態で回転する回転円盤とを備え、前記固定部材の硬貨投入口から入った硬貨が、前記回転円盤の回転に伴って、前記固定部材の底面に対して摺動するように構成されると共に前記固定部材は、その底面に対して摺動する硬貨を直径に応じて選択的に案内するための案内構造を有し、この案内構造は、前記固定部材の底面に形成され、全ての硬貨の外縁を当接させる内周縁部分を有した硬貨通路と、少なくとも 1つの選別硬貨案内部とを含み、前記選別硬貨案内部は、前記硬貨通路の内周縁部分に硬貨の外縁が当接した状態において、所定の基準寸法より大きい直径の硬貨のみが、その外周側を乗り上げるように形成されたステツプ部と、このステツプ部に乗り上げた硬貨を案内して前記固定部材の外方へ放出するための放出通路とを有する、ことを特徴とする硬貨選別装置を提供するものである。

この選別装置によれば、固定部材の硬貨投入口から入った硬貨は、回転円盤の回転に伴って固定部材の底面に対して摺動しつつ案内構造によって直径に応じて選択的に案内される。この場合、硬貨通路の内周縁部分に全ての硬貨の外縁が当接することになるが、そのうち所定の基準寸法より大きい直径の選別硬貨のみが、選別硬貨案内部においてステップ部に外周側を乗り上げる。そして、ステップ部に乗り上げた選別硬貨は、放出通路によって案内されて固定部材の外方へ放出される。一方、それ以外の硬貨は、ステップ部に外周側を乗り上げることなく硬貨通路を通過して行く。以上のようにして、選別硬貨案内部において直径に応じた硬貨の選別がなされる。なお、以上の選別硬貨案内部によって硬貨を 3種以上に選別する場合は、直径の大きい硬貨から小さい硬貨の順に選別が行われることになる。

そして、この選別装置によれば、通路の内周縁部分に硬貨の外縁を当接させた状態で直径に応じた硬貨の選別を行うようにしているので、従来のように硬貨に作用する遠心力に依存する必要がない。

前記硬貨通路は、そこを通過する硬貨の外縁が当接可能な内周縁および外周縁を有すると共に、前記ステップ部に対する上流側では、下流へ行くに従って前記固定部材の中心から遠ざかり、前記ステップ部に対する下流側では、下流へ行くに従って前記固定部材の中心に近づくように湾曲していることが好ましい（ここでの「上流」および「下流」は、回転円盤の正転時における硬貨の移送方向を基準とする）。

これによれば、硬貨通路を通過する硬貨は、通路の内周縁と外周縁との間に位置が規制される。そして、ステップ部に対する上流側では、通路が下流へ行くに従って固定部材の中心から遠ざかることで、回転円盤の正転時に、通路の内周縁で硬貨を外周側へ押し出すようにして、その内周縁部分に当接させる。また、ステップ部に対する下流側では、通路が下流へ行くに従って固定円盤の中心に近づく。これにより、回転円盤の逆転時においても、正転時と同様、ステップ部の手前側（逆転時の上流側）において、通路の内周縁で硬貨を外周側へ押し出すようにして、その内周縁部分に当接させることができる。従って、回転円盤を一旦逆転させた後に再度正転させた場合にも、ステップ部の位置においては、硬貨の外縁が通路の内周縁部分に当接していることが保証される。従って、回転円盤を一時的に逆転させた後、再度正転させても正常な選別動作を続行することができる前記硬貨通路における前記ステップ部に対する上流側に、前記硬貨通路の内周縁側へ硬貨を付勢する付勢手段が設けられていることが好ましい。これによれば、ステツプ部に対する上流側において、付勢手段が硬貨通路の内周縁側へ硬貨を付勢することで、全ての硬貨の外縁が通路の内周縁部分へ当接することをより確実に保証することができる。

前記固定部材の案内構造は、前記ステツプ部に乗り上げた前記選別硬貨が略水平な姿勢となるように構成されていることが好ましい。これによれば、選別硬貨案内部にお "る選別硬貨の傾斜による引つかかりを防止して、当該硬貨の円滑な放出を確保することができる。

前記固定部材の案内構造は、前記ステツプ部を構成すると共に前記硬貨通路の幅方向で位置調節可能なステップ板を更に有することが好ましい。これによれば、ステップ部における硬貨通路の幅を調節して、選別すべき硬貨の直径変化に対応することが可能となる。また、硬貨通路の幅を微調整して、より確実かつ円滑な硬貨の選別処理を図ることもできる。

前記硬貨通路の下流側に、最も薄い硬貨の厚さよりも薄い異物を選択的に案内して前記固定部材の外方へ放出するための異物選別手段が設けられていることが好ましい。これによれば、硬貨より薄い異物を選別して固定部材の外方へ放出し、硬貨と区別して回収することができる。

前記異物選別手段は、前記硬貨通路から分岐して前記固定部材の外方へ通じるように前記固定部材に形成された異物通路と、この異物通路の分岐部分に設けられ、前記回転円盤との間で、前記異物を通し前記最も薄い硬貨を通さない大きさの隙間を形成するゲ一ト部とを有するように構成することができる。これによれば、硬貨通路を通る硬貨と異物のうち、硬貨は分岐部分のゲート部を通れないため、そのまま硬貨通路内を進む。一方、異物は分岐部分のゲート部を通って異物通路内へ入り、硬貨から選別される。

また、本発明はもう 1つの局面において、中心部に硬貨投入口を有する固定部材と、この固定部材の底面に重ね合わされた状態で回転し、円盤本体と、この円盤本体の上面に取り付けられた弾性部材とを有する回転円盤とを備え、前記固定部材の硬貨投入口から入った硬貨が、前記回転円盤の回転に伴って、前記固定部材の底面に対して摺動するように構成されると共に、前記固定部材は、その底面に対して摺動する硬貨を直径に応じて選択的に案内するための案内構造を有し、前記回転円盤の弾性部材は、表面に複数の半径方向溝が形成されたウレタンゴム層を含む、ことを特徴とする硬貨選別装置を提供するものである。

この選別装置によれば、固定部材の硬貨投入口から入った硬貨は、回転円盤の回転に伴って固定部材の底面に対して摺動しつつ案内構造によって直径に応じて選択的に案内される。これにより、直径に応じた硬貨の選別がなされる。

この場合、—回転円盤の弾性部材は、ウレタンゴム層によって、他の合成ゴム材料等を用いる場合に比べて耐摩耗性を向上させることができる。また、ウレタンゴム層の表面に形成された複数の半径方向溝が硬貨の外周縁と係合することで、回転円盤の半径方向における硬貨の拘束力は増大させずに、回転方向における硬貸の搬送力だけを増大させることができる。さらに、表面に複数の半径方向溝が形成されていることでウレタンゴム層が変形しやすくなるため、厚さの異なる硬貨同士が並んだ場合でも、それらを確実に保持することが可能となる。以上のことにより、本発明によれば、より確実な硬貨の選別動作を長期間に渡って確保することができる。

前記弾性部材の外周部における半径方向溝同士の間隔は、最小径の硬貨の直径よりも小さいことが好ましい。これによれば、小径の硬貨が周方向に連なった場合であっても、全ての硬貨が必ず半径方向溝上に位置するようにして、半径方向溝による上記の作用効果を常に維持することができる。

前記弾性部材におけるウレタンゴム層の材料は熱可塑性のウレタンゴムであることが好ましい。これによれば、熱可塑性の材料を用いることで、半径方向溝を有するウレタンゴム層を射出成形で容易に製造することが可能となる。

前記弾性部材は、前記ウレ夕ンゴム層の下に多孔質弹性材層を有することが好ましい。これによれば、弾性部材全体の圧縮変形可能な量を大きくして、様々な厚さの硬貨に柔軟に対応できるようにすることができる。

前記多孔質弹性材層はスポンジゴム製であることが好ましい。これによれば、多孔質弾性材の中でも特に高い反発性を有するスポンジゴムを用いることで、厚さの異なる硬貨同士が並んだ場合などにおいても、弾性部材による硬貨のより確実な保持を図ることができる。

前記ウレタンゴム層における半径方向溝の一部に、他の部分よりも深さの浅い目印部が設けられていることが好ましい。.これによれば、ウレタンゴム層が摩耗すると、はじめに目印部の溝がなくなることで、その摩耗の程度や交換時期を知る目安とすることができる。

前記弾性部材の底面側に、前記円盤本体に対して着脱可能な金属板が固着されていることが好ましい。これによれば、円盤本体に対して弾性部材を金属板を介' して着脱すことができるので、弹性部材の交換が容易となる。

また、本発明はもう 1つの局面において、略水平な通路面を有し、硬貨排除孔が設けられた通路部材と、この通路部材の前記通路面上に延設され、前記通路部材の上流側から下流側へ前記通路面に沿って硬貨を案内する案内部材と、前記通路部材の通路面との間で硬貨を挟持し、当該硬貨を前記通路部材の上流側から下流側へ前記案内部材に沿って搬送するように張設された搬送ベルトと、前記排除孔の下側に前記搬送ベルトと対向して設けられた支持口一ラ部材とを備え、前記排除孔は、前記通路部材に前記案内部材と隣接して形成され、前記通路部材の下流側へ向かって前記案内部材から離れるように傾斜して延びる案内側壁を有し、前記支持ローラ部材は、その上端部の高さが前記排除孔の案内側壁上端の高さと同等以上になる硬貨通過位置と、その上端部の高さが前記排除孔の案内側壁上端の高さより低くなる硬貨排除位置とを切換可能に構成されている、ことを特徴とする硬貨選別装置を提供するものである。

この選別装置によれば、

( i) 支持ローラ部材が「硬貨通過位置」にある場合、搬送ベルトによって硬貨案内路を案内部材に沿って搬送されてきた硬貨は、排除孔上において支持ローラ部材の上端部と搬送ベルトとの間で挟持され、排除孔上を落下することなく通過する。

( ii) 支持口一ラ部材が「硬貨排除位置」にある場合、搬送ベルトによって硬貨案内路を案内部材に沿って搬送されてきた硬貨は、先端部から排除孔内に落ち込んで支持口一ラ部材の上端部に乗り、外縁部が排除孔の案内縁部に当接する。そして当該硬貨は、案内縁部の案内によって、案内路の下流側へ向かうに従って案内部材から離れるように移動する。これにより当該硬貨は、支持ローラ部材上から斜め横方向に離脱し、排除孔から落下する形で排除される。

すなわち、搬送方向に移動する硬貨を、.そのまま真っ直ぐ支持口一ラ部材に沿つて落下させるのではなく、支持口一ラ部材上から斜め横方向に離脱させて落下させている。これにより、排除すべき硬貨を支持口一ラ部材上から早期に離脱させ、支持口一ラ部材を「硬貨通過位置」に戻すタイミングを早めることができる一方、「硬貨通過位置」にある支持ローラ部材上を通過しょうとする硬貨は、 ' その案内部; 側の部分が排除孔の案内縁部を通過して通路面上に乗ると、通路面と搬送ベルトとの間で挟持される。従って、この時点で支持ローラ部材を「硬貨排除位置」に切り換えたとしても、当該硬貨を排除孔から落下することなく通過させ、後続の硬貨のみを排除孔から落下させることができる。

以上のようにして、支持口一ラ部材を「硬貨通過位置」と「硬貨排除位置」との間で切り換えるタイミングを早くしても確実な硬貨の選別を行うことができる。このため、硬貨の選別処理を従来よりも高速化することができる。

また、搬送方向に移動する硬貨を、通過時にはそのまま真っ直ぐ通過させる一方、排除時には支持ローラ部材上から斜め横方向に離脱させて落下させるようにしたので、「硬貨通過位置 j において排除孔上を通過可能な硬貨の最小直径と、「硬貨排除位置」において排除孔から落下可能な硬貨の最大直径との差を従来よりも大きく取ることができる。このため、選別可能な硬貨の直径範囲を従来よりも拡大することができる。

前記支持ローラ部材は、前記通路面と略平行で硬貨の搬送方向に略直交する、回動可能な支持軸と、この支持軸に対して偏心して取り付けられた、大径部と小径部とを有する偏心部材と、この偏心部材の外周に回転自在に取り付けられた自由ローラとを有するように構成することができる。これによれば、支持口一ラ部材は、支持軸の回動によって、偏心部材の大径部が上方を向いたときに硬貨通過位置をとり、偏心部材の小径部が上方を向いたときに硬貨排除位置をとるように、自由ローラの高さを切り換えることができる。

上記選別装置は、前記案内路の前記排除孔ょりも上流側に対応して設けられ、硬貨の識別を行う識別手段と、この識別手段による識別結果に応じて、前記支持ローラ部材の硬貨通過位置と硬貨排除位置との切り換えを行うための制御手段とを更に備えるように構成することができる。これによれば、識別手段による識別結果に応じて、当該硬貨が排除孔上を通過するか排除孔から落下して排除されるかを切り換えて硬貨の選別を行うことができる。

