The Chemical Brothers 「Let Forever Be」
ケミカル・ブラザーズのこの曲自体の名曲ぶりも然ることながら、ヴィヴィッドなカラーリングとキレのあるダンス、カレイドスコープのような映像美がミックスしたこのMVも実に秀逸。夢の世界と現実が交錯するように入れ替わりながら展開していきます。1人の女の子が分身したかと思いきや、同じ服装をした女の子が大量に出てきて奇妙なフォーメーションダンスで踊り続けます。登場する女の子のファッションも、シンプルなのにどこかグラムでレトロな雰囲気があって好みです。
「Let Forever Be」の動画はこちらから。
The White Stripes 「Fell In Love With A Girl」
ご覧の通り、全編LEGOで作られたThe White Stripesのミュージックビデオ。アップテンポでロックなサウンドに合わせてドラムを叩いたり、ギターをかき鳴らしたり、頭を上下に振ってみたりかなり激しく動きます。ただLEGOで作っただけなら他にもありそうなものですが、通常のMVのカメラワーク同様、寄ったり引いたり、そのアングルや立体感まで一生懸命に再現されているところが最高にクール! 音楽のテンションにもぴったりな、ヴィヴィッドな色使いも好みです。
「Fell In Love With A Girl」の動画はこちらから。
Kylie Minogue 「Come Into My World」
カイリー・ミノーグが、ぐるぐるとひたすらパリの街を歩き続けるのですが、よく見るとクリーニング屋の前を通る度に1人、また1人とカイリーが出てきて最終的に5人くらいになります(笑)。どのカイリーもご機嫌そうですが、よくよく見てみると街中は何だか騒々しい感じに......。そう、カイリーだけでなく街の中の人たちもどんどん増えていたのでした。ループしながら増幅を続けるパリの街は、「Come Into My World」と笑顔で歌い続けるカイリーの世界そのものを表しているようで、不思議な気分にさせてくれます。
「Come Into My World」の動画はこちらから。
「The We And the I」(2012)
90年代のティーンエイジャームービーが『KIDS』だとしたら、この『ウィ・アンド・アイ』は2010年代版のティーンエイジャームービーの代表作的な1本かも。破天荒で向こう見ずなのに繊細で壊れやすいティーンエイジャーのリアリティを、全て通学バスの中というシチュエーションで2時間に渡り描き続けています。「こんなに長くバスに乗ってるなんてどれだけ家が遠いんだ」と突っ込みたくなる部分もありますが(笑)夕暮れを走るバスが見られる頃には、ティーンの頃の気持ちがあなたの心の中にもよみがえっているはずです。
「The We And the I」の予告動画はこちらから。
「Eternal Sunshine of the Spotless Mind」(2004)
アカデミー賞の脚本賞など、数々のアワードも獲得している『エターナル・サンシャイン』。ミシェル・ゴンドリー自身の原案で、彼らしいコミカルな部分とロマンティックさ、切なさがストーリーの中に混ざり合い、それを夢のようなファンタジックさで映像化しています。ケイト・ウィンスレットのヘアカラーを始め、各シーンでのポイントとなる色づかいが素敵。映像の美しさや表現の手法としての見所もたっぷりですが、ストーリーが本当にロマンティック。見終わった後には、心の奥底にいる誰かのことを思い出しているかも知れません。
「Eternal Sunshine of the Spotless Mind」の予告動画はこちらから。
Eri Imamura