以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素のみを抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る分散型発電システムは、第1から第3の電線のうち第3の電線が中性線である3線式の電力系統に連系する分散型発電システムであって、分散型発電システムは、発電装置と、第1~3の電線のうち、任意の2本の電線を内部電力負荷と接続するように構成されている接続機構と、第1の電線の電流値を検出するように設定されている第1電流センサと、第2の電線の電流値を検出するように設定されている第2電流センサと、接続機構が任意の2本の電線を内部電力負荷と接続する前後における第1電流センサ及び第2電流センサが検知する電流値の変化量が、内部電力負荷の消費電力量に対応した変化量であるかどうかを判定することにより、第1電流センサ及び第2電流センサが配置されている電線及びその設置方向を判断するように構成されている制御器と、を備える態様を例示するものである。
ここで、「電流センサが検知する電流値」は、電線を流れる電流の大きさ(量)だけでなく、その流れる向きも含む。このため、「電流値の変化量」は、電流値の変化の大きさ(量)だけでなく、その変化の方向も含まれる。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、接続機構が、第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する第1接続器と第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する第2接続器を有していてもよい。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第1接続器が第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量であり、かつ、第2接続器が第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量でない場合には、第1電流センサが第1の電線に配置されていると判断するように構成されていてもよい。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第1接続器が第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量である場合であって、その変化量が、正の方向である場合には、第1電流センサが第1の電線に正方向に配置されていると判断し、その変化量が、負の方向である場合には、第1電流センサが第1の電線に逆方向に配置されていると判断するように構成されていてもよい。
ここで、「第1電流センサが第1の電線に正方向に配置されている」とは、第1電流センサが、第1の電線に本来設置されるべき方向に配置されていることをいう。また、「第1電流センサが第1の電線に逆方向に配置されている」とは、第1電流センサが、第1の電線に本来設置されるべき方向とは反対方向に配置されていることをいう。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第1接続器が第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量でなく、かつ、第2接続器が第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量である場合には、第1電流センサが第2の電線に配置されていると判断するように構成されていてもよい。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第2接続器が第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量である場合であって、その変化量が、正の方向である場合には、第1電流センサが第2の電線に正方向に配置されていると判断し、その変化量が、負の方向である場合には、第1電流センサが第2の電線に逆方向に配置されていると判断するように構成されていてもよい。
ここで、「第1電流センサが第2の電線に正方向に配置されている」とは、第1電流センサが、第2の電線に本来設置されるべき方向に配置されていることをいう。また、「第1電流センサが第2の電線に逆方向に配置されている」とは、第1電流センサが、第2の電線に本来設置されるべき方向とは反対方向に配置されていることをいう。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第1接続器が第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量と、第2接続器が第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量と、の両方の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量である場合には、第1電流センサが第3の電線に配置されていると判断するように構成されていてもよい。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第1接続器が第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量と、第2接続器が第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量と、の両方の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量でない場合には、第1電流センサが異常であると判断するように構成されていてもよい。
ここで、「第1電流センサが異常である」とは、第1電流センサが故障している場合だけでなく、第1電流センサが電線から外れている場合も含む。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第1接続器が第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量でなく、かつ、第2接続器が第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量である場合には、第2電流センサが第2の電線に配置されていると判断するように構成されていてもよい。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第2接続器が第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量である場合であって、その変化量が、正の方向である場合には、第2電流センサが第2の電線に正方向に配置されていると判断し、その変化量が、負の方向である場合には、第2電流センサが第2の電線に逆方向に配置されていると判断するように構成されていてもよい。
ここで、「第2電流センサが第2の電線に正方向に配置されている」とは、第2電流センサが、第2の電線に本来設置されるべき方向に配置されていることをいう。また、「第2電流センサが第2の電線に逆方向に配置されている」とは、第2電流センサが、第2の電線に本来設置されるべき方向とは反対方向に配置されていることをいう。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第1接続器が第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量であり、かつ、第2接続器が第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量でない場合には、第2電流センサが第1の電線に配置されていると判断するように構成されていてもよい。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第1接続器が第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量である場合であって、その変化量が、正の方向である場合には、第2電流センサが第1の電線に正方向に配置されていると判断し、その変化量が、負の方向である場合には、第2電流センサが第1の電線に逆方向に配置されていると判断するように構成されていてもよい。
ここで、「第2電流センサが第1の電線に正方向に配置されている」とは、第2電流センサが、第1の電線に本来設置されるべき方向に配置されていることをいう。また、「第2電流センサが第1の電線に逆方向に配置されている」とは、第2電流センサが、第1の電線に本来設置されるべき方向とは反対方向に配置されていることをいう。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第1接続器が第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量と、第2接続器が第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量と、の両方の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量である場合には、第2電流センサが第3の電線に配置されていると判断するように構成されていてもよい。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器は、第1接続器が第1の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量と、第2接続器が第2の電線と第3の電線を内部電力負荷に接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量と、の両方の変化量が、電力負荷の消費電力量に対応した変化量でない場合には、第2電流センサが異常であると判断するように構成されていてもよい。
ここで、「第2電流センサが異常である」とは、第2電流センサが故障している場合だけでなく、第2電流センサが電線から外れている場合も含む。
また、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器を操作するための操作器をさらに備え、制御器が、操作器の操作指令により、第1電流センサ及び第2電流センサが配置されている電線及びその設置方向の判断を開始するように構成されていてもよい。