上記選別装置は、前記支持ローラ部材との間で前記搬送ベルトを介して硬貨を挟持可能に設けられた押さえローラを更に備えることが好ましい。これによれば、押さえローラによって、支持ローラ部材と搬送ベルトとの間における硬貨の挟持 ' をより確実なものにすることができる。

また、本発明はもう 1つの局面において、新通貨単位の硬貨である新硬貨と、旧通貨単位の硬貨である旧硬貨とを混合状態で 1枚ずつ繰り出す硬貨繰出し手段と、この硬貨繰出し手段によって繰り出された硬貨の金種を識別する識別手段と、新硬貨および旧硬貨をそれそれ一時保留するための新硬貨保留部および旧硬貨保留部と、新硬貨および旧硬貨をそれそれ選別して前記新硬貨保留部および前記旧硬貨保留部に入れる選別手段と、前記新硬貨保留部および前記旧硬貨保留部からそれそれ新硬貨および旧硬貨を受け入れて収納する新硬貨収納部および旧硬貨収納部と、前記識別手段による識別結果に基づいて、新通貨単位の合計金額および

I日通貨単位の合計金額をそれそれ計数する計数手段と、この計数手段によって計数された旧通貨単位の合計金額を所定の換算レートに基づいて新通貨単位に換算した換算金額を算出すると共に、前記計数手段によって計数された新通貨単位の合計金額と前記換算金額とを合計した新通貨単位の総合計金額を算出する演算手段と、前記新通貨単位の合計金額、前記旧通貨単位の合計金額、前記換算金額および前記新通貨単位の総合計金額を表示する表示手段と、この表示手段による表示内容に対して入金承認指示を行う承認指示手段と、この承認手段による入金承認指示に応じて、各硬貨保留部に一時保留された新硬貨および旧硬貨をそれそれ対応する硬貨収納部に収納し、前記新通貨単位の総合計金額による入金処理を行う入金処理手段とを備えた、ことを特徴とする硬貨入金装置を提供するものである。

この入金装置によれば、新通貨単位と旧通貨単位の両通貨単位の硬貨を入金対象とし、新通貨単位の総合計金額による入金処理を行うことができる。また、表示手段により新通貨単位の合計金額、旧通貨単位の合計金額、換算金額および新通貨単位の総合計金額を表示することで、それそれの金額を予め的確に把握し確、¾した上で、入金承認指示により最終的な入金処理を行うことができる。

上記入金装置は、前記承認手段に代わって前記入金承認指示を行うと共に、印字指示を行う印字指示手段と、この印字指示手段による印字指示に応じて前記表示手段の表示内容の少なくとも一部を印字出力する印字手段とをさらに備えることが好ましい。これによれば、印字指示手段により入金承認指示および印字指示を行うこと、最終的な入金処理を行うと共に、その入金処理の内容を印字出力により記録することができる。

前記選別手段は、新硬貨を金種ごとに選別すると共に、旧硬貨を金種に拘らず選別するように構成され、前記新硬貨保留部および前記新硬貨収納部は、それそれ新硬貨を金種ごとに一時保留および収納するよう金種別に分割して設けられ、前記旧硬貨保留部および前記旧硬貨収納部は、それそれ旧硬貨を金種混合状態で一時保留および収納するように設けられていることが好ましい。これによれば、再利用される新硬貨は金種ごとに回収し、再利用されずに処分される旧硬貨は混合状態で回収することで、効率的な硬貨の回収を行うことができる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の第 1実施形態に係る硬貨選別装置の平面図、

図 2は、図 1に示す硬貨選別装置を用いた硬貨入金装置の外観を示す斜視図、図 3は、図 2に示す硬貨入金装置における処理部の内部構造を、当該装置の正面に平行な断面で示す図、

図 4は、図 2に示す硬貨入金装置において、収納ユニットを引き出した状態を部分的に拡大して示す図、

図 5は、図 1に示す硬貨選別装置の大別部を、その軸線を含む断面で示す図、図 6は、図 1に示す硬貨選別装置の大別部における固定円盤の裏面側を示す図、図 7は、図 1に示す硬貨選別装置における大別部内での硬貨の動きを示す図、図 8は、図 7に示す大別部の（硬貨通過時における） X— X線断面図、図 9は、図 7に示す大別部の Y— Y線断面図、

図 1 0は、図 1に示す主選別部の部分を一部省略して示す拡大図、

図 1 1 aは、図 1 0に示す硬貨選別装置における、硬貨通過時のリジヱクト選別部（旧硬貨選別部）を拡大して示す平面図、

図 1 1 bは、図 1 1 aに対応した縦断面図、

図 1 2 aは、図 1 0に示す硬貨選別装置における、硬貨排除時のリジェクト選別部（旧硬貨選別部）を拡大して示す平面図、図 1 2 bは、図 1 2 aに対応した縦断面図、

図 1 3は、—上記第 1実施形態の変形例（その 1 ) を示す、図 5と同様の図、図 1 4は、図 1 3に示す硬貨選別装置における図 6と同様の図、

図 1 5は、図 1 3に示す硬貨選別装置における図 7と同様の図、

図 1 6は、図 1 3に示す硬貨選別装置における図 8と同様の図、

図 1 7は、重なり硬貨通過時における図 1 6と同様の図、

図 1 8は、図 1 3に示す硬貨選別装置における図 9と同様の図、

図 1 9は、上記第 1実施形態の変形例（その 2 ) を示す、図 7と同様の図、図 2 0は、上記第 1実施形態の変形例（その 3 ) を示す、図 7の一部と同様の図、

図 2 1は、図 2 0の Q— Q線断面図、

図 2 2は、図 2 0の R— R線断面図、

図 2 3は、上記第 1実施形態の変形例（その 4 ) を示す、図 6と同様の図、図 2 4は、図 2 3に示す硬貨選別装置における図 1 8と同様の図、

図 2 5は、上記第 1実施形態の変形例（その 5 ) を示す、図 1 8と同様の図、図 2 6は、上記第 1実施形態の変形例（その 6 ) を示す、図 1 4と同様の図、図 2 7は、図 2 6に示す硬貨選別装置における図 1 5と同様の図、

図 2 8は、図 2 6に示す硬貨選別装置における図 1 3と同様の図、

図 2 9は、図 2 6に示す硬貨選別装置における、図 1 6と同様の図（図 2 7の

X， - X⁵ 線断面図）、

図 3 0は、図 2 6に示す硬貨選別装置における、図 1 7と同様の図（図 2 7の

X， - X ⁵ 線断面図）、

図 3 1は、図 2 6に示す硬貨選別装置における、図 1 8と同様の図（図 2 7の

Y ⁵ — Y，線断面図）、

図 3 2は、図 2 7の Ζ— Ζ線断面図、

図 3 3は、図 3 2の一部を拡大して示す図、

図 3 4は、特定の異物と段差部との関係を示す図 3 3と同様の図、

図 3 5は、特定の異物が段差部を通過する状態を示す図 3 4と同様の図、図 3 6は、上記第 1実施形態の変形例（その 7 ) を示す、図 6と同様の図、図 3 7は、本発明の第 2実施形態に係る硬貨選別装置における、回転円盤の分解斜視図、

図 3 8は、図 3 7に示す硬貨選別装置における回転円盤を各半径方向溝と直交する断面で部分的に示す図、

図 3 9 aは、図 3 7に示す回転円盤のウレタンゴム層を、目印部の設けられた半径方向溝の縦断面において拡大して示す図、

図 3 9 bは、図 3 9 aの B— B線断面（半径方向溝と直交する断面）に対応したウレタンゴム層の断面図、

図 4 0は、図 3 7に示す回転円盤の弾性部材と固定円盤との間に硬貨が挟まれた状態を、各半径方向溝と直交する断面で示す図、

図 4 1は、本発明の第 3実施形態に係る硬貨入金装置の外観を示す斜視図、図 4 2は、図 4 1に示す硬貨入金装置における制御部関係の構成を示すプロック図、

図 4 3は、図 4 1に示す硬貨入金装置における表示 ·操作画面の表示内容を示す図.、

図 4 4は、図 4 1に示す硬貨入金装置の印字部から出力されるレシートの印字内容を示す図、

図 4 5は、従来の硬貨選別装置における固定円盤の裏面側を示す図、図 4 6は、従来の硬貨選別装置を一部省略して示す平面図、

図 4 7は、図 4 6に示す硬貨選別装置の要部縦断面図であって、（a ) は硬貨通過時、（b ) は硬貨排除時、（c ) は（b ) の状態から（a ) の状態への復帰時を、それそれ示す図である。発明を実施するための最良の形態

次に、図面を参照して本発明の第 1ないし第 3の実施形態について説明する。

第 1実施形態

まず、図 1ないし図 1 2 bを参照し、本発明の第 1実施形態について、全体構成、各部の具体的構成、動作 ·作用、効果、および変形例の順に説明する。

[全体構成] 本実施形態の硬貨入金装置は、多数の金種を含む複数の硬貨を金種毎に選別す ' るための、図 1に示すような硬貨選別装置 Sを備えている。この硬貨選別装置 S は、複数の硬貨を予め 3つのグループに大別するための大別部（大別手段） Aと、この大別部 Aによって大別されたグループのうち 2つのグループの硬貨を、それそれ金種毎に選別するための 2つの主選別部（主選別手段） B l， B 2とを有している。

なお、本実施形態の硬貨入金装置は、 8つの金種を含むユーロ硬貨と、これらのユーロ硬貨への切り替え対象となる旧硬貨等の「他金種硬貨」とが混在したものを処理対象としている。具体的には、ユーロ硬貨は（直径を基準とし）以下の 2つのグループに大別可能な 8つの金種を含んでいる（以下、「セントユーロ j を単に「セント」と略す）。

( 1 ) 中径硬貨グループ

(直径の小さい順に） 2 0セント、 1ユーロ、 5 0セントおよび 2ユーロの 4金種

( 2 ) 小径硬貨グループ

(直径の小さい順に） 1セント、 2セント、 1 0セントおよび 5セントの 4金種また、旧硬貨等の他金種硬貨には、（2ュ一口硬貨よりも直径の大きい硬貨として）他のグループから大別される「大径硬貨グループ」に属する直径の硬貨 (大径硬貨）の他、中径硬貨グループや小径硬貨グループに属する直径の硬貨 (中径硬貨および小径硬貨）も含まれる。

ここで、上記硬貨選別装置 Sは、図 2に示す硬貨入金装置の硬貨処理部 1 1 0 内に設けられている（図 3参照）。この硬貨処理部 1 1 0の後方には、硬貨処理部 1 1 0よりも上方へ突出した情報処理部 1◦ 0が設けられている。この情報処理部 1 0 0の前面には、必要な情報等を表示する表示部 1 0 0 dと、複数の操作ボタン等で構成された操作部 1 0 0 eが配設されている。また、硬貨処理部 1 1 0の上面には、入金硬貨を受け入れるためのホッパ 1 1 2が設けられている。このホヅパ 1 1 2の底部前側には、ホッパ 1 1 2から硬貨処理部 1 1 0内へ硬貨を流入させるための流入口 1 1 2 aが形成されている。

また、硬貨処理部 1 1 0には、それそれ前方に引き出し可能なリジヱクト箱 1 1 4 s 返却箱 1 1 6および収納ュニット 1 2 0が設けられている。このうち収納ユニット 1 2 0は、図 3および図 4に示すように、複数の硬貨収納カセット 1 2 4 a〜 1 2 4 jと、これらの収納カセット 1 2 4 a〜 1 2 4 jをそれそれ着脱自在に保持する台車状の引出部 1 2 2とを有している。後者の引出部 1 2 2には、前面壁部 1 2 2 aと、 4つのキャス夕一 1 2 2 bとが設けられている。なお、図 3および図 4から分かるように、収納ュニット 1 2 0と上記返却箱 1 1 6とは、相互に独立して、別個に引き出し可能に設けられている。

ここで、図 1および図 3に示すように、大別部 Aは、固定円盤（固定部材） 1 と、この固定円盤 1の底面に重ね合わされた状態で回転する回転円盤 2とを備えている。その固定円盤 1は中心部に、上記硬貨流入口 1 1 2 aに対応した硬貨投入口 l aを有している。そして、この大別部 Aは、固定円盤 1の硬貨投入口 1 a から投入された硬貨が、回耘円盤 2の回転に伴って、固定円盤 1の底面に対して摺動するように構成されている。また、固定円盤 1は、その底面に対して摺動する硬貨を、（後述するように）グループ毎に選択的に案内す.るための案内構造を構成する硬貨通路を有している。

次に、各主選別部 B l， B 2は、図 1に示すように、選別すべき硬貨 Cを 1枚ずつ略水平に案内するための案内路 3— 1， 3— 2を備えている。そして、各案内路 3 — 1， 3 — 2上に、当該案内路に沿って硬貨 Cを搬送するための搬送手段 4が設けられている。また、各案内路 3— 1 , 3— 2に沿って、選別すべき金種毎の選別孔（選別部） 5 a〜5 d， 5 e〜5 hが、間隔を置いて順次（4つずつ）設けられている。

