台湾民主紀念館「民主の門を開く」特別展が開幕

　陳水扁総統は１月１日、国立台湾民主紀念館の「民主の門を開く」特別展の開幕式典に出席し、挨拶を述べた。

　このなかで陳総統は、「強権統治と党国（党イコール国）体制の象徴であった『中正紀念堂』および『大中至正』の題字が、『台湾民主紀念館』と『自由広場』に変わったことは、強権と独裁が正式に過去のものになったことを代表するだけでなく、台湾の自由と民主主義の真の到来を象徴するものである」との考えを述べた。

　陳総統は台湾の自由と民主主義について「今日の台湾は、米国の『フリーダムハウス』やフランスの『国境なき記者団』等の国際団体によって最高の報道の自由があると評価されているように、人々は最も基礎である地方民意代表から総統まですべて選挙の票によって決定でき、国家の発展に関わる重大なテーマや公共政策は国民投票によって願望や選択を示すことができる。このことは毎日空気を呼吸している自覚がないように、自由と民主主義はわれわれの日常生活の一部となって自覚がないようだ。しかし、自由と民主主義は天から降ってきたものではない。過去の戒厳令下の時代から民主運動の先輩方が自身の危険を顧みず、努力して、一歩ずつ勝ち取ってきたものなのである」と指摘した。

　そのうえで陳総統は「今日、この広場は１９９０年代の野百合学生民主運動およびそれに続く各種民主運動を通じて、台湾の民衆が強権統治に対抗し、民主主義と自由の道を堅持して邁進した場所である。今回の『民主紀念館』および『自由広場』の改名、さらに今日のこの特別展は、いずれもわれわれに民主主義と自由はたやすく得られるものではなく、台湾の人々の苦労の上に得られた成果であることを忘れないようにするためなのである」とその意義を強調した。

　陳総統は「私が台北市長の任期内には、『介寿路』を『ケタガラン大通り』に、『台北新公園』を『二二八和平公園』に改名し、昨年は『介寿館』を『総統府』に名称回復したのと同様に、最も小さな変更方式をもって、過去の強権統治のシンボルを台湾の民主自由の意義ある象徴に変えた」として、「台湾民主紀念館」については、「今回教育部が台湾の民主化に関連する多くの重要な史料や文献の展示を計画している。一階は台湾新聞記者協会と台湾民主紀念館が企画した『台湾報禁解除２０周年』特別展および『台湾人権の道』特別展が開かれ、これらはいずれも強権統治時代のさまざまな反人権および反民主の歴史の告発および証拠である」と説明した。

さらに陳総統は「今日、民主紀念館の（蒋介石・元総統の）銅像ホールも新たに開放された。これは『民主の開門』を象徴している。もともと独裁強権統治者を崇拝する廟堂だったのが、台湾の人々が反省、学習し、民主主義と人権を探索する自由な場所として生まれ変わった。今後、さらに多くの活動、展示、知識交流を通じて、歴史と対話し、人々が歴史の中から学びとることは、まさに銅像ホールを新たに公開する最も重要な意義なのである」と強調した。

【総統府　２００８年１月１日】
（写真提供：中央通訊社）

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