さらに、本実施の形態1に係る分散型発電システムでは、制御器による第1電流センサ及び第2電流センサの判定の結果を表示する表示器をさらに備えていてもよい。
[分散型発電システムの構成]
まず、本発明の実施の形態1に係る分散型発電システムの構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る分散型発電システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。
図1には、電力系統101と、分散型発電システム102と、家庭内負荷104を図示している。ここで、電力系統101は、第1の電線101a、第2の電線101b、第3の電線101cから成る単相3線式の交流電源である。電力系統101と分散型発電システム102は、連系点103で連系している。
家庭内負荷104は、一般家庭で使用されるテレビ、エアコン等などで、電力系統101または分散型発電システム102から供給される交流電力を消費する機器である。なお、以下では、第1の電線101aをU相101a、第2の電線101bをW相101b、第3の電線101cを中性線であるO相101cと記して説明する。
そして、分散型発電システム102は、発電装置105と、直流交流電力変換器106と、連系リレー107と、電圧検出器108と、第1電流センサ109aと、第2電流センサ109bと、接続機構110と、内部電力負荷111と、運転制御器(制御器)112と、操作器113と、表示器114から少なくとも構成される。
ここで、発電装置105は、燃料電池などで構成され直流電力を生成する。直流交流電力変換器106は、絶縁トランスを含む構成を有し、発電装置105が生成する直流電圧を変圧した後、家庭内負荷104で消費可能な交流電力へ変換する。連系リレー107は、開閉することで分散型発電システム102を電力系統101と連系/解列させるように構成されている。
電圧検出器108は、電力系統101のU相101a-O相101c間、W相101b-O相101c間の電圧を検出するように構成されていれば、どのような形態であってもよい。また、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bは、電力系統101の電線に取付けられ、取付けられた位置に流れる電流の大きさおよび正負の方向を検出するように構成されている。第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bとしては、カレントトランスなどを使用することができる。なお、本実施の形態1では、第1電流センサ109aをU相101aの連系点103、第2電流センサ109bは、W相101bの連系点103に取付けられるように設定されている。
内部電力負荷111はヒータなどの比較的電力消費量の大きい機器で、構成されている。内部電力負荷111は、接続機構110を介して電力系統101のU相101a-O相101c間、またはW相101b-O相101c間と接続されるように構成されている。そして、内部電力負荷111は、接続機構110により電力系統101と接続されて電力を消費する。
接続機構110は、本実施の形態1においては、第1接続器110aと第2接続器110bを有している。第1接続器110aは、ON状態のときに、電力系統101のU相101a-O相101c間に内部電力負荷111を接続し、第2接続器110bは、ON状態のときに、電力系統101のW相101b-O相101c間に内部電力負荷111を接続するように構成されている。そして、接続機構110は、運転制御器112からの指令を基に第1接続器110a及び第2接続器110bのいずれか1つをONにすることで内部電力負荷111への電力を供給可能とする。
運転制御器112は、分散型発電システム102を構成する各機器を制御する機器であれば、どのような形態であってもよく、例えば、マイクロプロセッサ、CPU等に例示される演算処理部と、各制御動作を実行するためのプログラムを格納した、不揮発性メモリ等から構成される記憶部を備えている。そして、運転制御器112は、演算処理部が、記憶部に格納された所定の制御プログラムを読み出し、これを実行することにより、これらの情報を処理し、かつ、これらの制御を含む分散型発電システム102に関する各種の制御を行う。
具体的には、運転制御器112は、電圧検出器108で検出される電圧値と第1電流センサ109a及び/又は第2電流センサ109bで検出される電流値の積より算出される電力値を基に、発電装置105や直流交流電力変換器106の出力、および連系リレー107や接続機構110のON/OFFを制御する。また、運転制御器112は、接続機構110を用いて内部電力負荷111の電力系統101への接続をU相101a-O相101c間、またはW相101b-O相101c間で切り替えることで、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bの故障、断線、外れ状態などの異常や取付け方向、取付け位置の判断を行う。
なお、運転制御器112は、単独の制御器で構成される形態だけでなく、複数の制御器が協働して、分散型発電システム102の制御を実行する制御器群で構成される形態であっても構わない。また、運転制御器112は、マイクロコントローラで構成されていてもよく、MPU、PLC(programmable logic controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。
操作器113は、施工・メンテナンス作業者が分散型発電システム102に関して、所定の操作を行なうことができるように構成されている。操作器113としては、タクトスイッチやメンブレンスイッチなどを用いることができる。表示器114は、分散型発電システム102のエラー表示や動作情報などの表示を行うように構成されている。表示器114としては、LCDや7セグメントLEDなどを用いることができる。
[分散型発電システムの動作]
次に、本実施の形態1に係る分散型発電システム102の動作について説明する。
まず、接続機構110が内部電力負荷111と電力系統101を接続する前後における第1電流センサ109a又は第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量と、第1電流センサ109a又は第2電流センサ109bが配置されている電線及びその設置方向と、の関係について、説明する。
(1)第1電流センサ109aがU相101aに正しい方向に配置されている場合
図1に示すように、第1電流センサ109aがU相101aに正しい方向に配置されている場合、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、内部電力負荷111の消費電力量に対応した変化量となる。具体的には、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、プラス側に大きく変化する。
一方、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、所定の範囲内となる。すなわち、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、ほとんど変化しない。
したがって、運転制御器112は、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲からプラス側に外れた値となり、かつ、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内となった場合には、第1電流センサ109aが、U相101aに正しい方向に配置されていると判断することができる。
(2)第1電流センサ109aがU相101aに逆方向に配置されている場合
図1において、第1電流センサ109aがU相101aに逆方向に配置されている場合、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、内部電力負荷111の消費電力量に対応した変化量となるが、その変化の方向がマイナスとなる。すなわち、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、マイナス側に大きく変化する。
一方、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、所定の範囲内となる。具体的には、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、ほとんど変化しない。
したがって、運転制御器112は、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲からマイナス側に外れた値となり、かつ、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内となった場合には、第1電流センサ109aが、U相101aに逆方向に配置されていると判断することができる。
(3)第1電流センサ109aがW相101bに配置されている場合
図1において、第1電流センサ109aがW相101bに配置されている場合、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、所定の範囲内となる。
一方、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、所定の範囲から外れた値となる。
したがって、運転制御器112は、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲となり、かつ、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れた場合には、第1電流センサ109aが、W相101bに配置されていると判断することができる。
このとき、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲からプラス側に外れた場合には、第1電流センサ109aは、W相101bに正方向で配置されていると判断することができる。また、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲からマイナス側に外れた場合には、第1電流センサ109aは、W相101bに逆方向で配置されていると判断することができる。
(4)第1電流センサ109aがO相101cに配置されている場合
図1において、第1電流センサ109aがO相101cに配置されている場合、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、所定の範囲から外れた値となる。