また、各主選別部 B l， B 2における案内路 3—1， 3— 2の上流側に、それそれ硬貨繰出し部（硬貨繰出し手段） 9— 1， 9— 2が設けられている。これらの硬貨繰出し部 9— 1 , 9— 2は、大別部 Aによって大別された各グループの硬貨を、対応する案内路 3— 1， 3— 2へ繰り出すためのものである。そして、各硬貨繰出し部 9— 1 , 9— 2は、硬貨大別部 Aからグループ毎に放出される硬貨を受ける回転式の繰出し円盤 9 0を有している。各案内路 3— 1 , 3— 2の入口に対応した繰出し円盤 9 0の外周上には、重なり合った硬貨を分離して 1枚ずつ繰り出して行くための厚み規制板 9 4が設けられている。なお、各繰出し円盤 9 0の他の外周部分は周壁 92によって囲まれている。

次に、各主選別部 B l， B 2における案内路 3— 1, 3— 2の上流側に、硬貨繰出し部 9— 1， 9一 2によって繰り出された各グループの硬貨の金種を識別する識別部（識別手段） Dがそれそれ設けられている。各識別部 Dとしては、例えば硬貨の材質を磁気的に検知したり、イメージ（レリーフ形状等）を光学的に検知したりして識別を行うように構成された公知のものを用いることができる。また、各主選別部 B l， B 2の案内路 3—1, 3— 2において、識別部 Dと選別孔 5 a〜5 d, 5 e〜5hとの間に、リジェクト選別部（リジェクト選別手段） 6 aと、旧硬貨選別部（他金種選別手段） 6 bとが順次設けられている。前者のリジェクト選別部 6 aは、識別部 Dによる識別が不能な（外国硬貨や偽硬貨などの）リジェクト硬貨を、選別孔 5 a〜5d， 5 e〜 5 hの手前で予め選別するためのものである。

また、後者の旧硬貨選別部 6 bは、識別部 Dによる識別結果が選別孔 5 a〜 5 d, 5 e~5hによる選別の対象外である旧硬貨（他金種硬貨）を、選別孔 5 a 〜5d， 5 e〜5 hの手前で予め選別するためのものである。なお、本実施形態の硬貨入金装置においては、識別手段 Dが旧硬貨の金種も識別可能であり、主選別部 B l， B 2で選別されるユーロ硬貨に加えて、旧硬貨選別部 6 bで選別される旧硬貨も入金処理の対象としている。すなわち、この硬貨入金装置は、識別部 Dで識別された硬貨（ユーロ硬貨および旧硬貨）の金額を算出して入金処理を行う入金処理手段（図 10に示す制御ユニット U) を備えている。

次に、上記の選別孔 5 a〜5d, 5 e〜 5 hおよび旧硬貨選別部 6 bにそれそれ対応して、図 3に示すような下方へ延びるシュ一ト 140が設けられている。また、各シュート 140の下端部に対応して、硬貨を一時保留するための一時保留箱 130がそれそれ設置されている。これらの一時保留箱 130の下方には、返却箱 116に連絡した返却通路 15◦と、各硬貨収納カセッ卜 124 a〜 12 4d， 124 i ; 124e〜124h， 124 jに連絡した収納通路 152 ； 1 52とが設けられている。

各一時保留箱 130は、筒状の本体 132と、この本体の底部を塞く、底板 13 4とを有している。そして、各一時保留箱 130は、その幅を 1ピッチとして、本体 1 3 2と底板 1 3 4とが互いに幅方向の反対側に半ピッチずつ移動可能に構成されている。このことにより、各一時保留箱 1 3 0は、その本体 1 3 2が連絡通路 1 5 0， 1 5 2の上方まで移動した時に、それそれ底部が全開するようになつている。このような各一時保留部 1 3 0の移動を行わせるための駆動回路（図示せず）が設けられている。

[各部の具体的構成]

次に、上記の（ 1 ) 大別部 A、（2 ) 主選別部 B l， B 2、 ( 3 ) リジェクト選別部 6 aおよび旧硬貨選別部 6 bの具体的構成について順次説明する。

( 1 ) 大別部

まず、大別部 Aの具体的構成について図 1および図 5ないし図 9を参照して説明する。図 1に示すように、大別部 Aを構成する固定円盤 1と回転円盤 2とは、互いにヒンジ部 a 1によって開閉自在に連結されている。また、ヒンジ部 a 1の反対側には、固定円盤 1と回転円盤 2とが重なり合って閉じた状態に固定するための口ヅク部 a 2が設けられている。

次に、図 5に示すように、回転円盤 2は、軸 2 0を介して回転自在に支持された円盤本体 2 2と、この円盤本体 2 2の上面側における外周部分に取り付けられた環状の弾性部材 2 aとを有している。弾性部材 2 aは、ゴム等の弾性材料からなり、固定円盤 1との間で硬貨を保持して、回転円盤 2の回転に伴って移動させると共に、固定円盤 1との隙間の変化や金種による硬貨の厚さの違いを吸収できるようになっている。また、回転円盤 2の中心部分上には、この部分に投入硬貨が停滞しないようにするための円錐形部材 2 4が設けられている。

図 1に示すように、回転円盤 2を回転駆動するためのモー夕 2 5が設けられている。具体的には、モー夕 2 5の回転軸に取り付けられたプーリ 2 6と、回転円盤 2の円盤本体 2 2外周（図 5参照）との間に、駆動ベルト 2 8が掛け渡されている。

次に、図 6ないし図 9により、固定円盤 1の底面 1 bに窪み状に形成された上記硬貨通路 1 0について詳細に説明する。この硬貨通路 1 0は、硬貨投入口 l a 側から外周側へ（図 6では反時計回り方向に）蛇行しつつ略渦巻き状に延びている。また、硬貨通路 1 0は、硬貨投入口 1 a側から順に大径硬貨通路 1 0 a、中径硬貨通路 1 0 bおよび小径硬貨通路 1 0 cに分けられる。図 6および図 7に示 ' すように、大径硬貨通路 1 0 aは大径硬貨 C 1が通過可能な通路幅を有し、中径硬貨通路 1 0 bは中径硬貨 C 2および小径硬貨 C 3のみが通過可能な通路幅 L 1 を有し、小径硬貨通路 1 0 cは小径硬貨 C 3のみが通過可能な通路幅 L 2を有している。

図 6に示すように、大径硬貨通路 1 0 aは、硬貨投入口 1 aに面した硬貨導入部 1 1と、その下流側に間隔を置いて形成された 2つの段差部 1 2 a , 1 2 bとを有している。このうち、硬貨導入部 1 1は、回転円盤 2の弾性部材 2 aとの間の隙間が、最も厚い硬貨の厚さよりも広くなるように形成されている。このことにより、硬貨投入口 1 aから入った全ての硬貨が、回転円盤 2の回転による遠心力で、硬貨導入部 1 1へ入り込めるようになつている。

また、段差部 1 2 a , 1 2 bは、大径硬貨通路 1 0 aにおける回転円盤 2の弾性部材 2 aとの間の隙間を下流側に向かって断続的に狭くすることで、硬貨同士の重なりを解消して、硬貨通路 1 0内での硬貨の一層一列の状態での移送を確保するためのものである。そのような硬貨 Cの状態が図 8 (図 7の（硬貨通過時における） X— X線断面図）に示されている。そして、大径硬貨通路 1 0 aは、下流に行くに従って外周側に向かうことで、そこを通る全ての硬貨の外縁が通路内周縁 1 0 iに当接するようになつている（図 7参照）。

次に、図 6および図 7に示すように、中径硬貨通路 1 O bの外周側には、大径硬貨 C 1のみを選択的に案内して略接線方向に放出するための大径硬貨案内部 1 5 aが設けられている。この、大径硬貨案内部 1 5 aは、ステップ部 1 6 aと放出通路 1 7 aとを有している。このうち、ステップ部 1 6 aは、大径硬貨通路 1 0 aと中径硬貨通路 1 0 bとの間の境界部分に位置しており、中径硬貨通路 1 0 bの通路幅 L 1より直径の大きい大径硬貨 C 1のみが、その外周側を乗り上げるようになつている（図 7および図 9 (図 7の Y— Y線断面図）参照）。なお、ステツプ部 1 6 aの上流側には、硬貨の乗り上げを補助するための斜面部 1 6 a ⁵ が設けられている。

また、放出通路 1 7 aは、ステップ部 1 6 aに乗り上げた硬貨を略接線方向に案内する案内縁部 1 8 aと、この案内された硬貨を固定円盤 1の外方へ放出する放出口 1 9 aとを有している。なお、放出口 1 9 aの直前に、大径硬貨 C 1の通過枚数を計数するための計数センサ 1 9 s (図 6 ) が設けられている。この場合、全ての硬貨の外縁が通路内周縁 1 0 iに当接するようになされているので、通路幅 L 1より小さい直径の中径硬貨 C 2および小径硬貨 C 3は、ステップ部 1 6 a に乗り上げることなく中径硬貨通路 1 0 bへ通過して行くことになる。

次に、小径硬貨通路 1 0 bにおける上流部分の外周側には、中径硬貨 C 2のみを選択的に案内して略接線方向に放出するための中径硬貨案内部 1 5 bが設けられている。この、中径硬貨案内部 1 5 bも、大径硬貨案内部 1 5 aと同様、ステップ部 1 6 bと放出通路 1 7 bとを有している。

ステップ部 1 6 bは、中径硬貨通路 1 0 bと小径硬貨通路 1 0 cとの間の境界部分に位置しており、小径硬貨通路 1 0 cの通路幅 L 2より直径の大きい中径硬貨 C 2のみが、その外周側を乗り上げるようになつている。このステップ部 1 6 bの上流側にも、硬貨の乗り上げを補助するための斜面部 1 6 b ' が設けられている。また、放出通路 1 7 bは、大径硬貨案内部 1 5 aの放出通路 1 7 aと同様、案内縁部 1 8 bと放出口 1 9 bとを有している。

ここで、中径硬貨通路 1 0 bも又、下流に行くに従って（一旦内周側に向かつた後で）外周側に向かうことで、そこを通る全ての硬貨の外縁が通路内周縁 1 0 iに当接するようになつている（図 7参照）。これにより、通路幅 L 2より小さい直径の小径硬貨 C 3は、ステップ部 1 6 bに乗り上げることなく小径硬貨通路 1 0 cへ通過して行くことになる。

そして、小径硬貨通路 1 0 cは、下流に行くに従って（一旦内周側に向かった後で）外周側に向かい、小径硬貨 C 3のみを選択的に案内して略接線方向に放出する小径硬貨案内部 1 5 cとして（その放出口 1 9 cにて）終端している。

なお、図 1に示すように、大別部 Aの各放出口 1 9 a , 1 9 bおよび 1 9 cに対応して、それそれ大径硬貨落下孔 8 a、中径硬貨シュート 8 bおよび小径硬貨シュート 8 cが設けられている。このうち、大径硬貨落下孔 8 aは、硬貨収納力セット 1 2 4 iまたは 1 2 4 j (図 3および図 4 ) に対応した専用の一時保留箱 1 3 0 (図 3 ) に連通している。また、中径および小径硬貨シュート 8 b， 8 c は、放出口 1 9 a， 1 9 bから放出された中径硬貨および小径硬貨を、それぞれ対応する硬貨繰出し部 9— 1, 9一 2へ送り込むためのものである。

(2) 主選別部

次に、主選別部 B l, B 2の具体的構成について.図 1および図 10を参照して説明する。なお、リジェクト選別部 6 aおよび旧硬貨選別部 6 bも主選別部 B 1， B 2の案内路 3— 1, 3— 2に対応して設けられているが、これらの具体的構成については便宜上、次の（3) の項目で説明する。

各主選別部 B l, B2は、上述したように、それそれ案内路 3—1， 3— 2、搬送手段 4および選別孔 5 a〜5 d， 5 e〜5hを有している。このうち選別孔 5a~5d， 5 e〜5 hの寸法以外の構成は両主選別部 B 1 , B 2に共通であるから、基本的に、図 1の右側に位置する中径硬貨用の主選別部： B 1に関してのみ説明する。

まず、案内路 3— 1は、硬貨選別装置 S全体を支持する支持板 S 1 (図 3参照）上に設けられている。すなわち、案内路 3—1は、支持板 S 1上に設けられた主案内部材 32および補助案内部材 34と、これらの案内部材 32, 34同士の間で区画された支持板（通路部材） S 1の表面である通路面 30とで構成されている。なお、案内路 3—1は、略直線状に延びているが、識別部] Dとリジェクト選別部 6aとの間には、補助案内部材 34側へ僅かに屈曲した屈曲部 36 (案内路 3— 2側を参照）が形成されている。これにより、案内路 3—1上を搬送される硬貨 Cは、その外縁が主案内部材 32側に当接した状態で、当該案内部材 3 2に沿って移動するようになされている。

次に、搬送手段 4は、案内路 3—1上において、その終端側（図 1の上方）、屈曲部 36および入口側（図 1の下方）にそれそれ対応して設けられたプーリ 4 0, 1および 42を有している。これらのプーリ 40， 41および 41, 42 間には、それそれ搬送ベルト 43および 44が掛け渡されている。そのうち 1つのプーリ 40を回転駆動するモータ 46が設けられている。この場合、各搬送べルト 43， 44は、硬貨 Cが当接する主案内部材 32の側にオフセットして配置されている。そして、硬貨の上面を押圧する搬送ベルト 43 , 44の動きによつて、通路面 30上を摺動するようにして硬貨の搬送が行われるようになつている (図 11 b参照）。次に、各選別孔 5 a〜5 dは、それそれ選別すべき硬貨の直径によって異なる寸法を有した略矩形状をなして支持板 S 1に形成されている。この場合、各選別孔 5 a~ 5 dの一側縁は主案内部材 32から僅かに離れている。また、これに対向した（補助案内部材 34側の）他側縁は、選別すべき硬貨の直径よりも僅かに大きく、当該硬貨より大径の硬貨の直径よりは小さい距離だけ、主案内部材 32 から離れている。

すなわち、各選別孔 5 a〜5 dは、それぞれ選別すべき硬貨のみを落下させ、それより大径の硬貨は通過させるように構成されている。この目的のため、選別孔 5 a〜5 dは、案内路 3— 1の上流側から順に、選別すべき硬貨の直径が小さい順に並べられている。具体的には、各選別孔 5 a， 5b, 5 cおよび 5 dは、順次 20セント、 1ユーロ、 50セントおよび 2ユーロのみを選別する（落下させる）ように構成されている。

なお、小径硬貨用の主選別部 B 2における各選別孔 5 e， 5 f , 5 gおよび 5 hは、順次 1セント、 2セント、 10セントおよび 5セントのみを選別する（落下させる）ように構成されている。また、各選別孔 5 a〜5 d， 5 e~5 hの直前に、それそれ硬貨の通過を確認するためのセンサ Tが設けられている。

(3) リジェクト選別部および旧硬貨選別部

次に、リジェクト選別部 6 aおよび旧硬貨選別部 6 bの具体的構成について図 10ないし図 12 bを参照して説明する。なお、図 10には、図 1の右側に位置する主選別部 B 1のみが示されているが、もう 1つの主選別部 B 2における各選別部 6 a, 6 bの構成も基本的に同一である。また、図 10にはリジェクト選別部 6 aの方だけ示すが、リジ工クト選別部 6 aと旧硬貨選別部 6 bの機械的構成も同一であるので、図 1 1 aないし図 12 bでは両者の符号 6 a, 6bを併記して、以下「選別部 6 a, 6b」として説明する。

図 1 1 aないし図 12 bにおいて、選別部 6 a, 6 bは、支持板（通路部材） S 1に形成された排除孔 60と、支持口一ラ部材 62および押さえローラ 66とを有している。このうち排除孔 60は、支持板 S 1上において、主案内部材 32 に隣接した部分から、補助案内部材 34を寸断して、その外方まで延びている。また、支持口一ラ部材 62および押さえローラ 66は、排除孔 60に対応して、 Z6 支持板 S 1の裏側および上側にそれそれ設けられている。

排除孔 6 0は、図 1 1 aに示すように、案内縁部（案内側壁） 6 0 a、下流側縁部 6 0 b、外側縁部 6 0 c、対向縁部 6 0 d、上流側縁部 6 0 eおよび内側縁部 6 0 f を有した 6角形をなしている。これらの縁部 6 0 a〜6 0 fのうち、案内縁部 6 0 aと対向縁部 6 0 d、下流側縁部 6 0 bと上流側縁部 6 0 e、外側縁部 6 0 cと内側縁部 6 0では、それそれ平行に配置されている。また、内側縁部 6 0 fは主案内部材 3 2の内側に対応している。

案内縁部 6 0 aは、通路面 3 0上において、案内路 3— 1の下流側へ向かって主案内部材 3 2から離れるように（約 3 0度）傾斜して、主案内部材 3 2側から案内路幅方向の中央まで直線状に延びている。この案内縁部 6 0 aにおける主案内部材 3 2側の端部は、支持ローラ部材 6 2の軸線上に略対応した位置を有している。

また、排除孔 6 0の上流側縁部 6 0 e直前には、硬貨 Cの到達検知と通過確認とを行うための硬貨センサが設けられている。このセンサ T ' からの信号は、図 1 0に示す制御ュニヅト Uに入力されるようになっている。

次に、図 1 l bに示すように、支持ローラ部材 6 2は、支持軸 6 3、偏心軸受 (偏心部材） 6 4および自由ローラ 6 5を有している。この支持ローラ部材 6 2 は、その上端部の高さが排除孔 6 0の案内縁部 6 0 a上端（通路面 3 0 ) の高さと同等以上になる「硬貨通過位置」と、その上端部の高さが铼除孔 6 0の案内縁部 6 0 a上端の高さより低くなる「硬貨排除位置」とを切換可能に構成されている。

具体的には、支持軸 6 3に対して固定された偏心軸受 6 4が、ステッピングモ —タ 6 8 (図 1 0 ) によって回動されるようになっている。そして、偏心軸受 6 4の回動により、その大径部 6 4 aが上方を向いたときに支持口一ラ部材 6 2が「硬貨通過位置」（図 l i b ) となり、小径部 6 4 bが上方を向いたときに支持口一ラ部材 6 2が「硬貨排除位置」（図 1 2 b ) となるように構成されている。なお、識別部 Dによる識別結果の信号が制御ユニット（制御手段） Uに入力され、この制御ュニット Uからの駆動信号によって、ステッピングモー夕 6 8が制御されるようになっている（図 1 0 ) 。次に、自由ローラ 6 5は、偏心軸受 6 4の外周に自由回転可^に取り付けられている。また、押さえローラ 6 6は、「硬貨通過位置」（図 1 l b ) において、支持ローラ部材 6 2との間で（搬送ベルト 4 3を介して）硬貨 Cを挟持したまま自由回転可能に構成されている。

なお、支持ローラ部材 6 2は、図 1 l bに示す「硬貨通過位置」において、その上端部（自由ローラ 6 5の外周面上端）の高さが排除孔 6 0の案内縁部 6 0 a 上端（通路面 3 0 ) の高さより僅かに高くなつていることが好ましい。

また、支持ローラ部材 6 2は、図 1 2 bに示す「硬貨排除位置」において、その上端部に乗った硬貨 Cの外縁部が、排除孔 6 0の案内縁部 6 0 aに当接可能となることが必要とされる。その場合、支持口一ラ部材 6 2上端部の高さは（対象硬貨の厚さ等にもよるが）理論上は、上述したように案内縁部 6 0 a上端の高さより低いことが最低条件となる。但し、排除孔 6 0の案内縁部 6 0 aに対して硬貨 Cの外縁部を確実に当接させる観点からは、図 1 2 bに示すように、支持口一ラ部材 6 2上端部の高さが案内縁部 6 0 a下端より僅かに低くなつている程度が好ましい。

なお、上記識別部 Dによる識別結果が排除すべき硬貨（例えば、識別不能なリジェクト硬貨や旧硬貨等の特定種類の硬貨）に対応していた場合は、次のようにして当該硬貨の排除が行われる。まず、識別部 Dから制御ユニット Uに識別結果の信号が入力される。そして、硬貨センサ T ' が当該硬貨 Cの到達を検知すると、その検知信号が制御ユニット Uに入力される。すると、制御ユニット Uは、ステッビングモー夕 6 8に駆動信号を送って、支持ローラ部材 6 2の「硬貨排除位置」（図 1 2 b ) への切り替えを行う。そして、当該硬貨 Cが支持口一ラ部材 6 2上から離脱するのに要する所定時間の経過後に、制御ユニット Uは、ステヅピングモータ 6 8に駆動信号を送って、支持ローラ部材 6 2の「硬貨通過位置」 (図 1 1 b ) への切り替えを行う。

[動作，作用]

次に、以上のような構成よりなる本実施形態の動作ないし作用について、 ( 1 ) 大別部 Aにおける処理と（2 ) 主選別部 B l , B 2等における処理とに分けて説明する。なお、以下の処理の対象となる硬貨は、上述したように、 8つの金種を含むユーロ硬貨、旧硬貨、およびリジェクト硬貨が混在したものとする。また、上記の構成から明らかな作用ないし動作等については、その記述を一部省略する。

( 1) 大別部における処理

図 2および図 3に示すホッパ 1 12に上記処理対象の硬貨が投入されると、それらは流入口 1 12 aを通じて、大別部 Aの硬貨投入口 1 aに流入して行く。図 7において、硬貨投入口 1 aに入った硬貨は、回転円盤 2の回転に伴って、硬貨導入部 1 1に進入し、硬貨通路 10内を移送されて行く。

そして、大径硬貨通路 10 aを通って大径硬貨案内部 15 aのステップ部 16 aに到達した硬貨のうち、当該ステップ部 16 aに乗り上げた大径硬貨（旧硬貨） C 1のみが、放出通路 17 aを通って（計数センサ 19 sによって計数され）放出口 19 aから放出される。その他の中，小径硬貨 C 2, C3は、そのまま中径硬貨通路 1 Obへ通過して行く。

次に、中径硬貨通路 1 Obを通って中径硬貨案内部 15 bのステップ部 16 b に到達した中，小径硬貨 C2, C 3のうち、当該ステップ部 16 bに乗り上げた中径硬貨 C2のみが、放出通路 17 bを通って放出口 19 bから放出される。その他の小径硬貨 C 3は、そのまま小径硬貨通路 10 cへ通過して行き、小径硬貨案内部 15 cの放出口 19 cから放出される。

そして、大別部 Aの放出口 19 aから放出された大径硬貨 C 1は、大径硬貨落下孔 8 a (図 1) を通じて、対応する一時保留部 130内に落下して一時保留される。なお、大径硬貨 C 1に属する旧硬貨が 1金種のみである場合、その枚数を計数センサ 19 s (図 6) で計数することで、当該旧硬貨も入金処理の対象とすることができる。一方、大別部 Aの放出口 19 b， 19 cから放出された中，小径硬貨 C2， C 3は、それそれシュート 8b, 8 cを通じて対応する硬貨繰出し部 9— 1, 9— 2へ送り込まれる（図 1および図 3参照）。

(2) 主選別部等における処理

図 1において、各硬貨繰出し部 9— 1, 9一 2へ送り込まれた中，小径硬貨は、それそれ、繰出し円盤 90の回転に伴って、厚み規制板 94を通過して 1枚ずつ各案内路 3— 1, 3— 2へ繰り出される。各案内路 3— 1, 3— 2へ繰り出された硬貨は、搬送手段 4によつて案内路下流側へ搬送されて行く。

各案内路 3— 1， 3— 2に沿って搬送される中，小径硬貨は、まず識別部 Dによって識別を受ける。そして、識別部 Dによる識別が不能なリジェクト硬貨は、リジェクト選別部 6 aによって、選別孔 5 a〜5 d， 5 e ~ 5 hの手前で予め選別される。また、識別部 Dによる識別結果が選別孔 5 a〜 5 d， 5 e〜5 hによる選別の対象外であった旧硬貨は、旧硬貨選別部 6 bによって、選別孔 5 a〜5 d, 5 e〜5 hの手前で予め選別される。

一方、リジェクト選別部 6 aおよび旧硬貨選別部 6 bを通過した中，小径硬貨は、各主選別部 B 1 , B 2において、金種毎に対応する選別孔 5 a〜5 d, 5 e 〜 5 hから落下することで選別されて行く。そして、各選別孔 5 a〜5 d, 5 e 〜5 hおよび旧硬貨選別部 6 bから落下した硬貨は、それそれ対応する一時保留箱 130内に一時保留される。なお、リジェクト選別部 6 aで選別されたリジェクト硬貨は、最終的にリジェクト箱 1 14 (図 2) 内に落下する。

上記のような各選別部 6 a, 6 bによる硬貨 Cの選別処理は、支持口一ラ部材 62の切り換えによって次のように行われる。

(i) 支持ローラ部材 62が「硬貨通過位置」にある場合（図 1 l aおよび図 l i b) , 搬送ベルト 43によって案内路 3— 1, 3— 2を主案内部材 32に沿つて搬送されてきた硬貨 Cは、排除孔 60上において支持ローラ部材 62の上端部と押さえローラ 66との間で搬送ペルト 43を介して挟持され、排除孔 60上を落下することなく通過する。

(ii) 支持ローラ部材 62が「硬貨排除位置」にある場合（図 12 aおよび図 12 b) , 搬送ベルト 43によって案内路 3— 1， 3— 2を主案内部材 32に沿つて搬送されてきた硬貨 Cは、先端部から排除孔 60内に落ち込んで支持ローラ部材 62の上端部に乗り、外縁部が排除孔 60の案内縁部 60 aに当接する。そして当該硬貨 Cは、案内縁部 60 aの案内によって、案内路 3— 1の下流側へ向かうに従って主案内部材 32から離れるように移動する。これにより当該硬貨 C は、支持口一ラ部材 62上から斜め横方向に離脱し、排除孔 60から落下する形で排除される。