また、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後においても、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量は、所定の範囲から外れた値となる。
したがって、運転制御器112は、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れ、かつ、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れた場合には、第1電流センサ109aが、O相101cに配置されていると判断することができる。
(5)第2電流センサ109bがW相101bに正しい方向に配置されている場合
図1に示すように、第2電流センサ109bがW相101bに正しい方向に配置されている場合、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、内部電力負荷111の消費電力量に対応した変化量となる。具体的には、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、プラス側に大きく変化する。
一方、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、所定の範囲内となる。すなわち、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、ほとんど変化しない。
したがって、運転制御器112は、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲からプラス側に外れた値となり、かつ、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内となった場合には、第2電流センサ109bが、W相101bに正しい方向に配置されていると判断することができる。
(6)第2電流センサ109bがW相101bに逆方向に配置されている場合
図1において、第2電流センサ109bがW相101bに逆方向に配置されている場合、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、内部電力負荷111の消費電力量に対応した変化量となるが、その変化の方向がマイナスとなる。具体的には、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、マイナス側に大きく変化する。
一方、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、所定の範囲内となる。すなわち、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、ほとんど変化しない。
したがって、運転制御器112は、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲からマイナス側に外れた値となり、かつ、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内となった場合には、第2電流センサ109bが、W相101bに逆方向に配置されていると判断することができる。
(7)第2電流センサ109bがU相101aに配置されている場合
図1において、第2電流センサ109bがU相101aに配置されている場合、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、所定の範囲内となる。
一方、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、所定の範囲から外れた値となる。
したがって、運転制御器112は、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲となり、かつ、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れた場合には、第2電流センサ109bが、U相101aに配置されていると判断することができる。
このとき、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲からプラス側に外れた場合には、第2電流センサ109bは、U相101aに正方向で配置されていると判断することができる。また、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲からマイナス側に外れた場合には、第2電流センサ109bは、U相101aに逆方向で配置されていると判断することができる。
(8)第2電流センサ109bがO相101cに配置されている場合
図1において、第2電流センサ109bがO相101cに配置されている場合、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後では、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、所定の範囲から外れた値となる。
また、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後においても、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、所定の範囲から外れた値となる。
したがって、運転制御器112は、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れ、かつ、内部電力負荷111を電力系統101の第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れた場合には、第2電流センサ109bが、O相101cに配置されていると判断することができる。
(9)その他
ところで、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後においても、第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後においても、第1電流センサ109a又は第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、所定の範囲になった場合には、第1電流センサ109a又は第2電流センサ109bが、電線から外れているか、又は故障していると考えることができる。
したがって、運転制御器112は、内部電力負荷111を電力系統101の第1の電線(U相)101a-第3の電線(O相)101c間に接続する前後においても、第2の電線(W相)101b-第3の電線(O相)101c間に接続する前後においても、第1電流センサ109a又は第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量は、所定の範囲になった場合には、第1電流センサ109a又は第2電流センサ109bが、異常であると判断することができる。
[電流センサの設置状態確認動作]
次に、本実施の形態1に係る分散型発電システム102の第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bの設置状態の確認動作について説明する。
まず、施工・メンテナンス作業者は、分散型発電システム102の施工・メンテナンス時に第1電流センサ109aをU相101aの連系点103、第2電流センサ109bをW相101bの連系点103に取り付けることになっている。そして、施工・メンテナンス作業者は、運転制御器112に出力信号線を接続する。このあと、これらの施工・メンテナンスによる第1電流センサ109a、第2電流センサ109bの取付け方向、取付け位置、配線が正しく行われた否かを確認するため、施工・メンテナンス作業者は、操作器113により所定の操作を行うことで取付け状態の確認テストを行う。
<O相に取り付けられていないかの確認動作>
まず、第1電流センサ109aおよび第2電流センサ109bが、第3の電線すなわちO相101cに間違って取り付けられていないかの判定する場合について、図1並びに図2(A)及び図2(B)を参照しながら説明する。図2(A)及び図2(B)は、本実施の形態1に係る分散型発電システムにおける第1電流センサ及び第2電流センサの設置状態の確認動作を模式的に示すフローチャートである。より詳細には、第1電流センサ及び第2電流センサがO相に配置されているか否かの確認動作を示すフローチャートである。
図2(A)及び図2(B)に示すように、運転制御器112は、操作器113より操作信号を受けると、確認テストを開始する(ステップS101でYes)。具体的には、運転制御器112は、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bが検知する電流値を取得する(ステップS102)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第1接続器110aをONする指令を出力する(ステップS103)。これにより、第1接続器110aが、U相101a-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、U相101aの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bが検知する電流値を再び取得し(ステップS104)、ステップS102で取得した電流値からの変化量(本実施の形態では、第1電流センサ109aにおけるステップS102からの電流値の変化量をΔI1とし、第2電流センサ109bにおけるステップS102からの電流値の変化量をΔI2とする)を算出する(ステップS105)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第1接続器110aをOFFする指令を出力する(ステップS106)。これにより、第1接続器110aが、U相101a-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、U相101aの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、運転制御器112は、第1接続器110aをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第1電流センサ109aが検知する電流値が変化した場合、すなわち、ΔI1が、所定範囲(本実施の形態では、-1A~1Aの範囲)外の場合(ステップS107でYes)には、ステップS108に進む。一方、運転制御器112は、ΔI1が、所定範囲内である場合(ステップS107でNo)には、ステップS115に進む。なお、所定範囲は、内部電力負荷111が消費する電力量に対応する変化量よりも充分に小さい範囲内で、任意に設定することができる。具体的には、内部電力負荷111が消費する電力値から電線を通流する電流値を算出し、例えば、当該電流値の10%~30%の値を所定範囲としてもよい。