各一時保留箱 130内に一時保留されたユーロ硬貨（大、中および小径硬貨）および旧硬貨は、上記入金処理手段によって金種毎に金額が算出され、合計金額も算出されている。そして、情報処理部 1 0 0 (図 2 ) において、表示部 1 0 0 dで金額が確認され、操作部 1 0 0 eで入金操作が行われると、各一時保留箱 1 3 0内の硬貨が、対応する硬貨収納カセット 1 2 4 a ~ l 2 4 j (図 3および図 4 ) 内に収納される。また、一時保留箱 1 3 0内に一時保留された硬貨のうち、 (確認された金額の不一致等により）返却の必要が生じた硬貨は、操作部 1 0 0 eでの返却操作により一時保留箱 1 3 0から返却箱 1 1 6 (図 3および図 4 ) 内に移される。

[効果]

以上説明したように本実施形態によれば、大別部 Aによって予め大別された 2 つのグループの硬貨（中，小径硬貨）を更に主選別部 B l , B 2によって金種毎に選別することで、一度に選別すべき金種の数を減らすことができる。また、大別部 Aによって大別された各グループの硬貨（中，小径硬貨）をそれそれ予め識別部!で識別し、その結果に応じてリジヱクト選別部 6 aや旧硬貨選別部 6 bで選別することで、各主選別部 B l， B 2で選別すべき金種をより絞り込むことが可能となる。具体的には、旧硬貨等を予め主選別部 B 1， B 2による選別の対象から除外することができる。

このため、多くの金種を含んだ硬貨の確実な選別を可能とすることができる。また、主選別部 B l , B 2における選別方式の自由度を大幅に高めることができる。すなわち、単一の選別手段では選別が困難な、旧硬貨等の混在した多金種のユーロ硬貨を選別する場合であっても、一般的な選別手段である上記のような主選別部 B 1 , B 2を用いて確実かつ円滑に選別を行うことが可能となる。

具体的には、ユーロ硬貨の 8金種中には、厚さが 2倍以上異なる硬貨が含まれているため、単一の主選別部で一括して選別しょうとすれば、上記のような繰出し部の厚み規制板 9 4 (図 1 0 ) で重なり合った硬貨を分離しながら 1枚ずつ繰り出して行くことが困難となる。その場合、最も厚い硬貨 1枚を通す高さに置かれた厚み規制板 9 4は、最も薄い硬貨を 2枚重なったまま通してしまうからである。

ところが、本実施形態においては、大別部 Aによって大別された各グループ中には、厚さが 2倍以上異なる硬貨が含まれないこととなる。このため、各繰出し ' 部 9— 1 , 9— 2の厚み規制板 9 4で重なり合った硬貨を分離しながら 1枚ずつ繰り出して、対応する主選別部 B l , B 2で確実に選別することができる。

また、各主選別部 B l， B 2によって選別すべき金種の数を少なくすることで、各主選別部 B l， B 2における選別孔 5 a〜5 d , 5 e〜5 hの数を（この場合は 8→4に）減らして案内路 3— 1， 3— 2の長さを短縮することができる。従つて、硬貨選別装置 Sの（ひいては硬貨入金装置全体の）大きさをより小さくすることが可能となる。

そして、本実施形態の硬貨入金装置によれば、主選別部 B l , B 2で選別される 8金種のユーロ硬貨に加えて、大別部 Aで大別される大径硬貨 C 1としての旧硬貨や、旧硬貨選別部 6 bで選別される他金種硬貨としての旧硬貨が混在している場合でも、それらの硬貨を入金処理の対象とすることができる。

次に、本実施形態のリジェクト選別部 6 aおよび旧硬貨選別部 6 bは、上述したように、搬送方向に移動する硬貨 Cを、そのまま真っ直ぐ支持ローラ部材 6 2 に沿って落下させるのではなく、支持口一ラ部材 6 2上から斜め横方向に離脱させて落下させている。これにより、排除すべき硬貨 Cを支持ローラ部材 6 2上から早期に離脱させ、支持ローラ部材 6 2を「硬貨通過位置」に戻すタイミングを早めることができる。

一方、「硬貨通過位置」にある支持ローラ部材 6 2上を通過しょうとする硬貨 Cは、その主案内部材 3 2側の部分が排除孔 6 0の案内縁部 6 0 aを通過して通路面 3 0上に乗ると、通路面 3 0と搬送ベルト 4 3との間で挟持される。従って、この時点で支持ローラ部材 6 2を「硬貨排除位置」に切り換えたとしても、当該硬貨 Cを排除孔 6 0から落下することなく通過させ、後続の硬貨 Cのみを排除孔 6 0から落下させることができる。

以上のようにして、支持ローラ部材 6 2を「硬貨通過位置」と「硬貨排除位置」との間で切り換えるタイミングを早くしても確実な硬貨の選別を行うことができる。このため、硬貨の選別処理を従来よりも高速化することができる。

また、搬送方向に移動する硬貨 Cを、通過時（図 1 l aおよび図 1 l b ) にはそのまま真っ直ぐ通過させる一方、排除時（図 1 2 aおよび図 1 2 b ) には支持口一ラ部材 6 2上から斜め横方向に離脱させて落下させるようにしたので、「硬貨通過位置」において排除孔 6 0上を通過可能な硬貨の最小直径と、「硬貨排除位置」において排除孔 6 0から落下可能な硬貨の最大直径との差を従来よりも大きく取ることができる。このため、選別可能な硬貨の直径範囲を従来よりも拡大することができる。

[変形例]

本実施形態において、 8金種のユーロ硬貨に旧硬貨等の他金種が混在したものを選別対象とする場合について説明したが、 3つ以上の金種を含む複数の硬貨を 2以上のグループに大別してから、さらに金種毎に選別する場合であれば、原則として対象硬貨を問わずに本発明を適用可能である。

また、大別部 Aにおいて硬貨をグループ毎に選択的に案内して大別するための案内構造は、上記の具体的構成に限定されるものではなく、他の公知の構成を用いてもよい。さらに、主選別部 B l， B 2において硬貨を金種毎に選別する選別部も、上記の具体的構成に限定されるものではなく、電気的手段によるもの等、他の公知の構成を用いてもよい。例えば、上記のリジェクト選別部 6 aと同様の選別部を金種毎に設けてもよい。

また、選別部 6 a , 6 bにおける排除孔 6 0の形状は、図 1 1 a等に示したものには限定されない。すなわち、上述した案内縁部 6 0 aの機能を有し、対象とする硬貨を落下させることができるものであれば、他の形状を有していてもよいまた、支持ローラ部材 6 2と搬送ベルト 4 3との間における硬貨 Cの挟持をより確実なものにする観点から押さえローラ 6 6を設ける場合について説明したが、支持ローラ部材 6 2と搬送ベルト 4 3だけで確実な硬貨 Cの挟持が可能であれば、当該押さえローラ 6 6を省略してもよい。

次に、本実施形態に対する 7つの具体的な変形例について説明する。

( 1 ) 図 1 3ないし図 1 8に示す変形例は、回転円盤 2が上記弾性部材 2 aに代えて複数のリング状弾性ベルト 2 bを有すると共に、それらの弾性ベルト 2 b の上部に対応したペルト逃げ溝 1 4の形成された固定円盤 1 Aを備えたものである。

回転円盤 2の弾性ベルト 2 bは、ウレタンゴム等の弾性材料からなり、中空の円形断面を有している。また、円盤本体 2 2には、各弾性ベルト 2 bを保持するためのベルト保持溝 2 4が同心円状に形成されている。

そして、円盤本体 2 2に取り付けられた複数の弾性ベルト 2 bは、上記弾性部材 l aと同様、固定円盤 1 Aとの間で硬貨を保持し、回転円盤 2の回転に伴って移動させると共に、固定円盤 1 Aとの隙間の変化や金種による硬貨の厚さの違いを吸収できるようになつている（図 1 6ないし図 1 8参照）。

また、図 1 6ないし図 1 8に示すように、固定円盤 1 Aの底面 1 bに形成されたベルト逃げ溝 1 4に、回転円盤 2の弾性ベルト 2 b上部が入り込むことで、硬貨通路 1 0 a〜l 0 cからの硬貨の脱出が効果的に防止される。図 1 4に示すように、ベルト逃げ溝 1 4は、固定円盤 1 Aと回転円盤 2との間の間隔が狭い部分にのみ形成されており、各硬貨案内部 1 5 a， 1 5 b等の部分には形成されていない。

なお、図 1 4に示すように、大径硬貨通路 1 0 aと中径硬貨通路 1 O bとの境界部分に対応して、硬貨投入口 l aに面した重なり硬貨戻し部 1 3が設けられている。この重なり硬貨戻し部 1 3は、段差部 1 2 a , 1 2 bを重なったまま通過してしまった硬貨に対処するためのものであり、その上流側および下流側を、それそれ段部 1 3 aおよび段部 1 3 bによって囲まれている。

その上流側の段部 1 3 aは、最も薄い硬貨の厚さよりも低く形成され（図 1 7 参照）、重なり合った 2枚の硬貨の一方（回転円盤 2側の硬貨）のみを硬貨投入口 1 a側へ通過させるようになつている。また、下流側の段部 1 3 bは、上流側の段部 1 3 aを通過した硬貨を案内して、これを硬貨投入口 1 a側へ戻すようになっている。

ここで、図 1 4および図 1 5を参照して、本変形例も含めた第 1実施形態の作用効果について追加説明する。

まず、通常の硬貨選別処理を行う場合、回転円盤 2は、図 1 5の時計回り方向に「正転」する。この場合、通路の内周縁部分 1 0 i— a， 1 0 i— bに硬貨の外縁を当接させた状態で直径に応じた硬貨の選別を行うようにしているので、従来のように硬貨に作用する遠心力に依存する必要がない。このため、回転円盤 2 の回転速度（選別処理速度）設定の自由度の高い硬貨選別装置を提供することができる。

次に、硬 ^通路 10を通過する硬貨は、通路の内周縁 10 iと外周縁 100との間に位置が規制される。そして、ステップ部 16 a， 16bの上流側では、硬貨通路 10が下流へ行くに従って固定円盤 1 Aの中心から遠ざかることで、回転円盤 2の正転時に、通路の内周縁 10 iで硬貨を外周側へ押し出すようにして、その内周縁部分 10 i— a, 10 i— bに当接させる。

また、ステップ部 16 a , 16bの下流側では、硬貨通路 10が下流へ行くに従って固定円盤 1 Aの中心に近づく。これにより、回転円盤 2の逆転時においても、正転時と同様、ステップ部 16 a, 16bの手前側（逆転時の上流側）において、通路の内周縁 10 iで硬貨を外周側へ押し出すようにして、その内周縁部分; L O i— a，， 10 i -b⁵ に当接させることができる。

従って、回転円盤 2を一旦逆転させた後に再度正転させた場合でも、ステップ部 16 a， 16 bの位置においては、硬貨の外縁が通路の内周縁部分 10 i— a, 10 i—bに当接していることが保証される。従って、回転円盤 2を一時的に逆転させた後、再度正転させても正常な選別動作を続行することができる。これにより、例えば回転円盤 2の正転による硬貨選別処理の途中で硬貨の詰まりを生じた場合、回転円盤 2を一時的に逆転させて詰まりを解消した後で、再び回転円盤 2の正転による選別動作を続行することも可能となる。

(2) 図 19に示す変形例は、硬貨通路 10，の周囲に 6つの選別硬貨案内部 15 a〜l 5 fが設けられた固定円盤 1' を備えたものである。各選別硬貨案内部 15 a〜15 eは、それそれ、 6種の異なる硬貨 C 1 ~ C 6の直径に応じたステツプ部 16 a〜 16 eと、案内縁部 18 a~ 18 eおよび放出口 19 a〜 19 eを含む放出通路 17 a〜l 7 eとを有している（なお、図 19においては、上記 6種の硬貨のうちの一部を便宜上、符号 C 1〜C3で示しており、上記実施形態の大〜小径硬貨を示す符号 C 1〜C 3とは意味合いが異なる。各符号に対する a〜cの添え字についても同様である）。

これにより、上記実施形態が硬貨を直径に応じて 3種類に選別しているのに対して、 6種類に選別することが可能となる。例えば、直径の異なる 6金種の硬貨を選別する場合は、上記実施形態では 3つのグループに大別するだけなのに対して、この変形例では 6つの金種毎に選別することができる。なお、直径に応じて選別可能な硬貨の種類は、 3種類や 6種類に限らず、選別硬貨案内部を設ける数によって任意に設定可能である。