ステップS108では、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知する電流値を取得する。ついで、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをONする指令を出力する(ステップS109)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、W相101bの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知する電流値を再び取得し(ステップS110)、ステップS108で取得した電流値からの変化量(本実施の形態では、第1電流センサ109aにおけるステップS108からの電流値の変化量をΔI3とする)を算出する(ステップS111)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをOFFする指令を出力する(ステップS112)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、W相101bの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、第2接続器110bをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第1電流センサ109aが検知する電流値が変化した場合、すなわち、ΔI3が、所定範囲(本実施の形態では、-1A~1Aの範囲)外の場合(ステップS113でYes)には、第1電流センサ109aがO相101cの連系点103に間違って取り付けられていると判断することができる。すなわち、第1接続器110aをON/OFFする前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れ(ステップS107でYes)、かつ、第2接続器110bをON/OFFする前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れた場合(ステップS113でYes)であるため、第1電流センサ109aがO相101cの連系点103に取り付けられていると判断することができる。
このため、運転制御器112は、ΔI3が、所定の範囲から外れた場合(ステップS113でYes)には、内蔵の不揮発性メモリ(記憶部)に異常情報として記憶し(ステップS114)、ステップS123に進む。一方、運転制御器112は、ΔI3が、所定範囲内である場合(ステップS113でNo)には、ステップS123に進む。
ステップS123では、運転制御器112は、内蔵の不揮発性メモリに異常情報が記憶されているか否かを判断し、異常情報が記憶されている場合(ステップS123でYes)には、表示器114にその異常情報を表示させ(ステップS124)、異常情報が記憶されていない場合(ステップS123でNo)には、表示器114に正常情報を表示させる(ステップS125)。
一方、上述したように、運転制御器112は、ΔI1が所定範囲内にある場合(ステップS107でNo)には、ステップS115に進む。ステップS115では、運転制御器112は、第1接続器110aをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化したか否かを判断する。
運転制御器112は、ΔI2が、所定範囲(本実施の形態では、-1A~1Aの範囲)外の場合(ステップS115でYes)には、ステップS116に進む。一方、運転制御器112は、ΔI2が、所定範囲内である場合(ステップS115でNo)には、ステップS123に進む。
ステップS116では、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を取得する。ついで、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをONする指令を出力する(ステップS117)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、W相101bの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を再び取得し(ステップS118)、ステップS116で取得した電流値からの変化量(本実施の形態では、第2電流センサ109bにおけるステップS116からの電流値の変化量をΔI4とする)を算出する(ステップS119)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをOFFする指令を出力する(ステップS120)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、W相101bの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、第2接続器110bをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化した場合、すなわち、ΔI4が、所定範囲(本実施の形態では、-1A~1Aの範囲)外の場合(ステップS121でYes)には、第2電流センサ109bがO相101cの連系点103に間違って取り付けられていると判断することができる。すなわち、第1接続器110aをON/OFFする前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れ(ステップS115でYes)、かつ、第2接続器110bをON/OFFする前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れた場合(ステップS121でYes)であるため、第2電流センサ109bがO相101cの連系点103に取り付けられていると判断することができる。
このため、運転制御器112は、ΔI4が、所定の範囲から外れた場合(ステップS121でYes)には、内蔵の不揮発性メモリ(記憶部)に異常情報として記憶し(ステップS122)、ステップS123に進む。一方、運転制御器112は、ΔI4が、所定範囲内である場合(ステップS121でNo)には、ステップS123に進む。
ステップS123では、運転制御器112は、内蔵の不揮発性メモリに異常情報が記憶されているか否かを判断する。運転制御器112は、異常情報が記憶されている場合(ステップS123でYes)には、表示器114にその異常情報を表示させる(ステップS124)。一方、運転制御器112は、異常情報が記憶されていない場合(ステップS123でNo)には、表示器114に正常情報を表示させる(ステップS125)。そして、運転制御器112は、本プログラムを終了する。
このようにして、運転制御器112は、第1電流センサ109a及び/又は第2電流センサ109bがO相に間違って配置されているか否かを判断することができる。
<電流センサの取り付け方向等の確認動作>
次に、第1電流センサ109aおよび第2電流センサ109bの取付け方向の自動補正や逆相に取付けられた状態や故障、断線、外れ等の状態を判定する場合について、図1及び図3(A)~(C)を参照しながら説明する。
図3(A)、図3(B)、及び図3(C)は、本実施の形態1に係る分散型発電システムにおける第1電流センサ及び第2電流センサの設置状態の確認動作を模式的に示すフローチャートである。より詳細には、第1電流センサ及び第2電流センサの取り付け方向等の確認動作を示すフローチャートである。
図3(A)~図3(C)に示すように、運転制御器112は、操作器113より操作信号を受けると、確認テストを開始する(ステップS201でYes)。運転制御器112は、まず、第1電流センサ109aの故障(本実施の形態では、第1電流センサ109aの信号線の断線や外れも含む)、取付け方向、U相101aの連系点103に第1電流センサ109aが正しく取付けられている、および第2電流センサ109bが誤って取付けられていないことを確認する。
具体的には、運転制御器112は、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bが検知する電流値を取得する(ステップS202)。ついで、運転制御器112は、接続機構110に第1接続器110aをONする指令を出力する(ステップS203)。これにより、第1接続器110aが、U相101a-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、U相101aの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bが検知する電流値を再び取得し(ステップS204)、ステップS202で取得した電流値からの変化量(本実施の形態では、第1電流センサ109aにおけるステップS202からの電流値の変化量をΔI1とし、第2電流センサ109bにおけるステップS202からの電流値の変化量をΔI2とする)を算出する(ステップS205)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第1接続器110aをOFFする指令を出力する(ステップS206)。これにより、第1接続器110aが、U相101a-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、U相101aの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、上述したように、第1電流センサ109aが、故障なく、正しい位置、つまりU相101aの連系点103に取付けられていれば、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第1電流センサ109aが検知する電流値が変化する。すなわち、ΔI1は、所定範囲(本実施の形態1においては、-1A~1Aの範囲)外となる。一方、第1電流センサ109aが、故障、断線、外れまたは誤った位置に取付けられていれば電流値が変化しない。すなわち、ΔI1は、所定範囲内となる。