( 3 ) 図 2 0ないし図 2 2に示す変形例は、固定円盤 1 Aの大径硬貨通路 1 0 aにおけるステップ部 1 6 aの上流側に、通路の内周縁部分 1 0 i— a側へ硬貨を付勢する付勢部材（付勢手段） 7 , 7 ' が設けられたものである。

各付勢部材 7， 7 ⁵ は、固定円盤 1 Aの表面側に軸 7 0を介して揺動自在に取り付けられたレバー 7 2を有している。このレバ一 7 2の先端には、下方へ延びる支軸 7 4が取り付けられている。各支軸 7 4は、固定円盤 1 Aに形成された長孔 l O h , 1 0 h ' を通って、固定円盤 1 Aの裏面側まで延びている。そして、各支軸 7 4の先端に、例えばベアリング部品からなる口一ラ 7 6が回転自在に取り付けられている。

また、各レバ一 7 2を通路の内周縁部分 1 0 i— a側へ付勢するコイルばね 7 8が設けられている。これにより、各ローラ 7 6は、通常はコイルばね 7 8の付勢力によって硬貨通路 1 0 a内に進出し、硬貨の通過時には、当該硬貨の直径に応じて（コイルばね 7 8の付勢力に抗して）硬貨通路 1 0 a内から退避するようになっている。

この変形例によれば、ステップ部 1 6 aの上流側において、付勢部材 7 , 7，が（ローラ 7 6を介して) 通路の内周縁部分 1 0 i— a側へ硬貨を付勢することで、全ての硬貨の外縁が通路の内周縁部分 1 0 i— aへ当接することをより確実に保証することができる。例えば、図 2 0および図 2 2に示すように、厚い大径硬貨 C 1 ' 同士の間に薄い小径硬貨 C 3 ' が挟まれた場合、弾性ベルト 2 b (図 2 2 ) による小径硬貨 C 3，の保持が不十分となり、小径硬貨 C 3 ' が外周側へ移動してしまう可能性がある。そのような場合も、付勢部材 7， 7 ' の作用で当該小径硬貨 C 3，を内周縁部分 1 0 i— aに確実に当接させることができる。

ここでは、上記のような大径硬貨 C 1，の存在を前提として、大径硬貨用のステツプ部 1 6 aの上流側に付勢手段 7 , 7 ' を設ける場合について説明したが、必要に応じて中径硬貨用のステップ部 1 6 bの上流側に同様の付勢部材 7， 7 ' を設けてもよい。なお、付勢部材 7， 7，は必ずしも 2つずつ設ける必要はなく、また、上記のようなレバー式の付勢部材 7， 7，に代えて、板ばね等からなる他の付勢手段 ¾設けてもよい。

(4) 図 2 3および図 24に示す変形例は、硬貨通路 1 0 a〜l 0 cの底面を構成する分割式の通路底板 P 1~P 5と、ステップ部 1 6 a， 1 6 bを構成するステップ板 S P 1， S P 2とが、固定円盤 1 Aに対して別体に設けられたものである。なお、図 24には、それらのうち通路底板 P 3とステップ板 SP 1の断面が示されている。

通路底板 P 1 ~P 5は、固定円盤 1 Aに対して、例えばねじ止め等によって着脱可能に取り付けられる。これにより、通路底板 P 1〜P 5を固定円盤 1 A自体とは異なる材料で製作することができ、また異なる加工を施すことも容易となる。例えば、通路底板 P 1〜P 5のみを耐摩耗性材料で製作したり、焼き入れ加工を施したりすることが考えられる。なお、通路底板は任意の数に分割してもよく、また複数に分割せず一体に形成してもよい。，

一方、ステップ板 SP 1， SP 2は、固定円盤 1 Aに対して、硬貨通路 1 0の幅方向で位置調節可能に取り付けられている。これにより、特にステップ部 1 6 a， 1 6 bにおける通路幅 L 1 , L 2を調節して、選別すべき硬貨の直径変化に対応することが可能となる。また、通路幅 L I , L 2を微調整して、より確実かつ円滑な硬貨の選別処理を図ることもできる。なお、これらのステップ板 S P 1， 3? 2も通路底板卩 1〜？ 5と同様、固定円盤 1 A自体とは別に、耐摩耗性材料で製作したり、焼き入れ加工を施したりすることができる。

( 5) 図 2 5に示す変形例は、固定円盤 1 Aにおいて、硬貨通路 1 0 a，， 1 O b' の底面を幅方向に傾斜させることで、内周縁部分 1 0 i— a, 1 0 i -b とステップ部 1 6 a，， 1 6 b' の高さが略等しくなるようにしたものである。これにより、ステップ部 1 6 a, 1 6 bに乗り上げた選別硬貨 C 1 , C 2が略水平な姿勢となるようにしている（図 2 5に例示されているのは、一方の硬貨通路 1 0 a⁵ およびステップ部 1 6 a' と大径硬貨 C 1である）。

この変形例によれば、硬貨案内部 1 5 a, 1 5 bにおける選別硬貨 C 1 , C 2 の傾斜による引つかかりを防止して、当該硬貨 C I , C 2の円滑な放出を確保することができる。なお、硬貨の直径が小さいほど傾斜による引つかかりが生じやすくなるので、中径硬貨 C 2に関してのみ上記のように構成してもよい。

( 6 ) 図 2 6ないし図 3 5に示す変形例は、異物選別手段 8を有する固定円盤 1 " (図 2 6 ) と、積層式の弾性部材 2 0 0を有する回転円盤 2，（図 2 8 ) とを備えたものである。

固定円盤 1 " (硬貨通路 1 0の下流側）に設けられた異物選別手段 8は、最も薄い硬貨の厚さよりも薄い異物 Fを選択的に案内して固定円盤 1 "の外方へ放出するためのものである（図 2 7参照）。そのような異物 Fとしては、例えば、針金製の書類クリップやステープラー（書類とじ器）用の針などがある。この異物選別手段 8は、図 2 6、図 2 7、図 3 2ないし図 3 5に示すように、小径硬貨通路 1 0 cから分岐して固定円盤 1 "の外方へ通じる異物通路 8 0を有すると共に、その分岐部分に段形状のゲート部 8 2が設けられている。

異物通路 8 0は、その分岐部分において固定円盤 1 "の半径方向に略直交する方向（接線方向）に延びており、小径硬貨通路 1 0 cはそれよりも固定円盤 1 " の外側へ傾斜した方向に延びている。また、分岐部分のゲート部 8 2は、回転円盤 2，（の弹性部材 2 0 0 ) との間で、異物 Fを通し最も薄い硬貨（この場合は小径硬貨 C 3 ) を通さない大きさ（高さ）の隙間 8 4を形成している。

この変形例によれば、図 2 7に示すように、小径硬貨通路 1 0 cを通る小径硬貨 C 3と異物 Fのうち、硬貨 C 3は分岐部分のゲート部 8 2を通れないため、そのまま硬貨通路 1 0 cに沿って強制的に放出口 1 9 cへ案内される。一方、硬貨 C 3より薄い異物 Fは、回転円盤 2 ' による回転力と遠心力によって接線方向へ進み、分岐部分のゲート部 8 2を通って異物通路 8 0内へ入り、硬貨 C 3から選別される。そして、選別された異物 Fを異物通路 8 0から固定部材 1 "の外方へ放出することで、そのような異物 Fを硬貨 C 1〜C 3と区別して回収することができる。

なお、図 3 4および図 3 5に示すように、針金製の書類クリップのような縁の丸い異物 Fに関しては、隙間 8 4の大きさより多少厚いものであっても、弾性部材 2 0 0の変形によりゲート部 8 2を通過可能な場合がある。従って、隙間 8 4 の大きさは、そのような場合も考慮して設定されることになる。例えば、最も薄い小径硬貨 C 3の厚さ 1 . 2 mmに対して、隙間 8 4の大きさが 0 . 8 mm程度に ik Ec れる。

次に、回円盤 2，は、図 28に示すように、積層構造を有する一体形の円盤状弾性部材 200が、平坦な円盤本体 22' 上に取り付けられた構造を有している。この弾性部材 200は、図 29ないし図 32に示すように、上面側の薄いゥレタンゴム層 201と、このウレタンゴム層 201の下に設けられた多孔質弹性材層 206とを有している。この多孔質弾性材層 206は、比較的反発性の高いスポンジゴム（フォームラバ一）製のものであることが好ましい。弾性部材 20 0の底面側には、金属板 23が固着されている。そして、弹性部材 200は、この金属板 23を介して、円盤本体 22，に対してねじ 29 (図 28) により着脱自在に取り付けられている。

(7) 図 36に示す変形例は、図 26に示す固定円盤 1" (上記（6) の変形例）に対して細部の形状等の異なる固定円盤 1 Βを用いたものである。図 36において、図 26に示す固定円盤 1"と同一の構成部分には同一符号を付している c また、図 26に示す固定円盤 1"に対応した構成部分には、図 26における符号の数字部分に 600を加えた符号を付している。以下、図 26に示す固定円盤 1 "との主な相違点について説明する。

まず、図 36において、硬貨導入部 11に半円形の凸部 600が追加されている。この凸部 600は、童なり合ったまま導入部 1 1へ入った硬貨のうち、上側 (固定円盤 1 B側）の硬貨を投入口 1 a側へ押し戻すためのものである。

また、この固定円盤 1 Bにおける段差部 6 12 a, 612 bは、投入口 1 a側に向かって傾斜した案内縁部 612 a，， 6 12b⁵ をそれそれ有している。これらの案内縁部 612 a' , 612b⁵ は、硬貨通路 610の外周縁 610 o側に寄っていない硬貨や、重なり合った上側の硬貨を投入口 1 a側へ戻す働きを有している。なお、 2段目の段差部 6 12 bは、その下流側の大径硬貨通路 6 10 aよりも底面 1 b側へ高く突出することで、その上流側と下流側にそれそれ段差を形成するようになっている。

また、この固定円盤 1Bにおいては、中径硬貨案内部 6 15 bにおけるステツプ部 6 16 bが、図 23に示すステツプ板 S P 2のように位置調節可能な別体形のステップ板 SP 2' によって構成されている。このステップ板 SP 2' の斜面部 616b' は、小径硬貨通路 610 cの通路幅 L 2よりも内側に突出しているが、通路幅 L 2より小さい直径の小径硬貨 C 3は、その突出部分を乗り越えて小径硬貨通路 610 cへ進むことができるようになっている。

その他、この固定円盤 1Bは、重なり硬貨戻し部 613や放出通路 617 a, 617 bの形状等においても、図 26に示す固定円盤 1"とやや異なっているが、その基本的な原理は同様である。

第 2実施形態

次に、図 37ないし図 40を参照して本発明の第 2実施形態について説明する。本実施形態は、回転円盤の構造に係るものであり、基本的には上記第 1実施形態における変形例（6) の回転円盤 2' (図 28) と略同様の回転円盤 2' を備えている。

すなわち、本実施形態の回転円盤 2，は、図 37に示すように、軸 20によつて回転自在に支持された円盤本体 22 ' と、この円盤本体 22' の上面側に取り付けられた積層円盤状の弾性部材 200とを有している。弾性部材 200は、図 37および図 38に示すように、上面側の薄いウレタンゴム層 201と、このゥレ夕ンゴム層 201の下に設けられた多孔質弾性材層 206とを有している。この多孔質弾性材層 206は、比較的反発性の高い（例えば 25%圧縮荷重 630 ~950 g/cm²程度の）スポンジゴム（フォームラバー）製のものであることが好ましい。

図 37ないし図 39 bに示すように、本実施形態においては、ウレタンゴム層

201の表面 203に、複数の半径方向溝 202が形成されている。これらの半径方向溝 202は、弾性部材 200の外周部における溝 202同士の間隔 I (図

39b) が、最小径の硬貨の直径よりも小さくなるように配置されている。

また、図 39 aおよび図 39 bに示すように、ウレタンゴム層 201における半径方向溝 202の一部に、他の部分よりも深さの浅い目印部 204が設けられている。例えば、ウレタンゴム層 201の厚さを lmm程度とし、半径方向溝 2 02の深さを、目印部 204においては D2 = 0. lmm、他の部分においては D 1 = 0.3mmとする。

なお、このような半径方向溝 202を有するウレタンゴム層 201は、熱可塑性のウレタンゴムを材料とすることで、射出成形により容易に製造することが可能である。

次に、図 3 7および図 3 8に示すように、弾性部材 2 0 0の底面側には、円盤状の金属板 2 3が固着されている。そして、図 3 7に示すように、弾性部材 2 0 0は、この金属板 2 3を介して、円盤本体 2 2，に対して 4本のねじ 2 9により着脱自在に取り付けられている。なお、回転円盤 2，には、ねじ 2 9の頭部を収めるための中心孔 2 0 0 aが形成されている。この中心孔 2 0 0 aは、回転円盤 2 ⁵ の中心部分に投入硬貨が停滞しないようにするための円錐形部材 2 4 ' によつて塞がれる。また、円盤本体 2 2，の中心部分には、 4本のねじ 2 9に対応したねじ孔 2 2 aが形成されている。

そして、円盤本体 2 2 ' に取り付けられた弾性部材 2 0 0は、固定円盤 1との間で硬貨を保持し、回転円盤 2 ' の回転に伴って移動させると共に、固定円盤 1 との隙間の変化や金種による硬貨の厚さの違いを吸収できるようになつている (図 4 0参照）。

本実施形態における回転円盤 2 ' の弹性部材 2 0 0は、ウレタンゴム層 2 0 1 を上面側に有することで、他の合成ゴム材料等を用いる場合に比べて耐摩耗性を向上させることができる。また、ウレタンゴム層 2 0 1の表面 2 0 3に形成された半径方向溝 2 0 2が硬貨 Cの外周縁と係合することで（図 4 0参照）、回転円盤 2 ' ·の半径方向における硬貨 Cの拘束力は増大させずに、回転方向における硬貨 Cの搬送力だけを増大させることができる。

さらに、表面 2 0 3に複数の半径方向溝 2 0 2が形成されていることでウレタンゴム層 2 0 1が変形しやすくなるため（図 4 0参照）、厚さの異なる硬貨同士が並んだ場合でも、それらを確実に保持することが可能となる。以上のことにより、本実施形態によれば、より確実な硬貨の選別動作を長期間に渡って確保することができる。

また、弾性部材 2 0 0の外周部における半径方向溝 2 0 2同士の間隔 Iを最小径の硬貨の直径よりも小さくしたことで、小径の硬貨が周方向に連なった場合であっても、全ての硬貨が必ず半径方向溝 2 0 2上に位置するようにして、半径方向溝 2 0 2による上記の作用効果を常に維持することができる。また、ウレタンゴム層 2 0 1における半径方向溝 2 0 2の一部に、他の部分よりも深さの浅い目印部 2 0 4が設けられているので、ウレタンゴム層 2 0 1が摩耗すると、はじめに目印部 2 0 4 (図 3 9 aおよび図 3 9 b ) の溝がなくなることで、その摩耗の程度や交換時期を知る目安とすることができる。

次に、弾性部材 2 0 0がウレタンゴム層 2 0 1の下に多孔質弾性材層 2 0 6を有することで、弾性部材 2 0 0全体の圧縮変形可能な量を大きくして、様々な厚さの硬貨に柔軟に対応できるようにすることができる。また、多孔質弾性材層 2 0 6の材料として、多孔質弹性材の中でも特に高い反発性を有するスポンジゴムを用いることで、厚さの異なる硬貨同士が並んだ場合などにおいても、弾性部材 2 0 0による硬貨のより確実な保持を図ることができる。

さらに、円盤本体 2 2 ' に対する弾性部材 2 0 0の取り付けを、金属板 2 3を介してねじ 2 9により着脱自在に行うことができるので（図 3 7参照）、弾性部材 2 0 0の交換を極めて容易に行うことができる。

第 3実施形態 .

次に、図 4 1ないし図 4 4を参照して本発明の第 3実施形態について説明する _c 本実施形態は、上記第 1実施形態で説明したような硬貨選別装置を備える硬貨入金装置に係るものであり、図 1ないし図 1 2 bに示す上記第 1実施形態と共通の構成部分には同一符号を付すと共に、適宜、それらの図も参照して説明する。また、上記第 1実施形態と共通の構成や動作等については説明を一部ないし全部省略する。以下、本実施形態の構成、動作 ·作用、効果、および変形例について順次説明する。

[構成]

まず、本実施形態の硬貨入金装置は、新通貨単位の硬貨であるユーロ硬貨（新硬貨）と、これらのユーロ硬貨への切り替え対象となる旧通貨単位の硬貨である旧硬貨（ドイツマルク硬貨等）とが混在したものを入金処理の対象としている。そのうちユーロ硬貨の分類等については、.上記第 1実施形態で説明したとおりであ o

図 4 1には、本実施形態の硬貨入金装置の外観が示されている。図 4 1に示す硬貨入金装置においては、情報処理部 1 0 0の前面に、夕ツチパネル式ディスプレイからなる表示 ·操作部 1 0 0 a、力一ド揷入口 1 0 0 bおよびレシ一ト発行口 1 0 0 cが配設されている。

本実施形態においても、図 3および図 4に示すような、硬貨収納カセット 1 2 4 a ~ 1 2 4 jを有する収納ュニヅト 1 2 0と、各収納カセット 1 2 4 a〜 1 2 4 jに対応した一時保留部 1 3 0とが設けられている。本実施形態では、硬貨収納カセットが、新硬貨を金種毎に収納する硬貨収納カセット（新硬貨収納部） 1

2 4 a~ 1 2 4 hと、旧硬貨を金種混合状態で収納する硬貨収納力セヅト（旧硬貨収納部） 1 2 4 i， 1 2 4 jとに大別される。これに対応して、一時保留部 1

3 0も、新硬貨を金種毎に一時保留する一時保留部（新硬貨保留部）と、旧硬貨を金種混合状態で一時保留する一時保留部（旧硬貨保留部）とに大別される。次に、この硬貨入金装置は、図 4 2に示すような制御部（計数手段、演算手段、入金処理手段） U，を備えている。この制御部 U ' には、上記表示 '操作部 1 0 0 aを構成する表示部（表示手段） 1 0 1〜1 0 4および操作部 1 0 5〜1 0 7 が接続されている。また、制御部 ir には、上記カード挿入口 1 0 o bに対応したカード読取部 Rと、上記レシート発行口 1 0 0 cに対応した印字部（印字手段） Pとが接続されている。また、制御部 U ' には、識別部（識別 ·計数手段） Dと、大径硬貨用の計数センサ（計数手段） 1 9 s (図 6 ) と、各一時保留部 1 3 0を作動させる駆動回路とが接続されている。

なお、図 1に示す主選別部 B 1 , B 2における各選別孔 5 a〜5 d , 5 e〜5 hの直前に設けられたセンサ Tも、それそれ図 4 2に示す制御部 U，に接続されている。そして、識別部 Dでの金種識別に基づく硬貨の計数に加えて、各センサ Tによる硬貨の通貨確認を行うことで、制御部（計数手段） IT における計数の信頼性を向上させるようにしている。

図 4 3には、上記表示 ·操作部 1 0 0 a (図 4 1 ) を構成する表示部 1 0 1〜 1 0 4および操作部 1 0 5〜 1 0 7の具体例 (夕ヅチパネル式デイスプレイの画面表示内容）が示されている。図 4 3に示す画面には、新通貨単位の合計金額 1 0 1、旧通貨単位の合計金額 1 0 2、新通貨単位への換算金額 1 0 3および新通貨単位の総合計金額 1 0 4の各表示部が含まれている。

また、操作部としては、印字ボタン（印字指示手段） 1 0 5、承認ボタン（承認指示手段） 1 0 6および取消ボタン 1 0 7が含まれている。このうち、印字ボタン 1 0 5は、制御部 IT (図 4 2 ) に対して、入金処理の承認指示を行うと共に、印字部 P (図 4 2 ) にレシートの印字出力を行わせる印字指示を行うためのものである。また、承認ボタン 1 0 6は、制御部 U，（図 4 2 ) に対して入金処理の承認指示を単独で行うためのものである。

この表示 ·操作部 1 0 0 aは、口座番号等を入力するためのテンキー入力画面等の他の画面を表示することもできるようになつている。なお、口座番号等の入力は、上記カード揷入口 1 0 O b (図 4 1 ) に挿入したカードの記録情報をカード読取部 R (図 4 2 ) で読み取ることによって行うこともできる。

図 4 4には、上記印字部 P (図 4 2 ) によって印字出力されるレシートの印字内容の具体例が示されている。図 4 4に示すレシートには、上記表示 ·操作部 1 0 0 aにおける表示部 1 0 1〜1 0 4の表示内容と同様、新通貨単位の合計金額 1 0 1、旧通貨単位の合計金額 1 0 2、新通貨単位への換算金額 1 0 3および新通貨単位の総合計金額 1 0 4が印字されている。また、このレシートには、各通貨単位ごとに入金硬貨の金種 I 1、枚数 I 2および金額 I 3の内訳も印字されている。

ここで、図 4 2に示す制御部 U，は、次のように、計数手段、演算手段および入金処理手段としての機能をも有している。

まず、計数手段としての制御部 U ' は、識別部 Dによる硬貨の識別結果に基づいて、新通貨単位の合計金額 1 0 1および旧通貨単位の合計金額 1 0 2をそれそれ計数する。図 4 4のレシ一トにも示すように、各合計金額 1 0 1 , 1 0 2は、各金種ごとに金種 I 1 X枚数 I 2 =金額 I 3を求め、それらの金額 I 3を通貨単位ごとに合計することで求められる。

次に、演算手段としての制御部 U ³ は、まず、計数された旧通貨単位の合計金額 1 0 2を所定の換算レート（例えば 1.95583EU£0/DEM (ユーロ/ドイツマルク））に基づいて新通貨単位に換算した換算金額 1 0 3を算出する。そして、新通貨単位の合計金額 1 0 1と換算金額 1 0 3とを合計した新通貨単位の総合計金額 1 0 4を算出する。

また、入金処理手段としての制御部 ir は、印字ボタン 1 0 5または承認ボタン 106 (図 42、図 43) による入金承認指示に応じて、各一時保留部 130 に一時保留された新硬貨および旧硬貨をそれそれ対応する硬貨収納カセット 12 a~l 24 jに収納すると共に、上記新通貨単位の総合計金額 104による入金処理を行う。

[動作 ·作用]

次に、以上のような構成よりなる本実施形態の動作ないし作用について説明する。なお、以下の処理の対象となる硬貨は、上述したように、 8つの金種を含む新硬貨としてのユーロ硬貨、旧硬貨およびリジヱクト硬貨が混在したものとする。それらの硬貨は、図 41に示すホッパ 112に投入された後、上記第 1実施形態の場合と同様、硬貨選別装置 Sの大別部 Aおよび主選別部 B 1, B 2によって選別され（図 1) 、リジェクト硬貨を除いて、それそれ対応する一時保留部 13 0内に一時保留される（図 3) 。

本実施形態においては、各一時保留部 130内に一時保留された新硬貨としてのユーロ硬貨（大、中および小径硬貨）および旧硬貨は、（計数手段および演算手段としての）制御部 IT によって、新通貨単位の合計金額 101、旧通貨単位の合計金額 102、新通貨単位への換算金額 103および新通貨単位の総合計金額 104が求められている。これらの金額は、それそれ表示 ·操作画面 100 a (図 42、図 43) の表示部 101〜104に表示される。

図 43に示す例では、新通貨単位の合計金額 101が 7,818·00/Ε (ユーロ）、旧通貨単位の合計金額 102が 2，712.00/DM (ドイツマルク）となっている。また、所定の換算レート（1.95583E/DM (ユーロ/ドイツマルク) ) に基づく新通貨単位への換算金額 103が 5,304.00/E (ュ一口）となり、新通貨単位の総合計金額 104が 7,818.00+5,304.00 = 13, 122.00/E (ユーロ）となっている。このような表示部 101〜104の表示内容に対して、承認ボタン 106 (図 42, 図 43) による承認指示がなされると、（入金処理手段としての）制御部 U' によって、上記新通貨単位の総合計金額 104による入金処理が行われる。一方、印字ボタン 105 (図 42, 図 43) による入金承認指示および印字指示がなされると、同様の入金処理が行われると共に、印字部 Pによる上記レシート (図 44) の印字出力が行われる。印字されたレシートは、レシート発行口 10 0 c (図 4 1 ) から発行され、利用者によって抜き取られる。

入金処理に際して制御部 U ' (図 4 2 ) は、各一時保留部 1 3 0の駆動回路を作動させることで、各一時保留部 1 3 0内の新硬貨および旧硬貨を、対応する硬貨収納カセット 1 2 4 a〜l 2 4 j内に収納する（図 3および図 4 ) 。また、一時保留部 1 3 0内に一時保留された硬貨のうち、（表示部 1 0 1〜1 0 4の表示により確認された金額の不一致等により）返却の必要が生じた硬貨は、取消ボタン 1 0 7 (図 4 2、図 4 3 ) による制御部 U，への返却指示により、一時保留部 1 3 0から返却箱 1 1 6内に移される（図 3および図 4 ) 。

[効果]

以上説明したように本実施形態によれば、硬貨選別装置 Sにおける主選別部 B - 1 , B— 2の選別孔 5 a~ 5 hで選別される 8金種のユーロ硬貨（新硬貨）に加えて、大別部 Aの大径硬貨案内部 1 5 aで選別される大径硬貨 C 1としての旧硬貨や、旧硬貨選別部 6 bで選別される旧硬貨が混在している場合でも、それら全ての硬貨を入金処理の対象とすることができる。すなわち、新通貨単位と旧通貨単位の両通貨単位の硬貨を入金対象とし、新通貨単位の総合計金額 1 0 4による入金処理を行うことができる。