したがって、第1接続器110aをON/OFFした際に、ΔI1が、所定範囲内である場合(ステップS207でYes)には、第1電流センサ109aが故障、断線、外れまたはU相101aの連系点103とは異なる逆相の電線上(例えば、W相101bの連系点103)に取付けられていると判断することができる。このため、運転制御器112は、内蔵の不揮発性メモリ(記憶部)に、第1電流センサ109aが異常であるという異常情報を記憶させ(ステップS208)、ステップS211に進む。
一方、ΔI1が、所定範囲外である場合(ステップS207でNo)であって、第1電流センサ109aの電流値の変化量が所定値未満(本実施の形態では、-1A未満)の場合(ステップS209でYes)には、取り付け位置は正しい(U相101aの連系点103に取付けられている)が、取り付け方向が逆と判断することができる。このため、運転制御器112は、第1電流センサ109aの取り付け方向の正負を反転させて、内蔵の不揮発性メモリに記憶させるとともに、これ以降、第1電流センサ109aが検知する電流値の符号を反転補正する(ステップS210)。そして、運転制御器112は、ステップS211に進む。
ステップS211では、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知した電流値の変化量(ΔI2)が、所定範囲(本実施の形態1においては、-1A~1Aの範囲)外であるか否かを判断する。
ここで、上述したように、第2電流センサ109bが誤って、U相101aの連系点103に取付けられていれば、第1接続器110aをON/OFFした際、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bの電流値が変化する。
したがって、第2電流センサ109bの電流値の変化量(ΔI2)が所定範囲外である場合(ステップS211でYes)には、第2電流センサ109bが誤って、U相101aの連系点103に取付けられていると判断することができる。このため、運転制御器112は、内蔵のメモリに、第2電流センサ109bが異常であるという異常情報を記憶させ(ステップS212)、ステップS213に進む。
一方、運転制御器112は、ΔI2が所定範囲内である場合(ステップ211でNo)には、ステップS213に進む。
次に、ステップS213以降では、運転制御器112は、第2電流センサ109bの取付け方向、およびW相101bの連系点103に第2電流センサ109bが正しく取付けられている、および第1電流センサ109aが誤って取付けられていないことを確認する。
ステップS213では、運転制御器112は、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bが検知する電流値を取得する。ついで、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをONする指令を出力する(ステップS214)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、W相101bの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bが検知する電流値を再び取得し(ステップS215)、ステップS213で取得した電流値からの変化量(本実施の形態では、第1電流センサ109aにおけるステップS213からの電流値の変化量をΔI3とし、第2電流センサ109bにおけるステップS213からの電流値の変化量をΔI4とする)を算出する(ステップS216)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをOFFする指令を出力する(ステップS217)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、W相101bの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、上述したように、第2電流センサ109bが、故障なく、正しい位置、つまりW相101bの連系点103に取付けられていれば、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化する。すなわち、ΔI4は、所定範囲(本実施の形態1においては、-1A~1Aの範囲)外となる。一方、第2電流センサ109bが、故障、断線、外れまたは誤った位置に取付けられていれば電流値が変化しない。すなわち、ΔI4は、所定範囲内となる。
したがって、第2接続器110bをON/OFFした際に、ΔI4が、所定範囲内である場合(ステップS218でYes)には、第2電流センサ109bが故障、断線、外れまたはW相101bの連系点103とは異なる逆相の電線上(例えば、U相101aの連系点103)に取付けられていると判断することができる。このため、運転制御器112は、内蔵の不揮発性メモリ(記憶部)に、第2電流センサ109bが異常であるという異常情報を記憶させ(ステップS219)、ステップS222に進む。
一方、ΔI4が、所定範囲外である場合(ステップS218でNo)であって、第2電流センサ109bの電流値の変化量が所定値未満(本実施の形態では、-1A未満)の場合(ステップS220でYes)には、取り付け位置は正しい(W相101bの連系点103に取付けられている)が、取り付け方向が逆と判断することができる。このため、運転制御器112は、第2電流センサ109bの取り付け方向の正負を反転させて、内蔵の不揮発性メモリに記憶させるとともに、これ以降、第2電流センサ109bが検知する電流値の符号を反転補正する(ステップS221)。そして、運転制御器112は、ステップS222に進む。
ステップS222では、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知した電流値の変化量(ΔI3)が、所定範囲(本実施の形態1においては、-1A~1Aの範囲)外であるか否かを判断する。
ここで、上述したように、第1電流センサ109aが誤って、W相101bの連系点103に取付けられていれば、第2接続器110bをON/OFFした際、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第1電流センサ109aの電流値が変化する。
したがって、第1電流センサ109aの電流値の変化量(ΔI3)が所定範囲外の場合(ステップS222でYes)には、第1電流センサ109aが誤って、W相101bの連系点103に取付けられていると判断することができる。このため、運転制御器112は、内蔵のメモリに、第1電流センサ109aが異常であるという異常情報を記憶させ(ステップS223)、ステップS224に進む。
一方、運転制御器112は、ΔI3が所定範囲内の場合(ステップ222でNo)には、ステップS224に進む。
ステップS224では、運転制御器112は、内蔵の不揮発性メモリに異常情報が記憶されているか否かを判断する。運転制御器112は、異常情報が記憶されている場合(ステップS224でYes)には、表示器114にその異常情報を表示させる(ステップS225)。一方、運転制御器112は、異常情報が記憶されていない場合(ステップS224でNo)には、表示器114に正常情報を表示させる(ステップS226)。そして、運転制御器112は、本プログラムを終了する。
施工・メンテナンス作業者は、取付け状態の確認テスト操作後、表示器114への結果表示により取付け状態の確認テストが終了したと判断することができる。このとき、表示器114に表示された結果が異常情報である場合、その内容により取付け状態の修正作業を行う。そして、修正作業完了時には、再度第1電流センサ109a、第2電流センサ109bの取付け状態の確認テストを行い、正常な取付け状態を確認するまで上記作業を繰り返す。
このようにして、本実施の形態1に係る分散型発電システム102では、簡単な構成で、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bが設置されている電線及びその設置方向を判断することができる。このため、施工・メンテナンス作業者は、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bを適切な位置に配置することができる。
なお、本実施の形態1では、施工・メンテナンス作業者の操作により取り付け状態の確認を行ったが、これに限定されない。施工・メンテナンス後、定期的に、例えば、分散型発電システム102の電源投入時や発電装置105の発電前後等、第1電流センサ109a及び第2電流センサ109bの電流値の変動が小さいときに、取り付け状態の確認を行ってもよい。このとき、判取り付け状態に異常があった場合には、表示器114を用いてユーザーに警告を行っても構わない。これにより、施工・メンテナンス後に、第1電流センサ109a及び/又は第2電流センサ109bの取付け位置の間違い、取り付け方向の修正、又は断線や取り付け位置から外れた等の故障を検出することができる。
また、本実施の形態1では、運転制御器112は、接続機構110の第1接続器110a又は第2接続器110bをON/OFFした際における第1電流センサ109a、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量を基にして、取付け状態の判断を行ったが、これに限定されない。
例えば、第1接続器110a及び第2接続器110bがOFFのときに、第1電流センサ109a、第2電流センサ109bが検知する電流値が限りなく0に近い場合、運転制御器112は、電流値の変化量でなく、第1接続器110a又は第2接続器110bをONした際に検出される電流値を基にして、判断を行っても構わない。
[変形例]
次に、本実施の形態1に係る分散型発電システム102の変形例について説明する。なお、本変形例の分散型発電システム102は、実施の形態1に係る分散型発電システム102の構成と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
[電流センサの設置状態確認動作]
図4(A)、図4(B)、及び図4(C)は、本変形例1の分散型発電システムにおける第1電流センサの設置状態の確認動作を模式的に示すフローチャートである。図5(A)、図5(B)、及び図5(C)は、本変形例1の分散型発電システムにおける第2電流センサの設置状態の確認動作を模式的に示すフローチャートである。
<第1電流センサの設置状態確認動作>
まず、第1電流センサ109aの設置状態確認動作について、図1及び図4(A)、図4(B)、及び図4(C)を参照しながら説明する。
図4(A)、図4(B)、及び図4(C)に示すように、運転制御器112は、操作器113より操作信号を受けると、確認テストを開始する(ステップS301でYes)。具体的には、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知する電流値を取得する(ステップS302)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第1接続器110aをONする指令を出力する(ステップS303)。これにより、第1接続器110aが、U相101a-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、U相101aの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知する電流値を再び取得し(ステップS304)、ステップS302で取得した電流値からの変化量(本変形例では、第1電流センサ109aにおけるステップS302からの電流値の変化量をΔI7とする)を算出する(ステップS305)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第1接続器110aをOFFする指令を出力する(ステップS306)。これにより、第1接続器110aが、U相101a-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、U相101aの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、運転制御器112は、第1接続器110aをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第1電流センサ109aが検知する電流値が変化しなかった場合、すなわち、ΔI7が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)内である場合(ステップS307でYes)には、ステップS308に進む。一方、運転制御器112は、ΔI7が、所定範囲外である場合(ステップS307でNo)には、ステップS316に進む。
ステップS308では、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知する電流値を取得する。ついで、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをONする指令を出力する(ステップS309)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、W相101bの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知する電流値を再び取得し(ステップS310)、ステップS308で取得した電流値からの変化量(本変形例では、第1電流センサ109aにおけるステップS308からの電流値の変化量をΔI8とする)を算出する(ステップS311)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをOFFする指令を出力する(ステップS312)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、W相101bの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、第2接続器110bをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第1電流センサ109aが検知する電流値が変化した場合、すなわち、ΔI8が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)外である場合(ステップS313でYes)には、第1電流センサ109aがW相101bに間違って配置されていると判断することができる。すなわち、第1接続器110aをON/OFFする前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内であり(ステップS307でYes)、かつ、第2接続器110bをON/OFFする前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲外である場合(ステップS313でYes)であるため、第1電流センサ109aがW相101bの連系点103に取り付けられていると判断することができる。
一方、第2接続器110bをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第1電流センサ109aが検知する電流値が変化しない場合、すなわち、ΔI8が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)内である場合(ステップS313でNo)には、第1電流センサ109aが故障していると判断することができる。すなわち、第1接続器110aをON/OFFする前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内であり(ステップS307でYes)、かつ、第2接続器110bをON/OFFする前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内である場合(ステップS313でNo)であるため、第1電流センサ109aは電流値を検知していないことになる。したがって、第1電流センサ109aが、故障していると判断することができる。
このため、運転制御器112は、ΔI8が、所定の範囲から外れた場合(ステップS313でYes)には、内蔵の不揮発性メモリ(記憶部)に第1電流センサ109aがW相101bに配置されているという異常情報を記憶させ(ステップS314)、ステップS324に進む。一方、運転制御器112は、ΔI8が、所定範囲内である場合(ステップS313でNo)には、第1電流センサ109aが故障であるという異常情報を記憶部に記憶させ(ステップS315)、ステップS324に進む。
一方、上述したように、運転制御器112は、ΔI7が所定範囲外である場合(ステップS307でNo)には、ステップS316に進む。ステップS316では、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を取得する。ついで、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをONする指令を出力する(ステップS317)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、W相101bの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を再び取得し(ステップS318)、ステップS316で取得した電流値からの変化量(本変形例では、第2電流センサ109bにおけるステップS316からの電流値の変化量をΔI9とする)を算出する(ステップS319)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをOFFする指令を出力する(ステップS320)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、W相101bの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、第2接続器110bをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化しなかった場合、すなわち、ΔI9が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)内である場合(ステップS321でYes)には、第1電流センサ109aがU相101aの連系点103に正しく取り付けられていると判断することができる。すなわち、第1接続器110aをON/OFFする前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れ(ステップS307でNo)、かつ、第2接続器110bをON/OFFする前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内である場合(ステップS321でYes)であるため、第1電流センサ109aがU相101aの連系点103に取り付けられていると判断することができる。
一方、第2接続器110bをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化した場合、すなわち、ΔI9が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)外である場合(ステップS321でNo)には、第1電流センサ109aがO相101cの連系点103に間違って取り付けられていると判断することができる。すなわち、第1接続器110aをON/OFFする前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れ(ステップS307でNo)、かつ、第2接続器110bをON/OFFする前後において、第1電流センサ109aが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れた場合(ステップS321でNo)であるため、第1電流センサ109aがO相101cの連系点103に取り付けられていると判断することができる。
このため、運転制御器112は、ΔI9が、所定の範囲内である場合(ステップS321でYes)には、内蔵の不揮発性メモリ(記憶部)に、第1電流センサ109aがU相101aに配置されているという正常情報を記憶させ(ステップS322)、ステップS324に進む。一方、運転制御器112は、ΔI9が、所定範囲外である場合(ステップS321でNo)には、第1電流センサ109aがO相101cに間違って配置されているという異常情報を記憶部に記憶させ(ステップS323)、ステップS324に進む。
ステップS324では、運転制御器112は、内蔵の不揮発性メモリに異常情報が記憶されているか否かを判断する。運転制御器112は、異常情報が記憶されている場合(ステップS324でYes)には、表示器114にその異常情報を表示させる(ステップS325)。一方、運転制御器112は、異常情報が記憶されていない場合(ステップS324でNo)には、表示器114に正常情報を表示させる(ステップS326)。そして、運転制御器112は、本プログラムを終了する。