また、表示 ·操作部 1 0 0 aの表示部 1 0 1〜1 0 4により、新通貨単位の合計金額、旧通貨単位の合計金額、換算金額および新通貨単位の総合計金額を表示することで、それそれの金額を予め的確に把握し確認した上で、（印字ボタン 1 0 5や承認ボタン 1 0 6による）入金承認指示により最終的な入金処理を行うことができる。また、印字ボタン 1 0 5により入金承認指示と共に印字指示を行うことで、最終的な入金処理を行うと共に、その入金処理の内容を印字出力によりレシートに記録することができる。

なお、本実施形態では、上記第 1実施形態と同様、主選別部 B l， B 2の選別孔 5 a ~ 5 1iで新硬貨を金種ごとに選別すると共に、大別部 Aの大径硬貨案内部 1 5 aや旧硬貨選別部 6 bで旧硬貨を金種に拘らず選別するようにしている。また、新硬貨保留部としての一時保留部 1 3 0および新硬貨収納部としての硬貨収納カセット 1 2 4 a〜l 2 4 hは、それそれ新硬貨を金種ごとに一時保留および収納するよう金種別に分割して設けられている。一方、旧硬貨保留部としての一時保留部 1 3 0および旧硬貨収納部としての硬貨収納カセット 1 2 4 i , 1 2 4 jは、それそれ旧硬貨を金種混合状態で一時保留および収納するように設けられている。従って、再利用される新硬貨は金種ごとに回収し、再利用されずに処分される旧硬貨は混合状態で回収することで、効率的な硬貨の回収を行うことがでぎる。

[変形例]

なお、上記レシートの印字内容は図 4 4に例示したものに限られず、例えば表示 ·操作部 1 0 0 aにける表示部の表示内容と同様、新通貨単位の合計金額 1 0 1、旧通貨単位の合計金額 1 0 2、新通貨単位べの換算金額 1 0 3および新通貨単位の総合計金額 1 0 4のみを印字するようにしてもよい。

Claims

請求の範囲 '

1 . 3以上の金種を含む複数の硬貨を金種毎に選別するための硬貨選別装置において、

前記複数の硬貨を、その寸法に基づいて予め 2以上のグループに大別するための大別手段と、

この大別手段によって大別された各グループの硬貨を、更に金種毎に選別するための主選別手段と

を備えた、ことを特徴とする硬貨選別装置。

2 . 前記大別手段は、

中心部に硬貨投入口を有する固定部材と、

この固定部材の底面に重ね合わされた状態で回転する回転円盤と

を備え、

前記固定部材の硬貨投入口から入った硬貨が、前記回転円盤の回転に伴って、前記固定部材の底面に対して摺動するように構成されると共に、

前記固定部材は、その底面に対して摺動する硬貨を、前記グループ毎に選択的に案内するための案内構造を有する、ことを特徴とする請求項 1記載の硬貨選別

3 . 前記主選別手段は、

選別すべき硬貨を 1枚ずつ略水平に案内するための案内路と、

この案内路に沿って硬貨を搬送するための搬送手段と、

前記案内路に沿って、選別すべき金種毎に間隔を置いて順次設けられた複数の選別部と

を有する、ことを特徴とする請求項 1または 2記載の硬貨選別装置。

4 . 3以上の金種を含む複数の硬貨を金種毎に選別して入金処理を行うための硬貨入金装置において、前記複数の硬貨を、その寸法に基づいて予め 2以上のグループに大別するための大別手段と、

この大別手段によって大別された各グループの硬貨をそれそれ識別する識別手段と、

この識別手段による識別が不能であつたリジェクト硬貨を予め選別するためのリジェクト選別手段と、

前記識別手段によって識別された各グループの硬貨を、更に金種每に選別するための主選別手段と、

前記識別手段で識別された硬貨の金額を算出して入金処理を行う入金処理手段と

を備えた、ことを特徴とする硬貨入金装置。

5 . 前記識別手段による識別結果が前記主選別手段による選別の対象外である他金種硬貨を予め選別するための他金種選別手段を更に備えた、ことを特徴とする請求項 4記載の硬貨入金装置。

6 . 前記識別手段は、前記他金種硬貨の金種も識別可能であり、

前記入金処理手段が、前記主選別手段で選別される硬貨と、前記他金種選別手段で選別される他金種硬貨との入金処理を行う、ことを特徴とする請求項 5記載の硬貨入金装置。

7 . 中心部に硬貨投入口を有する固定部材と、

を備え、

前記固定部材の硬貨投入口から入った硬貨が、前記回転円盤の回転に伴って、前記固定部材の底面に対して摺動するように構成されると共に、 - 前記固定部材は、その底面に対して摺動する硬貨を直径に応じて選択的に案内するための案内構造を有し、

この案内構造は、前記固定部材の底面に形成され、全ての硬貨の外縁を当接させる内周縁部分を有した硬貨 ii路と、

少なくとも 1つの選別硬貨案内部と

を含み、

前記選別硬貨案内部は、

前記硬貨通路の内周縁部分に硬貨の外縁が当接した状態において、所定の基準寸法より大きい直径の硬貨のみが、その外周側を乗り上げるように形成されたステツプ部と、

このステツプ部に乗り上げた硬貨を案内して前記固定部材の外方へ放出するための放出通路と '

を有する、ことを特徴とする硬貨選別装置。

8 . 前記硬貨通路は、

そこを通過する硬貨の外縁が当接可能な内周縁および外周縁を有すると共に、前記ステップ部に対する上流側では、下流へ行くに従って前記固定部材の中心から遠ざかり、

前記ステツプ部に対する下流側では、下流へ行くに従って前記固定部材の中心に近づくように湾曲している、ことを特徴とする請求項 7記載の硬貨選別装置。

9 . 前記硬貨通路における前記ステツプ部に対する上流側に、前記硬貨通路の内周縁側へ硬貨を付勢する付勢手段が設けられている、ことを特徴とする請求項 7または 8記載の硬貨選別装置。

1 0 . 前記固定部材の案内構造は、前記ステツプ部に乗り上げた前記選別硬貸が略水平な姿勢となるように構成されている、ことを特徴とする請求項 7または 8記載の硬貨選別装置。

1 1 . 前記固定部材の案内構造は、前記ステップ部を構成すると共に前記硬貨通路の幅方向で位置調節可能なステップ板を更に有する、ことを特徴とする請求項 7または 8記載の硬貨選別装置。

1 2 . 前記硬貨通路の下流側に、最も薄い硬貨の厚さよりも薄い異物を選択的に案内して前記固定部材の外方へ放出するための異物選別手段が設けられている、ことを特徴とする請求項 7または 8記載の硬貨選別装置。

1 3 . 前記異物選別手段は、

前記硬貨通路から分岐して前記固定部材の外方へ通じるように前記固定部材に形成された異物通路と、

この異物通路の分岐部分に設けられ、前記回転円盤との間で、前記異物を通し前記最も薄い硬貨を通さない大きさの隙間を形成するゲート部と

を有する、ことを特徴とする請求項 1 2記載の硬貨選別装置。 i 4 . 中心部に硬貨投入口を有する固定部材と、

この固定部材の底面に重ね合わされた状態で回転し、円盤本体と、この円盤本体の上面に取り付けられた弾性部材とを有する回転円盤と

を備え、

前記固定部材は、その底面に対して摺動する硬貨を直径に応じて選択的に案内するための案内構造を有し、

前記回転円盤の弾性部材は、表面に複数の半径方向溝が形成されたウレタンゴム層を含む、ことを特徴とする硬貨選別装置。

1 5 . 前記弾性部材の外周部における半径方向溝同士の間隔は、最小径の硬貸の直径よりも小さい、ことを特徴とする請求項 1 4記載の硬貨選別装置。

1 6 . 前記弾性部材におけるウレタンゴム層の材料は熱可塑性のウレタンゴムである、ことを特徴とする請求項 1 4または 1 5記載の硬貨選別装置。

1 7 . 前""記弾性部材は、前記ウレタンゴム層の下に多孔質弾性材層を有する、ことを特徴とする請求項 1 4または 1 5記載の硬貨選別装置。

1 8 . 前記多孔質弾性材層はスポンジゴム製である、ことを特徴とする請求項 1 7記載の硬貨選別装置。

1 9 . 前記ウレタンゴム層における半径方向溝の一部に、他の部分よりも深さの浅い目印部が設けられている、ことを特徴とする請求項 1 4または 1 5記載

2 0 . 前記弾性部材の底面側に、前記円盤本体に対して着脱可能な金属板が固着されている、ことを特徴とする請求項 1 4または 1 5記載の硬貨選別装置。

2 1 . 略水平な通路面を有し、硬貨排除孔が設けられた通路部材と、この通路部材の前記通路面上に延設され、前記通路部材の上流側から下流側へ前記通路面に沿って硬貨を案内する案内部材と、

前記通路部材の通路面との間で硬貨を挟持し、当該硬貨を前記通路部材の上流側から下流側へ前記案内部材に沿って搬送するように張設された搬送ベルトと、前記排除孔の下側に前記搬送ベルトと対向して設けられた支持ローラ部材とを備え、

前記排除孔は、前記通路部材に前記案内部材と隣接して形成され、前記通路部材の下流側へ向かって前記案内部材から離れるように傾斜して延びる案内側壁を有し、

前記支持ローラ部材は、その上端部の高さが前記排除孔の案内側壁上端の高さと同等以上になる硬貨通過位置と、その上端部の高さが前記排除孔の案内側壁上端の高さより低くなる硬貨排除位置とを切換可能に構成されている、ことを特徴とする硬貨選別装置。

2 2 . 前記支持ローラ部材は、

前記通路と略平行で硬貨の搬送方向に略直交する、回動可能な支持軸と、この支持軸に対して偏心して取り付けられた、大径部と小径部とを有する偏心部材と、

この偏心部材の外周に回転自在に取り付けられた自由ローラと

を有する、ことを特徴とする請求項 2 1記載の硬貨選別装置。

2 3 . 前記案内路の前記排除孔ょりも上流側に対応して設けられ、硬貨の識別を行う識別手段と、

この識別手段による識別結果に応じて、前記支持ローラ部材の硬貨通過位置と硬貨排除位置との切り換えを行うための制御手段と

を更に備えた、ことを特徴とする請求項 2 1または 2 2記載の硬貨選別装置。

2 4 . 前記支持ローラ部材との間で前記搬送ベルトを介して硬貨を挟持可能に設けられた押さえローラを更に備えた、ことを特徴とする請求項 2 1または 2 2記載の硬貨選別装置。

2 5 . 新通貨単位の硬貨である新硬貨と、旧通貨単位の硬貨である旧硬貨とを混合状態で 1枚ずつ繰り出す硬貨繰出し手段と、

この硬貨繰出し手段によって繰り出された硬貨の金種を識別する識別手段と、新硬貨および旧硬貨をそれそれ一時保留するための新硬貨保留部および旧硬貨保留部と、

新硬貨および旧硬貨をそれぞれ選別して前記新硬貨保留部および前記旧硬貨保留部に入れる選別手段と、

前記新硬貨保留部および前記旧硬貨保留部からそれそれ新硬貨および旧硬貨を受け入れて収納する新硬貨収納部および旧硬貨収納部と、

前記識別手段による識別結果に基づいて、新通貨単位の合計金額および旧通貨単位の合計金額をそれそれ計数する計数手段と、

この計数手段によって計数された旧通貨単位の合計金額を所定の換算レートに基づいて新通貨単位に換算した換算金額を算出すると共に、前記計数手段によつて計数され新通貨単位の合計金額と前記換算金額とを合計した新通貨単位の総合計金額を算出する演算手段と、

前記新通貨単位の合計金額、前記旧通貨単位の合計金額、前記換算金額および前記新通貨単位の総合計金額を表示する表示手段と、

この表示手段による表示内容に対して入金承認指示を行う承認指示手段と、この承認手段による入金承認指示に応じて、各硬貨保留部に一時保留された新硬貨および旧硬貨をそれそれ対応する硬貨収納部に収納し、前記新通貨単位の総合計金額による入金処理を行う入金処理手段と

を備えた、ことを特徴とする硬貨入金装置。

2 6 . 前記承認手段に代わって前記入金承認指示を行うと共に、印字指示を行う印字指示手段と、

この印字指示手段による印字指示に応じて前記表示手段の表示内容の少なくとも一部を印字出力する印字手段と

をさらに備えた、ことを特徴とする請求項 2 5記載の硬貨入金装置。

2 7 . 前記選別手段は、新硬貨を金種ごとに選別すると共に、旧硬貨を金種に拘らず選別するように構成され、

前記新硬貨保留部および前記新硬貨収納部は、それそれ新硬貨を金種ごとに一時保留および収納するよう金種別に分割して設けられ、

前記旧硬貨保留部および前記旧硬貨収納部は、それそれ旧硬貨を金種混合状態で一時保留および収納するように設けられている、

ことを特徴とする請求項 2 5または 2 6記載の硬貨入金装置。