このようにして、本変形例1の分散型発電システム102では、第1電流センサ109aの設置状態を確認することができる。
<第2電流センサの設置状態確認動作>
次に、第2電流センサ109bの設置状態確認動作について、図1及び図5(A)、図5(B)、及び図5(C)を参照しながら説明する。
図5(A)、図5(B)、及び図5(C)に示すように、運転制御器112は、操作器113より操作信号を受けると、確認テストを開始する(ステップS401でYes)。具体的には、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を取得する(ステップS402)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第1接続器110aをONする指令を出力する(ステップS403)。これにより、第1接続器110aが、U相101a-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、U相101aの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を再び取得し(ステップS404)、ステップS402で取得した電流値からの変化量(本実施の形態では、第2電流センサ109bにおけるステップS402からの電流値の変化量をΔI10とする)を算出する(ステップS405)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第1接続器110aをOFFする指令を出力する(ステップS406)。これにより、第1接続器110aが、U相101a-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、U相101aの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、運転制御器112は、第1接続器110aをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化しなかった場合、すなわち、ΔI10が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)内である場合(ステップS407でYes)には、ステップS408に進む。一方、運転制御器112は、ΔI10が、所定範囲外である場合(ステップS407でNo)には、ステップS416に進む。
ステップS408では、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を取得する。ついで、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをONする指令を出力する(ステップS409)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、W相101bの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を再び取得し(ステップS410)、ステップS408で取得した電流値からの変化量(本変形例では、第2電流センサ109bにおけるステップS408からの電流値の変化量をΔI11とする)を算出する(ステップS411)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをOFFする指令を出力する(ステップS412)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、W相101bの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、第2接続器110bをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化した場合、すなわち、ΔI11が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)外である場合(ステップS413でYes)には、第2電流センサ109bがW相101bに正しく配置されていると判断することができる。すなわち、第1接続器110aをON/OFFする前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内であり(ステップS407でYes)、かつ、第2接続器110bをON/OFFする前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲外である場合(ステップS413でYes)であるため、第2電流センサ109bがW相101bの連系点103に取り付けられていると判断することができる。
一方、第2接続器110bをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化しない場合、すなわち、ΔI11が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)内である場合(ステップS413でNo)には、第2電流センサ109bが故障していると判断することができる。すなわち、第1接続器110aをON/OFFする前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内であり(ステップS407でYes)、かつ、第2接続器110bをON/OFFする前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内である場合(ステップS413でNo)であるため、第2電流センサ109bが電流値を検知していないことになる。したがって、第2電流センサ109bが、故障していると判断することができる。
このため、運転制御器112は、ΔI11が、所定の範囲から外れた場合(ステップS413でYes)には、内蔵の不揮発性メモリ(記憶部)に第2電流センサ109bがW相101bに配置されているという正常情報を記憶させ(ステップS414)、ステップS424に進む。一方、運転制御器112は、ΔI11が、所定範囲内である場合(ステップS413でNo)には、第2電流センサ109bが故障であるという異常情報を記憶部に記憶させ(ステップS415)、ステップS424に進む。
一方、上述したように、運転制御器112は、ΔI10が所定範囲外である場合(ステップS407でNo)には、ステップS416に進む。ステップS416では、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を取得する。ついで、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをONする指令を出力する(ステップS417)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間に内部電力負荷111を接続することで、W相101bの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を再び取得し(ステップS418)、ステップS416で取得した電流値からの変化量(本変形例では、第2電流センサ109bにおけるステップS416からの電流値の変化量をΔI12とする)を算出する(ステップS419)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第2接続器110bをOFFする指令を出力する(ステップS420)。これにより、第2接続器110bが、W相101b-O相101c間と内部電力負荷111の接続を解除することで、W相101bの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、第2接続器110bをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化しなかった場合、すなわち、ΔI12が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)内である場合(ステップS421でYes)には、第2電流センサ109bが間違ってU相101aの連系点103に取り付けられていると判断することができる。すなわち、第1接続器110aをON/OFFする前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れ(ステップS407でNo)、かつ、第2接続器110bをON/OFFする前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲内である場合(ステップS421でYes)であるため、第2電流センサ109bがU相101aの連系点103に取り付けられていると判断することができる。
一方、第2接続器110bをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化した場合、すなわち、ΔI12が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)外である場合(ステップS421でNo)には、第2電流センサ109bがO相101cの連系点103に間違って取り付けられていると判断することができる。すなわち、第1接続器110aをON/OFFする前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れ(ステップS407でNo)、かつ、第2接続器110bをON/OFFする前後において、第2電流センサ109bが検知する電流値の変化量が、所定の範囲から外れた場合(ステップS421でNo)であるため、第2電流センサ109bがO相101cの連系点103に取り付けられていると判断することができる。
このため、運転制御器112は、ΔI12が、所定の範囲内である場合(ステップS421でYes)には、内蔵の不揮発性メモリ(記憶部)に、第2電流センサ109bがU相101aに間違って配置されているという異常情報を記憶させ(ステップS422)、ステップS424に進む。一方、運転制御器112は、ΔI12が、所定範囲外である場合(ステップS421でNo)には、第2電流センサ109bがO相101cに間違って配置されているという異常情報を記憶部に記憶させ(ステップS423)、ステップS424に進む。
ステップS424では、運転制御器112は、内蔵の不揮発性メモリに異常情報が記憶されているか否かを判断する。運転制御器112は、異常情報が記憶されている場合(ステップS424でYes)には、表示器114にその異常情報を表示させる(ステップS425)。一方、運転制御器112は、異常情報が記憶されていない場合(ステップS424でNo)には、表示器114に正常情報を表示させる(ステップS426)。そして、運転制御器112は、本プログラムを終了する。
このようにして、本変形例1の分散型発電システム102では、第2電流センサ109bの設置状態を確認することができる。
このように構成された、本変形例1の分散型発電システム102であっても、実施の形態1に係る分散型発電システム102と同様の作用効果を奏する。また、本変形例1の分散型発電システム102では、より具体的に第1電流センサ109a、第2電流センサ109bが設置されている電線を判断することができる。
なお、本変形例1においては、第1電流センサ109a、第2電流センサ109bの設置方向については、判断するフローを記載していないが、実施の形態1で記載したフローを参照することで、第1電流センサ109a、第2電流センサ109bの設置方向は、容易に判断することができる。また、第1電流センサ109a及び/又は第2電流センサ109bの設置方向が逆方向である場合には、運転制御器112は、第1電流センサ109a及び/又は第2電流センサ109bの取り付け方向の正負を反転させて、記憶部に記憶させるとともに、これ以降、第1電流センサ109a及び/又は第2電流センサ109bが検知する電流値の符号を反転補正するように構成されていてもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る分散型発電システムは、接続機構が第1の電線と第2の電線を内部電力負荷に接続する第3接続器を有しており、制御器は、第3接続器が第1の電線と第2の電線を内部電力負荷と接続する前後における第1電流センサが検出する電流値の変化量が内部電力負荷の消費電力量に対応した変化量でない場合に、第1電流センサが第3の電線に配置されているか、又は第1電流センサ自体が異常であると判断するように構成されている態様を例示するものである。
[分散型発電システムの構成]
図6は、本発明の実施の形態2に係る分散型発電システムの概略構成を模式的に示すブロック図である。
図6に示すように、本発明の実施の形態2に係る分散型発電システム102は、実施の形態1に係る分散型発電システム102と基本的構成は同じであるが、接続機構110が第3接続器110cで構成されている点が異なる。具体的には、第3接続器110cは、ON状態のときに、電力系統101のU相101a-W相101b間に内部電力負荷111を接続するように構成されている。
[分散型発電システムの動作(電流センサの設置状態確認動作)]
次に、本実施の形態2に係る分散型発電システム102の動作(電流センサの設置状態確認動作)について、図6及び図7を参照しながら説明する。
図7は、本発明の実施の形態2に係る分散型発電システムにおける第1電流センサの設置状態の確認動作を模式的に示すフローチャートである。
図7に示すように、運転制御器112は、操作器113より操作信号を受けると、確認テストを開始する(ステップS501でYes)。具体的には、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知する電流値を取得する(ステップS502)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第3接続器110cをONする指令を出力する(ステップS503)。これにより、第3接続器110cが、U相101a-W相101b間に内部電力負荷111を接続することで、U相101aの連系点103及びW相101bの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第1電流センサ109aが検知する電流値を再び取得し(ステップS504)、ステップS502で取得した電流値からの変化量(本実施の形態2では、第1電流センサ109aにおけるステップS502からの電流値の変化量をΔI5とする)を算出する(ステップS505)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第3接続器110cをOFFする指令を出力する(ステップS506)。これにより、第3接続器110cが、U相101a-W相101b間と内部電力負荷111の接続を解除することで、U相101aの連系点103及びW相101bの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、第3接続器110cをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第1電流センサ109aが検知する電流値が変化しなかった場合、すなわち、ΔI5が、所定範囲(本実施の形態2では、-1A~1Aの範囲)内である場合(ステップS507でYes)には、第1電流センサ109aがO相101cの連系点103に間違って取り付けられている、又は第1電流センサ109a自体が異常であると判断することができる。
このため、運転制御器112は、ΔI5が、所定の範囲内である場合(ステップS507でYes)には、内蔵の不揮発性メモリ(記憶部)に、第1電流センサ109aがO相101cに配置されているという異常情報を記憶させ(ステップS508)、ステップS509に進む。一方、運転制御器112は、ΔI5が、所定範囲外である場合(ステップS507でNo)には、そのままステップS509に進む。
ステップS509では、運転制御器112は、内蔵の不揮発性メモリに異常情報が記憶されているか否かを判断する。運転制御器112は、異常情報が記憶されている場合(ステップS509でYes)には、表示器114にその異常情報を表示させる(ステップS510)。一方、運転制御器112は、異常情報が記憶されていない場合(ステップS509でNo)には、表示器114に正常情報を表示させる(ステップS511)。そして、運転制御器112は、本プログラムを終了する。
このようにして、本実施の形態2に係る分散型発電システム102では、第1電流センサ109aの設置状態を確認することができる。具体的には、第1電流センサ109aがO相101cの連系点103に配置されていないことを確認することができる。
[変形例]
次に、本実施の形態2に係る分散型発電システム102の変形例について説明する。
本実施の形態2における変形例の分散型発電システムは、接続機構が第1の電線と第2の電線を内部電力負荷に接続する第3接続器を有しており、制御器は、第3接続器が第1の電線と第2の電線を内部電力負荷と接続する前後における第2電流センサが検出する電流値の変化量が内部電力負荷の消費電力量に対応した変化量でない場合に、第2電流センサが第3の電線に配置されているか、又は第2電流センサ自体が異常であると判断するように構成されている態様を例示するものである。
[分散型発電システムの動作(電流センサの設置状態確認動作)]
本変形例の分散型発電システムは、実施の形態2に係る分散型発電システムの構成と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
図8は、本実施の形態2の変形例の分散型発電システムにおける第2電流センサの設置状態の確認動作を模式的に示すフローチャートである。
図8に示すように、運転制御器112は、操作器113より操作信号を受けると、確認テストを開始する(ステップS601でYes)。具体的には、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を取得する(ステップS602)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第3接続器110cをONする指令を出力する(ステップS603)。これにより、第3接続器110cが、U相101a-W相101b間に内部電力負荷111を接続することで、U相101aの連系点103及びW相101bの連系点103に電流が流れる。
このとき、運転制御器112は、第2電流センサ109bが検知する電流値を再び取得し(ステップS604)、ステップS602で取得した電流値からの変化量(本変形例では、第2電流センサ109bにおけるステップS602からの電流値の変化量をΔI6とする)を算出する(ステップS605)。
次に、運転制御器112は、接続機構110に第3接続器110cをOFFする指令を出力する(ステップS606)。これにより、第3接続器110cが、U相101a-W相101b間と内部電力負荷111の接続を解除することで、U相101aの連系点103及びW相101bの連系点103には電流が流れなくなる。
ここで、第3接続器110cをON/OFFした際に、内部電力負荷111が消費した電力分だけ、第2電流センサ109bが検知する電流値が変化しなかった場合、すなわち、ΔI6が、所定範囲(本変形例では、-1A~1Aの範囲)内である場合(ステップS607でYes)には、第2電流センサ109bがO相101cの連系点103に間違って取り付けられている、又は第2電流センサ109b自体が異常であると判断することができる。
このため、運転制御器112は、ΔI6が、所定の範囲内である場合(ステップS607でYes)には、内蔵の不揮発性メモリ(記憶部)に、第1電流センサ109aがO相101cに配置されているという異常情報を記憶させ(ステップS608)、ステップS609に進む。一方、運転制御器112は、ΔI6が、所定範囲外である場合(ステップS607でNo)には、そのままステップS609に進む。
ステップS609では、運転制御器112は、内蔵の不揮発性メモリに異常情報が記憶されているか否かを判断する。運転制御器112は、異常情報が記憶されている場合(ステップS609でYes)には、表示器114にその異常情報を表示させる(ステップS610)。一方、運転制御器112は、異常情報が記憶されていない場合(ステップS609でNo)には、表示器114に正常情報を表示させる(ステップS611)。そして、運転制御器112は、本プログラムを終了する。
このようにして、本変形例の分散型発電システム102では、第2電流センサ109bの設置状態を確認することができる。具体的には、第2電流センサ109bがO相101cの連系点103に配置されていないことを確認することができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の形態を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の要旨を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。